「鉄拳7」や「グランツーリスモ」がPS VR対応!! SCEがパリで語ったVRへの情熱
ソニー・コンピュータエンタテインメントは28日、10月28日から11月1日にフランス・パリにて開催しているゲームイベント「Paris Games Week 2015」への出展に合わせて、現地でプレスカンファレンス「PlayStation Media Preview」を開催。アーケードで稼働している「鉄拳7」のPlayStaiton 4版、「グランツーリスモ」シリーズの新作「GT SPORTS」といった新作タイトルのPlayStation VR対応を明らかにした。
PlayStation Media Previewの中継映像(日本語版)。
PS VRについては1時間21分あたりからの紹介となる。
VRパートでは、まずSCEワールドワイドスタジオのプレジデント、吉田修平氏が登場。
来場者に対して、「PlayStationはバーチャルリアリティーをゲーミングに取り入れる最先端をいってます。PS VRはみなさんをリビングルームから魅力的な世界に引き込む。それはVRなしでは行く機会のなかった世界にお連れするということです」と語りかける。Paris Games Weekでは、「The London Heist : Getaway」や「PlayRoom VR」、「RIGS: Machine Combat League」、「BattleZone」といった8つのゲームを用意しているとのこと。
「われわれはVRは一人で体験するものでなくてもいいと思っている。ソーシャルや対戦などで、インタラクションをとるものとなっていくと思われます」と語りかけ、その好例としてゲリラゲームズが制作した対戦ゲーム「RIGS」を取り上げた。
今年の東京ゲームショウでも展示していた3対3で対戦するRIGS。相手チームを撃破しつつ、エネルギーを貯めて、満タン担った状態で中央のリングに自機ごと飛び込むと得点になる、e-sports的な要素も含む。
さらに吉田氏は「本日、PlayStation VR用に開発されている新しいタイトルを発表できることをとても嬉しく思います」と、自社で今年8月にリリースしたホラーアドベンチャーゲーム「Until Dawn」のVR版となる「Until Dawn: Rush of Blood」をお披露目した。
「PS VR専用につくり上げられたホラー体験」とのこと。ジェットコースターに乗りながらステージを突き進む。銃を持ってることから攻撃できる?
トレイラーではゾンビが突然こんにちわ! これ絶対怖いやつや!
続けて「われわれファーストパーティーだけでなく、パートナーたちも非常に情熱的に考えている」と、「CryENGINE」を手がけるCrytekの共同創業者でプレジデント、チェバット・イエリー(CEVAT YERLI)氏を招き入れた。
イエリー氏は、「ここにいるほとんどの人たちが、ゲームを始めた頃にはバーチャルリアリティーを自宅で体験するという考えは遠い夢でした。でもその夢はすぐそばに来ています。初めてPS VRを使ったときに私は圧倒されました」と語り始める。
「PS VRの体験は、将来どんなすごいものが可能になるのかと思わせただけでなく、過去にどんな状態だったかを思い出したからです。初めてエーゲ海に行った海を見たときのような魔法のような気持ち。白黒からカラーに画像が変わったときの感動。私にとってVRはとても特別なものだと思います」と熱く言葉をつなぐ。
Crytekがリリースするのは「ROBINSON」。トレイラーを見ると、目玉のロボットをお供に、ジャングルを探検するゲームのようだ。
恐竜の股の間を歩く体験も! VRについて 「デベロッパーの立場としてはストーリーを語る新しい手法、プレイヤーとしては境界線のない世界に踏み込むことができると思います」とイエリー氏。
3月のGDC 2015でも、CrytekはOculus Riftで恐竜デモを展示していた。VRHMDでは、平面ディスプレーに比べて巨人や巨大生物など大きなサイズのものを実感しやすいので、ひとつのジャンルとして成長していきそうだ。
欧州企業からはRebellionの戦車の対戦ゲーム「Battlezone」をピックアップ。
コックピットからの1人称視点でフィールドを走り回り、狙いを定めて敵をガンガン破壊していく内容になる。敵機を破壊すると、ポリゴンの塊が四散するのが気持ちいい!
「この体験はゲームのためだけではない、色々な意味でまったく新しいたい体験をもたらします」と吉田氏が取り上げたのが、ソニー・ピクチャーズが製作した、ビルの間にはられたワイヤーを綱渡りする「THE WALK」。
映画「ザ・ウォーク」のために作られたデモで、地上140フィート(約43メートル)の上空を歩く体験が可能だ。
吉田氏によれば、現在200以上のデベロッパーがPS VRのコンテンツをつくっているとのことさらにソニー・コンピュータエンタテインメントヨーロッパのCEOでプレジデント、ジム・ライアン(JIM RYAN)氏によって「先ほど出演した原田さん(『鉄拳』『サマーレッスン』のプロデューサー、原田勝弘氏)のバンダイナムコエンターテインメントも主導的なVRのデベロッパーです。そして『鉄拳』もPS VRに対応します」と「鉄拳7」のPS VR対応が明らかになった。
俺たちのバンナムがついにキタ━(゚∀゚)━!
特別なゲストとして紹介されたのが、「グランツーリスモ」シリーズのプロデューサー、山内一典氏。新作となる「GT sport」の開発を明らかにし、「2016年の早い段階でGTを支えていただいているコミュニティーのみなさんと一緒にベータテストしたい」とロードマップを語っていた。
「僕らはドライビングゲームの体験を根底から変えるようなことをやりたかった」として、2つのチャンピオンシップも企画。ひとつはプレイヤーが自分の母国を代表する「ネイションズカップ」、もうひとつは好きなカーブランドの「マニファクチュアルファンカップ」だ。チャンピオンシップの優勝者は、国際自動車連盟(FIA)がクリスマスに開催するセレモニーにおいて表彰されるとか。
「これまで100年間モータースポーツを支えてきてくださったみなさんと僕らが一緒になって、これから100年のモータースポーツをデザインしていく」と語る山内氏。「PS VRも当然対応します。今実験をしていますが、とても自然で、素晴らしい体験になる。そういう確信があります」とPS VR対応を明らかにすると、会場から歓声があがっていた。
(文/広田稔)
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