「投げ銭」でも回り始めたバーチャルYouTuberの創作──この20万円で新しいイラストが発注できる
ネットのニュースを日々チェックしている方の中には、中国のネット生配信で「投げ銭」システムが盛んなことを知っている人もいるはず。「YY LIVE」や「17 Live」といったライブ配信サービスでは、配信者に直接おひねりを投げられる環境を用意して、彼・彼女たちがライブ配信だけで食べていけるエコシステムを実現している。
その投げ銭が、このところPANORAでも重点的に取り上げている「バーチャルYouTuber」でも実現しそうだ。
バーチャルYouTuberの1人で、生放送を中心に活動している「ときのそら」さんがYouTube Liveで実施した第18回生放送では、1コメントにつき10円が加算されて、その金額で次の企画や衣装をつくるという企画を実施。特にユーザーに寄付を呼びかけたわけではないが、1時間の放送中に約20万円(!)のプレゼントがあったという。
ときのそらを運営しているカバーによれば、以前、17 Liveで配信した際でも、同時接続数2万6000人というすさまじい数のユーザーが来て数万円だったが、今回はチャンネル登録者数が5000、累計で約2000が来場した中での20万円だ。バーチャルYouTuberが社会的な知名度を急激にあげて、配信者を支えたいというファンが増えてきたことの証拠になるはず。
また「ミライアカリ」さんが25日に実施したクリスマス生放送でも、筆者がリアルタイムで見ていたところ、数万円単位の投げ銭が飛び交っていた。彼女は「キズナアイ」さんに次ぐ約25万というチャンネル登録者数で、生放送は上の番組が初めて。アカリさんに直接訪ねてみたところ、同時接続数が2.2万人(!)、投げ銭の収益が27万円(!!)だったという。
身一つですぐにできるリアルYouTuberとは異なり、CGのバーチャルYouTuberは創作に何かとお金のかかる「世知辛い」世界だ。先のカバーによれば「この投げ銭でイラストを発注して、新デザインがつくれます」とのことで、ユーザーが投じたお金はクリエイティブに反映されて、さらに高い品質のものが生まれて行くはず。
次回、ときのそらの生放送は1月5日にMirrativ(ミラティブ)、1月9日にYouTube Liveを予定している。また、ミライアカリは大晦日である31日の23〜25時に年越し生放送を提供する。バーチャルYouTuberに注目している方々はぜひ視聴して、彼女たちの次の一歩のために「投げ銭」してみてはいかがだろう。
(TEXT by Minoru Hirota)
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