守ってくれるアムロに胸キュン──VR ZONE「ガンダムVR ダイバ強襲」は女子にもオススメだ!!
東京・お台場のダイバーシティーにある「VR ZONE Project i Can」といえば、大型筐体を絡めたVRアクティビティーを体験できるバンダイナムコエンターテインメントの施設だ。
そして7月に始まった「VR-ATシミュレーター 装甲騎兵ボトムズ バトリング野郎」と「スーパースター体験ステージ マックスボルテージ」に次いで、8月26日より新アトラクションの「ガンダムVR ダイバ強襲」がオープンする。
25日、バンダイナムコエンターテインメントはパシフィコ横浜で実施中のゲーム開発者向けイベント「CEDEC 2016」にてVR ZONEのセッションを実施し、その中でガンダムVRについての制作経緯を披露した。さらに午後よりガンダムVRのプレス向け体験会が開かれて、両者に参加してきたのでまとめてレポートしていこう。
今回もOculus RiftのDK1を所持するほどVR好きなグラビアアイドルの吉田早希さんに体験してもらった。非常に面白い意見をいただいたので注目。
ここからは、一部ネタバレがあるので、新鮮な気持ちで遊びたいという人はリンクを戻った方がいいかもしれない。といっても、文章でも写真でも動画でもVRコンテンツの面白さは伝わらないので、知った上で行っても楽しめます!
体験時間は8分で、料金は930バナコイン(1000円)。入場にはウェブページからの事前予約が必須で、同じ時間帯でガンダムVRの希望者が規定数を上回った場合には抽選になる。
ガンダムは操縦しない!
ガンダムのVRコンテンツといわれてパッと想像するのは、ロボットを操縦するという体験ではないだろうか。そしてVR ZONEを「コヤ所長」として手がけ、CEDECの講演でガンダムVRについて語っていた小山順一朗氏は、大ヒットアーケードゲーム「機動戦士ガンダム 戦場の絆」のプロデューサーだったりする。
しかし、そんな期待を大きく裏切って、ガンダムVRではガンダムの手のひらに乗ってザクと戦うシチュエーションを見守るという内容に落とし込まれている。
なぜそうなったのか。それはガンダムの高さが18mとあまりに高すぎて、VRゴーグルをかぶって操縦していても現実感がわかずに全然怖くないからだという。小山氏いわく、「人間は現実との比較がないと驚かない」とのこと。この辺は、講演の後半で語っていた「リアル体験じゃないと得られない感動をコンテンツの中心に据える」という話に通じる。
そんな折、ぼーっとダイバーシティーの近くにあるガンダムを見ていたら、カップルが「このガンダムが動いたらスゴいよねー」と言っていた。それをヒントに「お前らを取り乱させてやろう」と、動いているところを見せる構成に変えた。
ただ、体験者にコックピットに入ってもらうのは運用上難しかった。「あれは地球での搭乗を想定していない。宇宙でスーッと入ってスポッと座る。自動車の窓ガラスが空いててそこから入るようなものなので、ガンダムの手に乗せてコックピットに入ってもらうのは今は無理」(小山氏)
というわけで手のひらに乗ったままに。最初はガンダムでお台場を飛び回るという案もあったそうだが、最終的にはバトル側によせて、ザクが襲いかかってくるストーリーになっている。
そこで重要になったのが、モビルスーツ同士のバトルをどれだけリアルに想像できるか。「ザクのマシンガンは120mm。リアルで120mmの砲撃があるとみんなひっくり返るほどのすごい衝撃なんです。それをザクはガンガン打ってくる。アスファルトがぐちゃぐちゃになるし、衝撃や音で内臓が破裂してしまう」(小山氏)。ちなみに小山氏は、この講演のあと、リアリティーを追求するため(?)に、陸上自衛隊の富士総合火力演習を見に行ったとか。
そうした想像を元に、地面がグラグラしたり、熱いヒーターを用意したりと、大型筐体の仕掛けに落とし込んでいった。
ストーリーのダイジェスト。VRゴーグルをかぶってコンテンツが始まると、そこは見慣れたダイバーシティーのガンダム像の前。
突然爆音がして、ガンダムの胸に120mmマシンガンが放たれて、潰れた弾がガンガン落ちてくる。
後ろを振り向くと、遠方に弾を打ってきたザクが!! そしていきなり周囲にアスファルトの塊が出てきたかと思うと……。
何とガンダム像が動き出している! アムロが声で「危ないから乗ってください」と手に乗ることを促す。
ここで移動してガンダムの手に乗って、座って親指をつかむと、シートが振動してグーンと視界が上昇する。
ザクが近づいてきて、ヒートアックスをグンっと振り下ろす!
ひぃぃぃぃぃ!……と、最後どうなるかは、ぜひアナタの目で確かめてほしい。
体験会でわかった、男性と女性で違う感じ方
というわけで、実際にVR ZONEにやってきました。ガンダムVRは、以前「脱出病棟Ω」の近くで休憩用のテーブルが置いてあったあたりに2台(!)用意する。
解説用パネル。
かなり安全性を重視したつくりで、体験者が怖がってどう動くかのテストを重ねて、振動する床の手前にも補助板を追加したとのこと。
ここがガンダムの手となるシート。
指の部分は、意外にも柔らかい。
というわけで吉田さんに体験していただきました。スカートを履いた女性には、ちょうど水泳で着替えるときにつけるような長めのラップタオルを貸し出してくれる。
腰にはベルトを装着。背中側にはロープがついており、体験中にアテンドの方が握って、落下の危険があるときに引き戻したり、座った際にはシートに固定して落ちないようにする。オペレーションがめちゃ練られている!
体験中、「うわぁぁぁ。怖い!」と悲鳴をあげる吉田さん。
手に座って、ザクの攻撃を受けた際には、思わず「熱っつい!熱っつい!」と声を漏らしていた。
終わった直後、吉田さんに話を聞くと、開口一番出てきたのが、「実はそこまでガンダムの知識はないのですが、アムロの声で守ってくれたのにキュンとしてしました」という感想だった。もう少し詳しく聞くと、「道を歩いていて車が来たときに、手を出して『危ない』と守ってくれるのと同じ」だそうだ。
VR ZONEの「タミヤ室長」こと田宮幸春氏によれば、この感じ方は演出で意図しておらず、男性とはまったく意見が異なるという。確かに筆者が体験してみた際には、「マシンガンの弾こえええ!」や「振動スゲー!」と騒いだり、「ザク隙だらけじゃん! アムロ!! 今攻撃しないと!」とツッコミを入れる感じだった。
一方、吉田さんは、「大丈夫?」とガンダムの手を差し伸べて、さらに相手からの攻撃にビームサーベルで応戦して守ってくれる過程にキュンと来たとのこと。「男性でもあざといのではなく、自然な仕草に『萌え』を感じますよね?」と力説していた。
ほかにも「ガンダムの指につかまるときには、男性でもポーズが「少女」になる」(恐怖と安堵のせい?)と田宮氏が語っていたのが興味深かった。先のCEDECの講演では、VR ZONEのメインターゲットは20代の「リア充」な方々と語られていたが、ガンダムVRは原作のコアなファンはもちろん、なんとなく知っているレベルのカップルが体験してもお互いに怖がる姿を見て大いに楽しめそうだ。
ひとつアドバイスするなら、体験前にぜひダイバーシティ前にあるガンダム像の目の前に立って現実の風景を焼き付けてから行くといい。VRコンテンツは「百見は一体験に如かず」なので、ぜひ現地を訪れてみよう。
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・VR ZONE Project i Can