HTC VIVEの「Google Earth VR」レビュー 鳥になって世界各地をお散歩しよう
Googleがついに、「Google Earth VR」をリリースした(関連記事)。観光気分を味わえるだけにとどまらず、ニューヨークや香港の高層ビル群を飛び回り、一瞬でエジプト上空にワープ、世界三大河川を下るといった、まるで鳥になったような気分を自由を楽しめる。
同じGoogleがリリースする3Dお絵かきツール「Tilt Brush」と同様、VRのキラータイトルになりそうなので、その魅力を少しでもお伝えするために、レビューをお届けする。
左右のコントローラーですいすい操作
Google Earthは、Googleが2005年から提供しているバーチャル地球儀ソフト。世界各地の航空写真や衛生写真を、まるで地球儀を回しているかのごとく閲覧できるとあって話題になった。こうした写真をVR空間に展開し、まるでその場にいるような感覚を味わえるのが今回リリースとなったGoogle Earth VRだ。
Steamからの配信で、現状の対応デバイスはHTC VIVEのみ。アプリの価格はなんと無料とのことで、早速インストールしてみた。
アプリはSteamから入手可能だ。下記リンクからジャンプできるほか、Steamの検索欄に「Google」と入力すれば現れる。
アプリの初回起動後はチュートリアルが始まり、終わると自由に世界を飛び回れるようになる。基本は目の前に現れる地球を、右コントローラーのトリガーを引きながらドラッグしてクルクルと回して目的地を探し、同じく右コントローラーのタッチパッド上部を押し込むことで、ズームアップしていく仕組みだ。
HTC Viveのモーションコントローラーはこんなかんじ。人差し指部分のトリガー、親指部分の円形タッチパッドが主に使うボタンだ。ちょうど中指〜小指でグリップする部分の左右にも1つずつボタンが用意してある。
ここからの画像は、ヘッドマウントディスプレー(HMD)に映し出される映像のミラー画面となる。画像が左右2枚あるので少々見にくいが、HMD越しに見ると目の前には、上空からの街並みが映し出されている。
右コントローラーは、Google Earth VRでは「Fly」ボタンとなっていて、実際はズームするというより、その名の通り「前に飛んでいく」感覚に近い。どんどん前に飛んでいくと町並みがぼんやり見えてくる。
試しに東京駅に限界まで近づいたところ。画面ではちょっと遠く感じるかもしれないが、HDM越しでは、駅前ロータリーが目前にある。ここで左コントローラーのタッチパッドを押し込むと、俯瞰(ふかん)視点から水平に近い視点に切り替わる。
水平に近い視点に切り替えたところ。東京駅やロータリーの白線一本一本まで詳細に見渡せる。同じようにロンドン、ミラノ、ニューヨークなどの都市も、詳細な街並みを眺めることが可能だ。
画質については、さすがに水平視点で限界まで近づくと、本物と同じとまではいかず、精巧なジオラマ上を飛び回っている感覚に近い。しかし、飲食店の店構えなどは分かる程にはリアルなので、旅行先で気に入ったお店などを見つけるといったこともできる。
昼だけでなく、夜の風景への切り替えにも対応している。方法は、太陽をドラッグして、水平線より下に持って行くだけ。実際は太陽そのものをドラッグしなくても、太陽の軌道ラインがうっすらとあるので、そこをドラッグすればOK。そのため、夜から昼に戻す場合に「太陽がないから戻せない」といったことはない。
暗くてわかりにくいが、先ほどと同様、東京駅周辺の夜の風景。星空は綺麗だが、夜景再現はまだな様子。
インターフェース面としては、左手コントローラーの先端にミニ地球儀があり、これを右コントローラーでポイントを指定してトリガーを引き、各地にワープすることも可能だ。
ローマに飛んでみたところ。
右コントローラーのメニューを押せば、視界内にウィンドウが現れる。ここには、Googleオススメの観光スポット、世界各国の主要都市へのショートカットなどが用意されている。また、自分で訪れた場所が気に入った場合は、右コントローラーのメニューボタンを押すとお気に入り登録できる。お気に入りスポットは、このウィンドウ内に登録されるので、再度訪れる際は一瞬だ。
旅行や出張先、あるいは国内外の引っ越し先の選定・下調べ、あるいは学習など、さまざまな用途が期待できるだろう。しかし、それはさておき、まずは鳥のように世界を飛び回る感覚を味わってみてはいかがだろうか。
(TEXT by 花茂未来)
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