Valve、手の動きを再現する「Skeletal Input」発表 Unity向けに早期アクセス開始
米ValveはVR規格「OpenVR」のためのインプットシステム「SteamVR Skeletal Input」を発表した。コントローラのどこに手や指があるかを把握し、開発者はその手の動きをアニメーションとしてVRアプリケーション内で使うことができるというもの。
開発者がアプリ内で利用できるアニメーションは2種類のものが用意されており、「コントローラを含めたプレイヤーの手の動きを正確にしたもの」と「もしコントローラがなかった場合のプレイヤーの手の動きをシミュレートしたもの」がある。開発者はこれらを開発の都合に合わせて選択したりサンプリングして加工することができる。
また、多人数がネットワークで同時にプレイするVRではSkeletal Inputをそのままネットワーク環境で用いるとプレイヤーの必要な帯域幅が大幅に増加してしまうため、ValveはAPIの一部としてSkeletal Inputのアニメーションを圧縮する機能を含めたという。
現在はVIVE Wands(HTC VIVE)、Oculus Touch(Oculus Rift)、Knuckles EV2(Valveが開発中のVIVEの新型コントローラ)の3つのコントローラに対応しており、Valveは他のVR機器メーカーにもSkeletal Inputへの参入を呼びかけているそうだ。
VIVE Wands(HTC VIVE)
Oculus Touch(Oculus Rift)
Knuckles EV2
Skeletal Inputの完全なSDKはすぐに公開される予定だが、現時点ではUnityを対象にアーリーアクセスとして公開中だ。GitHubのOpenVR GitHub Wikiからドキュメントをダウンロードすることができる。
Knuckles EV2はValveが開発するVRコントローラ「Knuckles」シリーズの2つ目のプロトタイプだ。既存のコントローラは親指・人差し指・それ以外の3つの動作を認識するのに対して、Knucklesは5本の指を曲げる・伸ばすといった動作を認識でき、全ての指を離してもコントローラが落ちないことが特徴だ。
先日発表されたKnuckles EV2はコントローラにスティックを追加したもので、HTC VIVEよりもOculus Touchのコントローラに近い形に設計されている(親指をこする操作のタッチパッドはY軸の値のみ取得する縦長のものに変更されて残った)。公開されたGif画像や動画を見ると、コントローラごとによってシミュレートされた手の指の挙動、曲がり方の滑らかさが異なることがわかる。
(TEXT by ぱソんこ)
●関連リンク
・Introducing SteamVR Skeletal Input(Steam Community)
・SteamVR Knuckles Driver(Steam Community)
・SteamVR Skeletal Input(OpenVR GitHub Wiki)