360度カメラとVRHMDで盛り上がった!! 「MWC2016」現地まとめ
通信技術やモバイル機器の展示会「MWC2016」が2月22日から4日間、スペインのバルセロナにて開催された。MWCは、新型スマホや高速通信技術などが目玉となっているが、今回は各社が360度カメラやVRHMDなどを発表。いつもとは違った雰囲気となっていた。
専用360度カメラ「Gear 360」を発表したサムスン
サムスンはMWC2016開催前日の個別イベントにて、新型スマホの「Galaxy S7/S7 edge」を発表。その周辺機器として、360度カメラの「Gear 360」も合わせて発表した。
Gear 360は球体のデザインで、2つの魚眼レンズを装備。本体にはシャッターボタンを装備しているので単体での撮影も可能。もちろん、Galaxy S7/S7 edgeと接続して、専用アプリからの撮影にも対応している。
アプリからの撮影時には、カメラからの映像をリアルタイムで表示可能。また露出変更などマニュアルでの撮影にも対応しており、映像をチェックしながら調整できる。
スティッチ(写真の合成)はスマホ側で行なうため、現状ではGalaxy S7、S7 edge、S6、S6 edge専用。ただしスティッチが終了した写真は専用サイトなどにアップしたり、アプリを使って観ることはできる。
本体側面にはHDMI端子とmicroSDカードスロットを装備。スロットはキャップ式のカバーで覆われているが、これは本体が防滴・防じん仕様のため。IP53対応なので、水辺などでも撮影できるのはGear 360の強みだ。
VRHMDの新モデルは発表がなかったが、発売中のGear VRにGalaxy S7/S7 edgeも対応。ブースではGear VRを使って、アミューズメントパークのアトラクションのようなデモを行なっていた。
VRHMDと360度カメラをリリースするLG
同じくMWC2016開催前日に個別発表会を行なったのがLGエレクトロニクス。同社のハイエンドスマホ「LG G5」の発表と合わせて、VRHMDの「LG 360 VR」と360度カメラの「LG 360 CAM」を発表した。
「LG 360 VR」は、サムスンのGear VRと違い、専用のディスプレーを本体に内蔵したタイプ。重たいスマホをディスプレー替わりに装
着する必要がないので、118gと軽く仕上がっており、装着しやすい。
LG G5専用となっており、接続には付属のUSBケーブルを使用。LG G5と接続すると、LG G5はコントローラーとなり、タップで決定、長押しで戻るといった操作が行なえる。
「LG 360 CAM」は、スティック形状に魚眼レンズ2つと先行するTHETAに似たデザインの360度カメラ。LG 360 CAMのほうが高さは低いが、本体のシャッターボタンの位置は片側のレンズの下にあり、このあたりの操作方法も似ている。
こちらもGear 360同様、microSDカードを装備しており、装着するmicroSDの容量によって撮影枚数や撮影時間を増やせるのがポイント。ただしスティッチをスマホ側で行なうのも同様なため、LG G5のみ対応。
箱がVRHMDになる「IDOL 4S」など注目アイテム
サムスンとLGエレクトロニクス以外にも、ALCATELからはVRHMDが付属するスマホ「IDOL 4S」が発表された。これは、製品パッケージがプラスチック製で、そのままVRHMDとして利用できるというもの。
利用方法はGear VRと同じく、スマホを本体に装着してディスプレーとして活用する方式。Google Cardboard向けのコンテンツが利用できるとのこと。
そのほかHTCブースではMWC2016に合わせて正式発表された「HTC Vive」の体験ブースを設置。専用のコントローラーを使ったデモは、順番待ちができるほどの人気となっていた。
HTC ViveはPCで利用するため、正確にはモバイルの分野ではないが、来場者の人気から注目の製品となっているのが感じられた。日本でも発売が決定し、予約もスタートしており、日本での発売価格は11万1999円となっている。
また、360度カメラと言えば1年半目にKickstarterでバッカーを募集し、いまだテスト版しか出荷されていない「360cam」のGIROPTICもブースを出展。筆者もバッカーのひとりなので、担当者に出荷状況を確認すると「3月にはなんとか」との回答。
その後、Kickstarterの同社ページにて、4月25日出荷の案内が更新された。今度こそ本当に出荷されることを期待したい。
(文/中山智)
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