【VR×教育】除染土のう輸送管理システムに「VR運転手教育機能」追加
建設、不動産業を手掛ける奥村組は1月17日、除染土のうを安全かつ高効率に輸送するために開発した輸送統合管理システム「インフォクロス」に、「VR技術を活用した運転手教育機能」を新たに追加し、試験運用を開始したと発表した。
インフォクロスは、除染で取り除いた土や放射性物質に汚染された廃棄物を保管した除染土のうを、指定の中間貯蔵施設へ安全かつ高効率に輸送するために開発したシステム。
除染土のう、運搬車両、作業者等の位置や数、放射線量といった各種情報をリアルタイムに取得/集約し、各運行ルートの交通状況等を加味した最適な輸送順序と運行ルートを選定することなどができる。
同社ではこのシステムに、運行ルート周辺の映像情報と教育カリキュラムをベースにした、VRでの運転手教育機能を追加。未経験ルートの運行や、実体験が許されない重大事故などを体験学習することができるようになった。
この機能では、運転手個々の学習効果や特性を把握/分析して教育カリキュラムに反映させることができるため、個人の特性に応じた効果的な教育も可能となっている。
また同社では、VRでの運転手教育機能と同時に、車両運行上の過去のトラブル対応事例などをデータベース化し、天候や運行ルート、渋滞などの情報と連携させることで、輸送の安全管理に必要な情報を自動的に抽出することができる「事例データベース活用機能」も追加。
抽出した情報を、管理者や各運転手および作業員等に適切なタイミングで提示することにより、車両運行に係るトラブルの防止が期待できるとしている。
同社では今後、試験運用を通じて本システムの機能向上を図るとともに、発注者に積極的に提案、展開していくことで、被災地の復興に貢献していくとのことである。
(TEXT by 高橋佑司)
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