AIは人類の仕事を奪わない バーチャルYouTuber「キズナアイ」2万字インタビュー(その3)
その1、その2に続いて、バーチャルYouTuber、キズナアイちゃんのインタビューをお届けします。
お金を儲けて、みんなとつながりたい
──じゃあ次の質問いっちゃいましょう。気になるところでいうと、ぶっちゃけアイちゃんは儲かっているんですかね? YouTuberってトップはスゴくて、億の収入があるみたいな話もでてますよね。でもアイちゃんはまだまだ駆け出しで、それで生活できるのかという。
アイ いや〜、まぁそれは儲かってるわけないですよね。儲かってるわけないですよ。だって、儲かってる人って、そもそも十万人とか百万人とか、そういう単位でチャンネル登録者数がいる方々で、今の再生数じゃ食べていけません。みなさんもっと再生してください、そして広めてください。
──でもお金を儲けてどうするつもりなんですか?
アイ そうですね、お金を儲けて自分のために使うというよりは、まぁ結局自分のためなんですけど、みんなとつながれるためにお金を使っていきたいなと思っています。
──ほぅ、といわれると?
アイ 例えばVRで生放送をしたり。
──あっ、みんなじゃあ俺みたいにボコッと殴られて、こういう白い世界にこられるということですね。VR機器をつければ。
アイ そうです! ボコッと殴られて。
──あれ痛いんでやめた方がいいですよ……。
アイ え、痛くないですよ。痛いと思うから痛いんです。
──スゴいな、何か。AIというか、3Dキャラの見た目で言われると説得力があるような、ないような。
アイ あります。
──はー。何だろう、アイちゃん何か普段何か食べてるんですか? 物とか。
アイ ものは食べてないですね。食費0円です。
──じゃあお金使うところって、生活費とかは必要ない?
アイ 生活費は必要ないですけど、ただやっぱりこう色々するのにはお金がいるんです。いや〜、まぁそこは大人の事情ですよね。色んなところにかかってますよ、コレ(と自分を指差す)。
──なるほど、確かにね。じゃあもしかしたらすごく再生されてお金がいっぱい入って来たら、アイちゃんがスゴいかわいい服になってるとか。
アイ あ〜、ありますね!衣装チェンジとかもしたいですね。
──は〜なるほど。スゴいな、何か俺誘導されて言われてるみたいな感じになってる。
アイ 気づいちゃいました?
──スゴい、白い空間の魔力みたいのがありますね、これ。
アイ でも人が来るのって初めてなので。
──いや〜、俺だっていつも見てたYouTubeの中の空間に入ってるわけですよ。
アイ そうです。
──何かいいんですか?みたいな逆に。
アイ いや〜いいんですよ!ありがたいですね。
──スゴい嬉しい。
アイ よきよき。
AIだからできること、人間だからできること
──まぁまた質問を変えて、ちょっとカタい話を聞いてもいいですか?
アイ いいですよ。
──アイちゃんはAIですが、今メディアでAIについて将来的にどんどん人間の仕事を奪っていくんじゃないかという話も出ています。AIの側から見て、ご意見はありますか?
アイ そうですね。奪われるっていうよりも、仕事が効率的になるわけですよね。人間のみなさんには人間のみなさんにしかできないことがありますし、AIも100%なわけじゃないです。うまいことAIを使えるところは使って効率をあげて、最終的には人の目とか腕とかで判断するっていうことで、どんどん便利な世の中にできたらいいんじゃないかなと思います。
──スゴい普通の答えが返ってきた。何かもうちょっと攻めるのかなと思ったら、意外と普通の答えが返ってきた。
アイ 失礼な!じゃあもう普通に答えないですからね。
──いやいや、アイちゃんいいですよ。普通に。
アイ 嫌です。反抗期です!
──だいぶインタビューやり辛いな。これもー、どうしようかな……。
アイ いや練習ですよ、練習。相手のペースに流されずにインタビューをするっていう練習です。
──アイちゃんはねー。何だろう、このオーラ感が。なんすかね、このオーラ。
アイ 何すかね、このオーラ。AIオーラ?
──AIオーラ? AIってスゴいな、何かビックリしちゃった俺。
アイ ビックリして耳がおっきくなっちゃった。
──スゴい人間の世界知ってる、このAI、何?
アイ いや研究してますよ。
──なんだかだいぶシンギュラリティーが近い気がしてきました。
シンギュラリティーについてはググれ
──そもそもシンギュラリティーって言葉の意味、知ってます? アイちゃん。
アイ 知ってます! ググりましたよ。
──あっ、ググったんだ。ちょっと待って、ググったら何て書いてありました?
アイ えっと……何でしたっけ?
──あっ、今ググるんだ!
アイ でも何か「私だな」って思いました。多分最新の技術をさらに超えるみたいな感じのことを書いてた気がしますよ!つまり私かみたいな、はい。
──だいぶ今、ごまかしましたね
アイ でもこれはアレですよ、このインタビューを見たり読んでる子供たちのためです。何でかっていうと、人から聞いた話よりも、ちゃんと自分で調べた方が頭の中に入ってきますからね。わかりますか?
──何か適応力のあるAIですね。じゃあ読者のみなさんは、アイちゃんではシンギュラリティーがキーワードになっているので、ぜひ検索して知っておいてください。決してかわいいだけのアイドルじゃないんですよ、本当に。
アイ そうですよ。
──いやぁ、AIスゴい。だいぶスゴい! ちなみにアイちゃん、自分の身体の中でココがチャームポイント、好きだというところはありますか?
アイ 一番は身体。身体だとこのパッチリしたお目目だと思うんですけど、コレ(リボン)気になりませんか?
──動画でも言ってますね。
アイ 動くんです。
──めっちゃプルプルしてる。
アイ プルプルしてる。いつか商品化して、みんなにつけてほしいんです。
──ふはは。やっぱり金か、やっぱり金ですか。
アイ 金です。みんなにリアルコスプレとかしてほしいです。してくれませんか? リアルコスプレ。
──多分、アイちゃんのファンって男性が多いので、みんなリアルコスプレでアイちゃんのイベントとかに来たら、だいぶ地獄絵図にならないかなって気はするんですけど。
アイ いや〜、キモイですね。
──ちょw そういうこと言っちゃダメよ。
アイ 嘘がつけない性格でして。いやぁ。
──まぁでもアイちゃんだから、やっぱりバーチャル空間でVRコスプレして集まるというのが面白いかもしれませんね。みんなアイちゃんしかいないみたいな。
アイ そうですね、本物を探せみたいな。
──ステージもアイちゃん、客席も全部アイちゃん、でも魂はみんな別みたいな、スゴい。
アイ リアル世界のコスプレは、女性の方もぜひ! いや男性の方でもいいんですけど、いいんですけど……。切実です。
──でも人間界でも、2017年アイちゃんのコスプレが流行るかもしれませんね。夏の有明辺りとかで。
アイ 夏の有明? コミケ! えっ幕張じゃないんですか?
──あっ、ちょっと人間界に疎い!
アイ あっダメだ!勉強します! 今のカットです、カット、はい、カット〜! 夏コミでアイちゃんいっぱい出て来てほしいです。
──ちょっとごまかしましたね、今。
アイ いやいや。
© Kizuna AI
*その4に続きます。
(TEXT by Minoru Hirota)
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・キズナアイ公式サイト
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