Facebook、外部センサー不要のVRHMD「Oculus Rift S」発表　2019年春に399ドル（49800円）で発売予定

2019年03月25日 09:15 passonco ニュース

20日、米FacebookはPC専用VRHMDであるOculus Riftの新型「Oculus Rift S」を発表した。Rift Sは旧型Riftで必須だった外部センサーが不要になったのが大きな特徴で、ディスプレイの高解像度化やパススルーカメラの搭載など様々な改良が施されている。Rift Sは2019年春に399ドル（49800円）で発売予定だが、より詳細な発売日や予約受付の日程は未定だ。

解像度とリフレッシュレート

・解像度（片目）：1280×1440（Riftは1080ｘ1200）
・リフレッシュレート：80 Hz（Riftは90 Hz）

Rift Sは旧型Riftと比べて解像度が40%向上した代わりにリフレッシュレートが約11%下がっているが、これはRift Sの推奨スペックをRiftと同等に維持するための措置とのことだ。「解像度」×「リフレッシュレート」を基準に「1秒当たり表示するピクセルの数」を比較すると旧RiftよりもRift Sの方が26%ほど負荷が高くなっている。ちなみに、HTC VIVE PROの解像度（片目）は1440×1600、リフレッシュレートは90HzなのでVIVE PROはRift Sより負荷が40%ほど高い。

また、Rift SのレンズはOculus Goと同じフレネルレンズを使用しており、視野角は旧型Riftと同程度だという。

ヘッドセットの快適性とオーディオ

FacebookはRift Sを設計するにあたってMirage SoloやWindows MRなどのVRHMDを製造するLenovoと提携しており、プレイヤーの頭を固定するバンドが旧Riftのゴム製から冠型のヘッドバンドに変更された。ヘッドバンドの後ろにあるハンドルで頭の大きさに合わせてヘッドバンドの長さも調整可能である。また、旧Riftはハードウェア側でIPD（瞳孔間距離）を調整する機能が存在したがRift Sではソフトウェア側で調整する仕様となった。

旧Riftで付属していいた専用のヘッドフォンがRift Sでは廃止されており、その代わりにOculus Goのようにヘッドバンド内のスピーカーから直接音を流す仕組みに変更されている。これによってRift Sは旧Riftに存在しなかったイヤフォンジャックに自分のヘッドフォンやイヤフォンなどを挿して使えるようになった。

トラッキング

Rift SはOculus Questと同様にインサイドアウト方式のトラッキング「Oculus Insight」を採用し、旧Riftでは必須だった外部センサーを設置する必要がなくなった。また、Oculus Questはセンサー用カメラがヘッドセットの左右に4つ付けられているのに対してRift Sはヘッドセットの上部に5つ目が搭載されているので、RIft SではQuestに比べてより広いトラッキング範囲で快適にコントローラを使うことができる。

パススルー+（Passthrough）

既存のVRHMDではVRをプレイしている時に周囲を確認する場合はRift Sはトラッキングのセンサー用カメラの映像をモノクロで立体的に見ることができる。これによって、ヘッドセットを被っている人が周囲を確認する時にヘッドセットを外す手間が省ける上により安全に利用できるようになった。

プラットフォームの互換

Rift Sと旧型Riftは互換性があり、これらは将来的にわたって全て同じソフトウェアが動作することを保証されている。また、Rift SのコントローラはOculus Questと同じ物が使われていて、操作系統は旧Rift、Rift S、Questのすべてで統一された。一部タイトルでは「旧Rift・Rift S」あるいは「Quest」のいずれかでソフトウェアを購入するともう一方でも同じソフトを無料でダウンロードできる「クロスバイ購入」を導入する予定とのことだ。

余談だが、旧Oculus RiftはHTC VIVEのようなトラッキング専用の周辺機器が存在せずトラッカーに相当する機能も使われることが少なかったため、Rift Sで外部センサーをなくしても互換性への影響がほとんどなかったと推測される。

そのほか、Oculus Studiosは2019年にOculus Rift専用VRゲーム「Asgard’s Worth」「Defector」「Stormland」などをリリース予定で、これらは近いうちに発売日が発表されるとのこと。2019年はOculusユーザーにとってVRゲーム豊作の年になりそうだ。

Oculus Rift Sの発売日や予約受付の日程は未定であり、今後のFacebookの続報を待ちたい。

（TEXT by ぱソんこ）

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