VRの本命はやっぱ「触れる」だ!! Oculus Touchを体験してきた
17〜20日に幕張メッセで実施している「東京ゲームショウ2015」にて、人気のコンテンツといえばVRだろう。例えば、ホール2のOculus VRブースは、17、18日ともに午前中に体験整理券が配布終了となるなど、来場者の強い関心を集めている。
そのOculus VRでは、非公開でOculus Rift用のモーションコントローラー「Oculus Touch」の体験会も実施していた。筆者こと広田が運よく参加できたので、そのレポートをお届けしよう。なお、VRの画面は撮影できなかったため掲載していない。
Oculus Touchは、両手で使う周辺機器。人差し指部分にトリガーが、親指部分にアナログスティックと2つのボタンが用意されている。発売は2016年上半期で、価格はまだ明らかになっていない。
手のひら側
親指側
人差し指側
Oculus Touchで体験できたコンテンツは、別部屋でOculus RiftとTocuhをつけた説明員と同じバーチャルワールドに入り、二人でコミュニケーションできるというもの。相手のアバターは、Riftをつけた顔とTouchの両手が空中に浮かんでいる感じで、ワイヤフレームで書かれたような外観だ。
ボイスチャットのほか、頭の動きや手のジェスチャーを使って意思疎通できる。しゃべるとアバターの口の部分が動くのが印象的だ。また、向いている方向に合わせて3Dサラウンドが有効になっており、例えば右から聞こえる声に反応してそっちを向くと正面から聞こえるようになる。
デモは、主に3シーン用意していた。最初は、机をはさんで相手のアバターと向かい合ってるシチュエーション。机の上には立方体や多角形の積み木が乗っており、Touchを動かして崩したり、人差し指のトリガーを引いて持ち上げたりすることが可能だ。
さらに面白いのが、相手のアバターが投げた積み木を受け取れるという点。
受け取り損なって落ちた積み木が気になって、思わず後ろを向いてしまう。
バルーン的なものが吊るされており、パンチでちょっかいを出すことも可能だ。こ、これはまさに蛍光灯のヒモでシャドーボクシング奴……。
続けては、花火を使ったデモだ。先ほどと同じようにテーブルを挟んで相手のアバターと向き合っており、棒状の花火が数本置かれている。まずライターを手にとって、左か右に振るとシュポッと火がつく。そのライターを花火に近づけると着火するのだが、自分に火花が向いていると、思わず「熱ッ! アツーーーい!」とパニックになってしまう。
ほかにもダイナマイトがあって、Tocuhで持って火花から火をもらうことも可能だ。アバター同士で火花を掛け合いながらキャッキャウフフできるのが非日常的で面白い。
最後のシーンは射的場だ。相手のアバターとは左右で隣り合っており、目の前に机があって、さらに先には回転したり吊るされているマトが存在している。
ものを投げつけたり、銃をTocuhで拾って、人差し指で引いてマトを次々と破壊しまくれるのがストレス解消になる。
さらにスモールライトを当てられて、筆者のアバターだけ小さくなってしまった。リアルと違ってVR空間なので、自由にサイズが変えられるのが新感覚で面白い。これは複数人で遊ぶ系のVRコンテンツでいろいろ使えそうな演出だ。
巨大な相手を見上げてアイテムを受け取ってるところ。オーディオも凝っており、自分だけ小さくなった際には、相手の声が野太くなるのも面白い。
ちなみにRiftやTouchの位置は、2台の赤外線センサーを使って位置トラッキングしていました。
PlayStation VRのモーションコントローラー「PlayStation Move」を使ったゲームを体験したときにも感じたことだが、VRコンテンツとモーションコントローラーの相性は非常にいい。今回のデモはゲーム性はなかったが、直感的にVRの手を操って、CGのモノをつかめてしまうだけでも新しさが感じられて楽しい。
Oculus TouchはPS Moveよりボタンが多いため、より多くの操作が手で指示できるようになるはず。一方で、全部ボタンを使うと、ユーザーの習熟コストがあがってしまうので、現実世界から想像しやすい操作の厳選や、自然に覚えられるチュートリアルなどが重要になってくるはず。
Oculus Riftで画面が平面から360度に単に広がっただけでない、VRならではの体験をつくり出していくためには、Oculus Tocuhの利用がかなり重要になっていきそうだ。
*(お詫びと訂正)発売日について「未定」から「2016年上半期」に変更しました。
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