2人で入るから怖くな……いやめちゃ怖い! 無料で遊べるVRお化け屋敷「CORRIDOR」動画レポ

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TBSでは赤坂サカスにて、8月31日まで「デリシャカス2017 GOURMET & FUTURE TV」という夏イベントを開催している。この会場内にティフォンが制作したMRホラーアトラクション「MAGIC-REALITY: CORRIDOR」が展開中だ。体験料金はなんと無料!

 
先にレポートしたテレビ朝日の「WARP BALL」のように、今年のテレビ局の夏イベントはVRアトラクションが目立っている状態だ。そしてホラーとVRといえば、抜群に相性のいいコンビとしても知られている。実際、どんな仕上がりになっているのか、7月末に体験機会を得たのでレポートしていこう。

 
 

リアルタイム合成で自分とパートナーの体が見える!

開発元であるティフォンは、顔写真を合成してゾンビのようにしてしまうアプリ「ゾンビブース2」や、ディズニーキャラクターに変身できるアプリ「Show Your Disney Side」といったスマートフォン向けアプリを手がける企業だ。

 
今回取り上げるCORRIDORは、1〜2人で廃墟と化した洋館を歩き回って、制限時間となる5分以内に脱出を目指す内容になっている。体験中はおぞましい姿をしたモンスターと遭遇するが、銃を撃って撃退するといったシューティング要素はなく、お化け屋敷のような非日常空間を自分の足で歩き回って楽しむというのがメインだ。

 

 
オフィシャルムービー。

 

プレイヤーはMSIのバックパック型のPC「VR One」を背負って、VRゴーグルの「HTC VIVE」をかぶる。

 

ルールの解説。2人で遊ぶ場合は、相手の手を直接握るか、もしくは15cmほどのリングの両端をつかむことになる。リタイアするときは座って3秒待とう。

 
大きな特徴としては、VR空間内においても自分やパートナーの体が見えるという点だ。VR ZONEの「脱出病棟Ω」のように複数人で遊ぶVRホラーコンテンツでは、たいていプレイヤーの体がCGで表現されているが、CORRIDORでは実際の人間の体がバーチャル空間に出現するのが大きく異なる。

 
具体的には、体験スペースの壁や床が緑色になっており、VIVEのフロントカメラに写った実際の体をリアルタイムで取り込んで、バーチャル空間にクロマキー合成するという手法になっている。つまり目の前には自分の手や体が見えて、隣を見ればVIVEをかぶったパートナーがいるという状態で、なんなら体験前に解説してくれるスタッフの姿も見えてしまうというのが目新しい。

 

 

アトラクションの開始前には、写真のような古めかしいランタンを渡してくれて、リングを持っていない方の手で持つことになる。これも体験中はもちろんクロマキーで合成される。底面にはVIVEトラッカーを装着しているのでVR内でも位置を追跡してくれて、かざした周囲をほんの少し照らしてくれる。

 

 
動画レポートはこちら。何もない緑色の空間で、大の大人2人がめっちゃビビっているのがシュール過ぎますが、本人たちはバーチャル空間で必死です。

 
実際に体験して驚いたのは、やはり自分の体がVR空間に合成されることによる没入感の高さだ。2Dの画面でプレイするホラーやシューティングゲームでは必ず主人公がいて、そういったキャラクターを操作してゲームを進めるといったものがほとんどだが、このVRアトラクションは違う。自ら動き、前に進み、掲げるランタンを持つその手はまさしく自分の手で、それがリアリティーを増してくれる。

 
そしてホラーコンテンツなので、演出がとても怖い。アトラクションの体験中は、洋館の廊下や各部屋などをひたすら突き進んで行くことになるが、だいたいが見るからに嫌な予感しかしないシチュエーションだ。トビラを開ける前や後はその一歩が踏み出せないし、リアルでの演出が難しい異形のクリーチャーが出現したときは、とても混乱して大声をあげてしまった。しかもおっかなびっくり前へ進んでいたたため、残念ながら制限時間となってゴールへたどり着くことができなかった……。

 
率直な感想としては、これはカップルで来るべきというものだ。2人プレーのときはVIVEの内蔵マイクとヘッドホンを通じてお互いの声が聞こえるようになっており、片方が叫ぶとつられてもう片方も叫んでしまったりと、恐怖が連鎖してしまう。隣にパートナーがいるのは安心なのだが、相手がビビリな場合は、ある意味より恐怖を増す仕掛けにもなっている。

 
ただ、その恐怖体験を2人で分かち合うことで、ドキドキを恋愛と錯覚させる「吊り橋効果」を生み出してくれるだろう。男性なら、繋いだ手に力を入れて「俺についてこい」といいところを見せられるはず(ビビりすぎて逆効果になることも!?)。体験後にカフェなどで休憩しながら、「あそこはヤバかったねー」と会話に花も咲かせられるところも含めて、オススメのアトラクションといえるだろう。

 
 

ただ怖いだけでなく、美しさも目指した

今回、CORRIDORにまつわるお話をティフォンのCEO、深澤研氏に伺うことができた。

 
このプロジェクトの初期段階では車椅子に乗って移動し、1人で体験するものを考えていたという。しかし複数人でお互いのリアクションを見ながら体験した方が楽しいのではないかと思い、現在の形に至ったそうだ。

 
企画は1年ほど前からスタートしている。当初は実際の空間と同じものをバーチャル空間でも出現させて、リアルタイムでちょっとずつ変形させて非日常に変わって行くいくといったようなアイデアもあったとか。現在のデバイスや技術でどこまで再現が可能なのかなどの兼ね合いを考えるなど、とにかくこの企画段階で相当な時間をかけたと語っていた。3DCGも、買ってきたアセットではなく、洋館やモンスターなどすべてが2人の社内デザイナーによるゼロからの作り起こしにこだわった。

 
深澤氏のルーツとしては、東京ディズニーランドの洋館を舞台にした幽霊アトラクション「ホーンテッドマンション」にあるとのこと。お化け屋敷ではなくあくまで洋館が好きで、今回のコンセプトとしても恐ろしくありつつどこか美しくも感じるような、ただ怖いだけではないミステリアスな雰囲気を感じられるように調整したそうだ。

 
現在、体験時間が約10分程となる完全版の制作も進んでおり、今後都内で体験スペースを提供するほか、テーマパークや商業施設に企画を持ち込み日本各地で展開する予定とのこと。完全版ではストーリを感じられる要素を追加することやエンディングの分岐なども考えているそうで、これは非常に期待できそうだ。

 

CORRIDORは、土日は大変混み合い90分待ちということもあるということなので、平日の午前をねらって行くのがよさそうだ。またデリシャカスではほかにも楽しめるイベントなどを開催しており、デートなどにも最適。ぜひこの機会に行ってみてはいかがだろう。

 
 
(TEXT by まぶかはっと

 
 
●関連リンク
デリシャカス2017 GOURMET & FUTURE TV
ティフォン ウェブサイト

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