4K60fpsの360動画が見られる!「Galaxy S7 edge」実機はGear VRでもパワフルだ
19日にNTTドコモ、auから発売予定のスマートフォン「Galaxy S7 edge」(レポート記事)。発売日前日の18日までに予約すると、Galaxyシリーズ専用のVRゴーグル「Gear VR」が無料でもらえるキャンペーンを実施しており、VR業界の開発者やファンにとってもかなり注目の一品だ。
特に開発者にとって気になるのは、従来モデルであるGalaxy S6 edgeと比べるとCPUが30%、GPUが64%高速化したという処理性能の向上だろう。PANORAでは実機を入手したのでインプレッションをお届けしよう。
Gear VR。実売で1万4800円前後になるので、無料でもらえるのはうれしい!
根元を「A」側にセットしよう
Oculus RiftやHTC Viveといった、PCの高性能なCPUやGPUを活用できる据え置き型のVRゴーグルに比べると、モバイル型VRゴーグルはスマートフォンのどうしても処理性能が低くなる点は否めない。ただ、時代の進化とともに、モバイル型も進化して、グラフィック性能はぐんぐん上がってきている。
そんな未来を感じさせてくれたのが、Galaxy S7 edgeだ。日本におけるGear VR用のスマートフォンとしては、Galaxy S6/同S6 edgeに次ぐ2世代目となる。 Gear VR自体は今までのものでもS7 edge/S6シリーズのどちらでも使えるが、画面サイズが5.1インチから5.5インチに大きくなったため、装着時は端子を動かす必要がある。
写真のように端子を持ち上げると、ボタンがあるので押しながら「A」の位置にスライドしよう。
Galaxy S7 edgeの画面ロックを解除した状態で、根本にあるマイクロUSB端子をはめる。
その上で、頭の部分をガチッとはめ込めばセット完了。
Gear VRは、眉間の部分にある近接センサーを利用して、装着している時だけ電源が入る仕組みだ。なので顔から外しているときは電源がオフになっている。
装着したら、おでこのところにあるダイヤルを左右に回して、ピントを調節しよう。乱視や左右の視力が違う場合はメガネの利用をおススメするが、目が悪い人でも意外と裸眼でも見える。
操作は右側にあるタッチパッドを利用。十字に溝が入っており、上下左右にスワイプして、例えばウィンドウをめくったりすることが可能だ。右上には、Androidでいう「戻る」ボタンを用意する。
端末の画面サイズは大きくなっているものの、Gear VRのレンズ位置は動かせない。両者の画面解像度は2560×1440ドットと同じなので、S7側は0.4インチ分の使われていないが、実際ホーム画面や幾つかのアプリを見たところ明確なドットの違いは感じられなかった。
4Kでも30→60fpsでよりヌルヌルに!
Galaxy S7 edgeの中身だが、プロセッサーにはQualcommの「Snapdragon 820」かサムスン電子の「Exynos 8890」が採用されている。Snapdragon 820は今年1月のCESで発表されたもので、2016年夏モデルでは、ソニーモバイルコミュニケーションズ「Xperia X Performance」やシャープの「AQUOS ZETA」などにも採用されている。ちなみにQualcommは3月に、VRアプリ向けのソフトウェア開発キット「Snapdragon VR SDK」を今年の第2四半期にリリースすると発表していたりして、ここ5ヵ月ほどでモバイルVR開発の著しい加速が感じられる。
Galaxy S7 edgeにて、その進化が一番実感できたのは、360度動画の再生で、4K/60fpsの動画がきちんと扱えたところだ。
筆者も360度映像を撮影し、Gear VRでよくデモを見せたりしている。その際、解像度やフレームレートは高い状態にしたいが、Galaxy S6 edgeの性能では、2880×1440ドット(約3K)/60fps、3840×1920ドット(約4K)/30fpsのいずれかしか選べなかったのだ。それがGalaxy S7 edgeで4K60fpsというひとつのマイルストーンに到達できたわけだ。
実際、いくつか4K60fpsのソースを変えて試してみたが、Galaxy S6 edge側では途中でカクカクになるか、再生が止まる一方で、Galaxy S7 edgeでは最初の読み込みで1、2秒引っかかることもあったもののいずれも再生できた。これは実写系の映像を撮っていたり、PC向けのVRコンテンツをお手軽に見せたい人にとってかなり喜ばしい進歩だろう。
例えば、シンガポールで撮影したマーライオンの、4096×2048ドット/59.94fps/28.10Mbpsというソースもきちんと再生。
ちなみにGalaxy S7 edge側はSnapdragon 820。
Galaxy S6 edge側はExynos 7420。Snapdragon 810で揃えられればよかったが、申し訳ない。
一応、ベンチマークもとってみたが、「3DMark – The Gamer’s Benchmark」では2倍以上のスコアが、「AnTuTu 3DBench」でも3.5〜5倍ぐらいの差がついている。
AnTuTu 3DBench(Galaxy S7 edge)
AnTuTu 3DBench(Galaxy S6 edge)
CG系でも処理能力の向上が見込めるだろう。このほか、長時間駆動したときの発熱や、デモの際にどれくらい連続稼働してくれるかは気になるところなので、後ほど検証していきたい。というわけでPANORAにも3台分、Galaxy S6 edgeがあるのだが、いずれは買い直さなければいけないかも……。また、Galaxy S7 edgeで試してほしい重いコンテンツなどがありましたら、筆者である広田のTwiterまでご連絡ください。
(TEXT by Minoru Hirota)
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