エスキュービズム・タッグ・共同印刷、VR ECサイトパッケージ「EC-Orange VR」を共同開発
エスキュービズム、タッグ、共同印刷の3社は、エスキュービズムのECサイト構築パッケージ「EC-Orange」をベースとしたバーチャルコマースを実現するパッケージシステム「EC-Orange VR」を共同開発すると発表した。9月にプロトタイプリリース、2017年中にパッケージ販売を行う予定。
経済産業省発表の資料によると、国内の「BtoC-EC(消費者向け電子商取引)」市場が15兆円を突破し、前年比9.9%増とEC市場は年々拡大している。また、スマートフォンの普及に伴って、スマートフォンを経由したEC市場規模も物販EC全体の3割超となり、今後も堅調な伸びが期待されている。しかし、企業間競争は激化しており、多様化する購買ニーズに応えつつ他社との差別化を図るため、最新テクノロジーの活用は重要と考えられる。一方で、総務省の研究資料によると、実店舗とECの連携によるオムニチャネル化の推進においては、小売業界全体でも成功している企業は少なく、実店舗利用者数とEC利用者数にかい離が見られる。
「EC-Orange VR」は、これまでのECサイト構築パッケージの枠を超えて、EC業界の未来のさらなる発展と活性化を目的として開発が行われる。実店舗をバーチャル化することによって、店舗を訪問せずに店舗でのショッピング体験ができる新しい購買体験を利用者に提供し、EC利用者の拡大を促進していく。
開発の背景は、現状を踏まえ、ECを利用していなかった層に対し「実店舗での購買体験がバーチャルで行える」ことを訴求することによって、EC利用者の増加を見込むことが可能となり、次世代オムニチャネルへと段階を進められる点にある。タッグのVR技術におけるアイテム表示および決済の特許、共同印刷の画像認識技術、エスキュービズムのECサイト構築パッケージ「EC-Orange」を連携させたバーチャルコマースを実現するパッケージシステム「EC-Orange VR」を開発する運びとなった。
エスキュービズムは「ブラウザベースでも実店舗と遜色のないクオリティがあること」「運用更新が楽に行えること」「VR画面上から購買を簡単にできること」の3点をバーチャルコマースの定義として挙げている。
「EC-Orange VR」ではバーチャル空間上でカート機能と決済機能を連携させ、製品が購入できる。商品とウェブサイトとの連携には、共同印刷の画像認識技術「FullScanCode(フルスキャンコード)」を使用。VR空間の全方位画面上で商品を認識・特定して商品登録ができるほか、季節物商品などの棚の入れ替えも行える。画像認識技術による商品認識によって、商品登録の手間を削減する。
店舗運営機能には、VR空間上でのサイネージ、動画配信、クーポン配信、ゲーム要素の導入なども予定。画像スペックも10億画素(1ギガピクセル)で作成し、画面の切り替えなく4000倍まで拡大可能で、商品の質感やディテールまでが閲覧できる仕様となる見込み。
店舗で買い忘れがあったが時間がなく訪問できない人はもちろん、遠隔地の居住者、高齢者、障害者らも自宅にいながら仮想店舗での購買が可能となる。また、訪日外国人に対しても多言語対応による購買方法の利便性向上も提供できるとしている。
今後は、9月にモデルケースのプロトタイプリリースが行われ、2017年中にパッケージ販売を予定。プロトタイプリリースにあわせて、少数の先行事例契約を受け付けているとのことなので、詳細は「EC-Orange VR」のプロモーションページを確認してみてほしい。
●関連リンク
・EC-Orange VR プロモーションページ
・エスキュービズム ウェブサイト
・タッグ ウェブサイト
・共同印刷 ウェブサイト