良質なVRには美麗グラフィックを高パフォーマンスで! Epic Gamesが語るUE4のVR開発テク

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7月15日、東京・秋葉原において、ゲーム開発ツール・ミドルウェアメーカーが一堂に会し、最新情報の発表やハンズオンを行うイベント「Game Tools & Middleware Forum(GTMF) 2016」が行われた。ここではEpic Games Japanによるセッション「Unreal Engine 4で高品質なVRコンテンツを制作するために知っておきたい100のテクニック」の講演内容を紹介する。

 
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講演者はEpic Games Japanのサポートエンジニア・下田純也氏。

 
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2016年はOculus Rift CV1、HTC ViveとPC向けハイエンドVR HMDが発売され、PlayStation VRが10月に発売されることでVRタイトルの開発需要がさらに加速、そしてGoogle DaydreamやMagic LeapなどのといったハイエンドのモバイルVRも登場する、ということもあり、Unreal Engine 4のVR対応をアピール。

 
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多くのイベント系のVRにもUEが使われている。また、昨年12月のPlayStation Experienceで発表された「エースコンバット7」もUE4ベースであることを発表。さらにVR ZONE Project I Canで体験できるコンテンツも紹介。7月15日より追加された2つのコンテンツを含む6コンテンツがUE4ベースであることを発表し、VRクリエイターには体験を推奨する一幕も。

 
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今回のセッションではEpic Gamesが開発したコンテンツの開発で得たノウハウをひとまとめにして紹介するという内容。映像・体験の質を上げないとVRにお金を落としてもらえない≒産業として成り立たないというのがVR業界としての意見だろうということだ。

 
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2014年のGame Developers Conferenceで出展された「Couch Knight」。Oculus Rift DK2のヘッドトラッキング機能を使った三人称視点の対戦型アクションゲーム。Epic GamesではDK1でVRコンテンツを開発していたが、ヘッドトラッキングがなく頭の動きと映像の差が大きかったことやフレームレートが低く、画面の応答も遅かったことも加え、酔うコンテンツが多かった。
DK2ではヘッドトラッキングと高フレームレートで酔いはある程度低減された、とのこと。

 
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一人称視点でなくともVRゲームは成立する、という知見や、マルチプレイゲームの課題(1台のマシンで複数人対戦は厳しい)も。

 
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次に行ったのがEpic Games Launcherからダウンロードできる「ヴィークルゲーム」のVR化。CEDEC 2014でデモを行ったが酔うという意見が多く、Ocufesの開発者会に向けて酔いの低減とノウハウを公開した。

 
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ヴィークルゲームは車の挙動が激しくバウンドなどによる振動や上下左右の回転も多い。そのため、ベクションによる酔いが発生しやすい。そこでカメラのバウンドや振動、回転・ブレを押さえる方向で調整を行った。

 
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コンシューマ向けのVRでは視点のロール・ピッチは固定にしたほうがいいという結論に。

 
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2014年のOculus Connectで発表された「Showdown」。Crescent Bayに対応したバレットタイム空間を進むデモだ。空間を限定したことで世界そのものの作りこみが出来たこと。その作りこみをスローモーションでゆっくり見ることができたという。

 
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高品質かつ高パフォーマンスのグラフィックを実現するにはフェイク表現を含めた技術を駆使している。人には丸型のシャドウが、車には同型のシャドウを落としてパフォーマンスを稼いでいる。

 

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また、店の中はParallax Mappingを駆使してオブジェクト数を減らし、へこみはPOMによって実現するといったことも行っている。

 
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逆に爆発など 、板ポリゴンで表現するものは立体感がなくなるため、立体的なエフェクトを作る必要があった

 
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2015年のOculus Connect 2で公開されたOculus Touch対応のデモ「Bullet Train」。酔いを低減するために定点でのバトルで、移動はワープ、その際にはホワイトアウト・インを挟むことで違和感を低減する手法を使っていることはおなじみである。

 
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ゲーム中はプレイヤーの腕が画面に表示されるが、違和感を低減するために腕を半透明にすることで、どのプレイヤーでも実際の肌との違和感をなくす。

 
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一度に両目映像のレンダリングを行う“Instanced Stereo Rendering”を使用してパフォーマンス稼ぎ。

 
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床への映り込みはフェイク表現で。キャラクターモデルは複数マテリアルをベイクすることで軽量化を行う。

 
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この4タイトルの知見のあとは今後のUE4のVR向けの機能やアップデート予定を発表。UE4ではVRでグラフィックを編集できるエディタを実装。ユーザーのフィードバックでさらに機能改良が進む模様。動的解像度変更のスマートな方法やハイエンドPC向けのフォワードレンダラの導入が予定されている。

 
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モバイルVRの対応も発表。Metal(IOS)とVulcan(Android)はすでにサポート済み。Google Daydreamも対応が完了している。将来的にはMagic Leap/Leap Motionも対応予定。モバイル向けにはモデルの軽量化も諮詢された。

 
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GPUパフォーマンスが出ないときはシェーダーが複雑すぎて重くなっている可能性が高い。またステーショナリーライトは同じエリアに4つまでしか存在できず、「5つ目以降はムーバブルライト扱いになる」ためGPU負荷が高くなる、とのこと。

 
(TEXT by Shogo Iwai)

 
 
●関連リンク
GTMF 2016

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