ISID、トヨタ向けにVRによる遠隔地3D車両情報共有システムを開発 UnityとPhotonを使用
電通国際情報サービス(ISID)は、トヨタ自動車向けに、VR技術を用いて遠隔地間で3D車両情報を共有するシステムのプロトタイプを開発したと発表した。
このシステムを利用することで、離れた複数の拠点にいるユーザーが、インターネット空間上に配置した実物大の精緻な車両のモデルを共有し、コミュニケーションを図ることができる。最新の3Dゲームやオンラインゲームに用いられる技術と車両設計データを連携させることで、これまで困難であった遠隔地間のリアルな3D車両情報の共有環境をVRで実現する。
車両の機能の高度化と複雑化に伴い、新車の市場投入等に際し、特長や構造を分かりやすく関係者で共有するための教育が重要なテーマとなっている。特に、グローバルに多数の拠点がある場合、地理的制約などから多大なコストと時間がかかるため、効率的かつ効果的に教育が行える環境整備が求められている。
トヨタは、世界中のトヨタ拠点のスタッフらが、いち早く車両に搭載された新しい技術をVRで仮想体験することによって、商品への理解を深め、サービスを向上させることを目的に、本システムのプロトタイプ開発を決定。ISIDをパートナーに選定した。
本システムでは、車両の3D設計データを、VR技術によって実物大のリアルな3DモデルとしてVRゴーグル上に再現。遠隔地にいる複数のユーザーが、同じ空間で1台の車両を眺める仮想環境を提供する。また以下のように複数のコミュニケーション手段が提供され、効率的なやりとりを可能にしている。
・車両の精緻な3Dモデル表示
・機構のアニメーション表示
・モデルと視点の自由な移動
・指示箇所へのマークの付与
・ドキュメントの閲覧
・音声会話
・アバター表示
このシステムでは、3Dゲーム開発プラットフォームとして高いシェアを有する「Unity」と、オンラインゲームなどで遠隔地ユーザー間のコミュニケーションを実現するネットワークエンジン「Photon」を利用。これにISIDが開発した直感的なユーザーインターフェースを組み合わせている。
ISIDとトヨタの両社は、今回開発したプロトタイプをベースに、ユーザーの意見・要望を集め、さらなる改善を図り、2017年度中にトヨタの複数拠点において実証試験を行う予定とのこと。
尚、本システムは6月21日~23日に東京ビッグサイトで開催される「3D&バーチャルリアリティ展」(関連記事)にて展示予定。
●関連リンク
・電通国際情報サービス(ISID) ウェブサイト
・トヨタ自動車 企業ウェブサイト