「from facebook」がググッと前面に打ち出された Oculus Connect 3・1日目レポート
Oculus VRは米国現地時間の5〜7日、開発者向け年次イベント「Oculus Connect 3」を開催している。現地で初日が終了して日が変わったところなので、その雑感をまとめていこう。
Oculusロゴの下に「from facebook」
今回、一番気になったのは、おなじみのOculusロゴの下に「from facebook」の文字が入ったことだ。昨今のVRムーブメントの初期である2014年3月という時期に、facebookはOculus VRの買収を明らかにして、その年の7月に買収を完了した。今までVRの開発者や業界関係者にとって周知の事実だったわけだが、ここにきてイベント時のロゴにも、その存在を打ち出して来たわけだ。
あえてこの時期に、開発者向けに「from facebook」を打ち出す理由は何かあるのか。この辺は、あと9時間後ぐらいの6日10時(日本時間で7日の2時)よりスタートする基調講演で明らかになるかもしれない。日本でもウェブサービスの「Twitchと、Gear VR向けアプリの「NextVR」にて視聴可能なので、特に業界関係者はチェックしておくべし。
デモスペースがめちゃくちゃ広がった
前年のOculus Connect 2は、ロサンゼルスにあるロウズホテルが会場で、宴会場にデモスペースを用意していたが、廊下に並ぶ必要があるなど、人数に対して若干手狭な印象で台数も足りてない感じだった。
今回、会場がサンノゼのマッケンリーコンベンションセンターに変わったことで一気に広がり、4万3000平方フィート(約3994平方メートル)のホール1がデモエリアとして割り当てられた。幕張メッセの1ホールぶんが6750平方メートルなので、だいたい3分の2弱といった感じだ。
そのスペースに、Oculus Touch向けコンテンツを30〜40台ほど、ゲームパッドを使うゲームパッドを使うOculus Riftコンテンツを20台ほど展開。さらにGear VRを遊ぶためのソファーを置いたラウンジスペースが用意されているといった具合に、かなり余裕のある感じだった。
Touchコンテンツの待機スペース。デモではTouchが入り口側に割り振られ、全面押しな感じだった。
昼間はかなり混雑していたが、夕方に近づくにつれて人が減っていき、18時30分からのウェルカムパーティー中はほとんど待たずに遊べるようになっていた。さらに奥の方にパーティションで区切られたスペースがあって、そこでもTouchコンテンツが遊べた。
Gear VRのラウンジ。かなり余裕を持った広さだ。筆者的には、2014年のGDCにOculus VRが出展したときのブースサイズぐらいだな、という印象を受けた。あれから2年半。自前でこれだけの規模のイベントをやれる会社に成長したのが、感慨ひとしお?
初日はデモを中心に回ったのであまり講演は見ていないが、CTOのジョン・カーマック氏が、来場者が持ってきたGear VRコンテンツを壇上で審査するアプリレビューをちょっとだけのぞいてみた。神的なプログラマーである彼を見ようと多くの人が流入してくるが、彼が被っているVRゴーグルの中身がなんであるかプロジェクター側に表示されないため、普通に聞いていても内容が理解できずに退出者続出……という謎の展開が面白かった。
カーマックのドキドキ御神託アプリレビュー、ステージに上がってる人以外、どんなアプリなのか分からないのでどんどんお客が出ていってるw #oc3 pic.twitter.com/qjFKn8cw0f
— Minoru Hirota@OC3 (@kawauso3) 2016年10月5日
グリーンバック合成も披露
東京ゲームショウのHTC Viveデモにおいても注目を集めていたグリーンバック合成。体験者の姿を切り抜いて実際に体験している映像と合成し、外部のモニターなどに移して、何を体験しているのかわかりやすく見せるという展示会向けの要素だ。
今までこのグリーンバック合成はHTC Viveの専売特許状態になっていたが、今回のOC3のホール前通路にブースを用意し、「うちもできるよ」とOculusも示していた。
ブース内では、Oculus Riftでは前側に1台置く位置トラッキング用のセンサーが前後含めて8台ぶら下がっていた。多い……。
興味深かったのは、HTC Viveではモーションコントローラーを使ってカメラのアングルを反映しているところ、OculusではRift本体(!)で代用していたところだ。
別のカメラを横から見たところ。RockBand VRではTouchを固定してギターの位置をトラッキングしてましたが、Riftでシステム構築するとなるとめっちゃお金かかりそう……(小並感)。
#oc3 で展示されていたグリーンバック合成。Oculusでもできるのねー https://t.co/P6Rd4nzgJE
— Minoru Hirota@OC3 (@kawauso3) 2016年10月6日
日本人が非常に増えた
会場は広くなったはずなのだが、少し歩くと日本人の知り合いの開発者に会うという確率が上がったと肌で感じている。Facebookにクローズドで存在するOC3参加者のグループが現在56人で、OC2時の25人より倍増している。昨年に比べて日本でもVR開発者が増えていて、Oculus Connectに人を派遣するほどVRに対して真剣に取り組む企業が増えているという証拠ではないだろうか。これは素直にめでたいことだ。
*PANORAでは、10月25日にOculus Connect 3報告会を開催します。現地の熱気をお伝えしますので、是非ご参加ください。 → 申し込みページ
(TEXT by Minoru Hirota)
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