IKinema、VIVE Trackerでモーキャプできる「Orion」販売開始 UnityとUE4にも対応
イギリス時間の20日、英IKinemaはHTC VIVEのVIVE Trackerだけでモーションキャプチャーが可能なシステム「Orion」の販売を開始した。
▲2017年に公開されたIKinemaによるOrionの公式PV
一般的なモーションキャプチャーのシステムでは専用のモーションキャプチャー用デバイスを別途購入する必要があるが、IKinemaのOrionはHTC VIVEの周辺機器であるVIVE Trackerを上半身と下半身に計8個(最低6個)取り付けることによってトラッキングするので、HTC VIVEと6個以上のVIVE Trackerを所持していれば専用のデバイスを追加購入せずにソフトウェアのライセンス料金だけで費用を安く済ませることができる。
Orionの採用実績
NASAジョンソン宇宙センターにあるハイブリッドリアリティ研究所は、宇宙飛行士の訓練、エンジニアリング設計、科学的視覚化など、人間パフォーマンス研究における宇宙飛行組織の能力を向上させる為の物理と仮想要素を組み合わせたハードウェアとソフトウェアを制作しており、HTC VIVEとIKinemaのOrionを採用して、頭部と体、オブジェクトのトラッキングを全て1つのトラッキングシステムに集約できるので、従来のモーションキャプチャーに比べて物量と予算を大幅に節約することに成功した。
▲NASAの制作事例
また、Orionは主要な商用ゲームエンジンであるUnityとUnreal Engine 4の両方に対応しており、過去にUE4でVRゲーム「Enigma Sphere」を開発・販売した日本のゲームメーカー「よむネコ」は新作のVRRPG「Project BK」のキャラクターのモーションキャプチャーの撮影をOrionで行っている。
VIVEトラッカーを使ったモーションキャプチャーソフト「IKinema Orion 1.0」が正式販売が始まりました。よむネコのProjectBKのプロトタイプ版でもテスト導入で、ラストのボスの立ち上がりシーンで使っています(中身のモーションは私だったりしますw) https://t.co/4lrksgu00F #ikinema #HTCVIVE pic.twitter.com/FUz6iCmUGT
— 新清士@よむネコ (@kiyoshi_shin) February 21, 2018
Orionのライセンスの購入
Orionはノードロック(ソフトウェアをインストールしたコンピュータ本体とライセンスが紐づけされる)方式の年間ライセンスでの販売となっており、IKinemaのOrion公式サイトからPayPalで購入可能だ。ひとつのライセンスにつき1年間あたり400ポンド(約6万円)で利用できる。
また、Orion1.0のリリースを記念して2018年3月31日まで公式サイトで掲載されている画像のクーポンコードでライセンス購入価格が25%割引されるキャンペーンを行っている。14日間のみ無料で利用できるトライアル版も存在するので、まずは試用版を使ってから購入するかどうかを検討するとよいだろう。
ただし、現時点でVIVE Trackerを所持していない人は、Orionでのモーションキャプチャーに必要であるVIVE Trackerが2018年2月現在ではHTC公式サイトで常に在庫切れの状態であり、入手可能な時期が具体的に明らかになっていない点に注意する必要がある。
IKinemaのOrionはHTC Viveのみで出来る低コストで良質なリアルタイムモーションキャプチャーシステムです。また次回のOrionリリース時にはUnityちゃんを自然にアニメーション出来る機能も含まれます。 メリークリスマス!!そして良いお年をお迎えください! @unity3d @UnityChan_PR @IKinema pic.twitter.com/Abms48xKgz
— IKinema 日本語版 (@IKinemaJP) December 23, 2017
以下、IKinema公式のプレスリリースより引用したOrionの特徴だ。
Orionの特徴
•持ち運び可能で費用対効果なシステム:ハイクオリティなモーションキャプチャデータが取得できる低コストなハードウェア
•たった数カ所のトラッカーで撮影可能:最低6箇所(頭、手2か所、腰、足2か所)、忠実にしたいなら8か所(先程のに肘2か所追加)
•ワンステップキャプチャーワークフローで時間を削減
•モーションを録画できるフォーマットはFBXまたはBVH
•データを UnityとUnreal Engine 4でライブストリーミングすることが可能。
•オプションでカスタムスケルトンをリターゲット出来るセットアップの有料サービスを提供
•サービスモード:設定を固定する事が出来るので、同じ設定の撮影を何度もすることが出来ます。
•ビルドインコマンドサーバー:外部コントローラを介してアクセス・セットアップ・インターフェースを提供し、外部コマンドを介してシステムを制御する
(TEXT by ぱソんこ)
●関連リンク
・IKinema:Orion公式サイト
・IKinema公式サイト
・Orionの日本語の起動マニュアル(PDFファイル)
・Vive Tracker公式サイト(HTC Japan)
・IKinema英語公式アカウント(Twitter)
・IKinema日本語公式アカウント(Twitter)