CES会場にて「RICOH R」の実機を激写 PCレスのYouTubeライブ配信デモもスゴい!
米国ラスベガスにて5日からスタートした世界最大級の家電見本市「CES 2017」。PANORAが主に取り上げているVR、360度カメラという両ジャンルとも新製品が数多く登場しており、未だにこの分野の成長を感じさせる活況を呈していた。本記事ではリコーのライブストリーミング用360度カメラ「RICOH R Development Kit」を取り上げよう。
ブースの場所はロサンゼルスコンベンションセンター(LVCC)のサウスホール1階奥にある「Gaming & Virtual Reality」ゾーンの中。
入り口から入って突き進んでいき、コダックブースの右奥あたりに位置していた。
バッテリーレスでさらに発熱を低減
米国時間4日の電撃発表で大きな話題を集めたRICOH R。同社の360度カメラ「THETA」シリーズとサイズ感が近く、見た目のギザギザ加減から、一部からは「キモシータ」という愛称(ひどいw)で呼ばれているものの、実機はキモくなく非常に可能性を感じさせるしっかりしたものだと実感した。
RICOH Rだとなんか名前にユニーク性がないので #キモシータ と呼ぶ事にする pic.twitter.com/wQiXC27oXs
— GOROman@謙虚 (@GOROman) 2017年1月4日
正面。……といってもTHETAシリーズのように表にも裏にもシャッターボタンがない。なお、実機を持った感想として、最初に感じたのは意外と軽いという印象だった。
天面。THETAシリーズのようにマイク穴がある。録音はモノラルだが、360度ライブストリーミングの際には現場で別収録したライン音源を活用することが多いため、そこまで問題にならないはずだ。
底面。THETAシリーズはHDMIやUSBの端子が底面にまとめられていたが、RICOH Rでは側面に移って三脚穴のみとなっている。これは一脚/三脚に据付けるとケーブルが差せなくなるのを回避するためだ。
側面。注目はマイクロUSB端子で、データ転送用と給電用の2基用意されている。また中央の黒い部分はマイクロSDカードのカバーだ。反対側の側面には、電源とシャッターボタンが用意されている。
リコーの方にお話を伺って興味深かったのは、内蔵バッテリーを取ってしまったという英断だ。要するにRICOH Rは外部のUSB給源でしか動かない。普通のビデオカメラの感覚ではバッテリー駆動ができないというのは非常識にも思えるが、360度撮影を手がけている方なら、バッテリー給電が熱源となって熱暴走で撮影が止まってしまうという経験をした方も多いはず。
さらに連続稼働が必須となるライブストリーミングはハードルが高くなるわけだが、最初からバッテリーをつけなければ負荷も減らせるというわけだ。CESの初日も10時のスタートから18時の終了まで無事にライブストリーミングを完走していた。16時頃に訪れた際に実機を触ってみたが、ほんのり温かいぐらいできちんと放熱されている信頼性を確信した。
THETA Sとの比較。高さが若干短くなっている。
同じくTHETA Sとの比較の側面。
圧巻の360度ライブ配信!
驚いたのは、YouTubeのライブ配信がPCレスでのデモだったという点だ。リアルタイムでスティッチングされた映像をHDMIで出力し、Cerevoのライブ配信ユニット「LiveShell X」を通じて有線LANでYouTube Liveに渡して配信していた。
LiveShell Xも手のひらサイズなので、360度ライブストリーミングというハードルの高い配信でも、最低限のスペースで実施できる。
もう一方では、LiveShell Xを通じてデータを渡し、無線LAN経由でGear VRに配信して、ほぼリアルタイムで360度で見られるというデモを実施していた。
会場内の無線LANが混線していてたせいもあって、若干解像感がおちていたが、少し前の自分を360度で見られるというのはかなり面白い! ちなみにライブ配信とマイクロSDカードへの録画は同時にはできないとのこと。
さらにブースで気になったのは、RICOH RのTシャツ。
正面はネックストラップをつけても邪魔にならないデザインにしたとのこと。ほ、ほしい……!
ちなみに別会場となるLVCCのセントラルにあったRICOHブースでは、自由の女神にTHETAをもたせて一緒に撮影できるというデモも実施していた。
(TEXT by Minoru Hirota)