IDC、2021年までのAR/VRゴーグル出荷台数予測を発表　ARゴーグル市場が徐々に拡大

2017年10月20日 20:11 sososo291 ニュース, 海外情報

IDC Japanは、2021年までのAR/VRゴーグル世界/国内出荷台数予測を発表した。2021年に向けて世界では高成長が期待されるとしている一方、日本国内市場の立ち上がりは世界に比べてやや遅れが見られるという。

2021年に向けての市場成長

IDCが発行した最新の「Worldwide Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker」の予測によると、2017年にはAR/VR合計で1370万台弱であったゴーグルの出荷台数は、2021年には8120万台強に成長すると見込まれ、2017年～2021年の年平均成長率（CAGR：Compound Annual Growth Rate）は56.1％の高成長が期待される。

IDC Mobile Device Trackerなどでシニアリサーチアナリストを務めるジテシュ・ウブラニ氏は以下のようにコメントしている。

●ジテシュ・ウブラニ氏コメント
「今のところ、ARゴーグルの出荷はAR/VR市場のごく一部を占めるに過ぎないが、今後5年間で質・量共に成長が期待される。2021年、ARゴーグルの出荷金額は300億ドルに達すると我々は予測している。これはVRのそれの2倍に達する規模だが、ARゴーグルの初期採用者がビジネスユーザーであり、ゴーグル一台あたりの単価も高いためである。また他方、AppleのAR KitとGoogleのAR Core対応アプリがコンシューマー向けのゴーグルに採用されるのは時間の問題だと思われるものの、大半のコンシューマーはモバイルデバイスでARを体験することになるだろう」

2017年第4四半期からの巻き返し

ARゴーグルはビジネスの現場やコンシューマーのコンピューター利用方法に強いインパクトを与え、長期的な成長が見込まれている。また、VRゴーグルはARより早い時期に、コンピューター利用方法の転換を促すことになるとしている。主要なゴーグルのほとんどが最近値下げを行ったことや、来月以降登場する多くの新製品は、2017年後半の市場成長の牽引役となり、年初からの成長の遅れを取り戻すことになると予測。PCやゲーム機とゴーグルをケーブルで接続するケーブル型がシェアを伸ばす中でも、「Gear VR」のようなスクリーンレス型ビューワーは、今後も5割以上のシェアを維持するものとみられる。IDCはケーブルを必要としてないスタンドアロン型のヘッドセットが2022年以降にシェアを獲得すると予測している。

AR/VRおよび各種デバイスのプログラムバイスプレジデントであるトム・マイネリ氏は以下のようにコメントしている。

●トム・マイネリ氏コメント
「VRは2017年、非現実的ともいうべき成長期待に苦しんでいたが、市場全体としては現実的で合理的なペースでの成長を続けており、Microsoftとパートナーベンダーから発売されるWindows Mixed Reality Headsetの新製品は、2017年第4四半期（10～12月）にさらなる市場の成長をもたらすことになるだろう。2018年に向けては、大手ベンダーからスタンドアロン型のゴーグルが登場することもあり、新たなビジネスの形やトレーニング手段を可能にするこのテクノロジーを手にする企業の数が一層増加することを我々は期待している」

日本国内市場について

「Worldwide Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker」では日本国内のAR/VRゴーグルの出荷予測も提供している。同Trackerの2017年第2四半期の予測によると、2017年の予測合計出荷台数は36万台、2021年は104.3万台となっている。ARゴーグルはビジネス利用を中心に、2021年は8万台の出荷と予測しており、2017年～2021年のCAGRは63.7％を見込んでいます。また、VRゴーグルはコンシューマーの利用が今後も堅調で、2021年は96万台の出荷と予測しており、2017年～2021年のCAGRは29.0％を見込んでいる。

IDC Japan PC，携帯端末＆クライアントソリューションのシニアマーケットアナリストである菅原啓は以下のようにコメントしている。

●菅原啓氏コメント
「日本でも最近はVRを中心に各種ビジネス活用の話題も広まりつつあり、特にVR市場は本格的な立ち上がりを迎えようとしている。ARに関しても、スマートフォンを利用した活用事例は徐々に増加しており、ゴーグルへの応用展開が離陸する日も近いと期待される。だが、ゴーグル市場の成長速度はAR、VR共に世界に比べ見劣りしており、AR/VR体験の裾野を広げることでさらなる市場拡大のための素地を均していくことが今こそ必要であると言える」

今回の発表はIDCが発行する「Worldwide Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker」にその詳細を報告している。また、「2017年国内VR機器市場動向：機会損失に苦しむハイエンドモデル市場と国内市場立ち上がりの遅れ」にはその詳細を日本語にて報告している。興味がある方は、ぜひチェックしてみてほしい。

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