2Dを立体的に動かす「E-mote」ver3.80公開 VR対応版を含むSDKの限定無償提供も実施
エムツーは、2Dイラストを滑らかかつ立体的に動かす技術「E-mote」をver3.80にアップデートした。各パーツのメッシュ変形機能の強化や「E-mote VR」用の足パーツなどの追加パーツにより、楽器演奏やダンスといったより複雑で豊かな表現が可能となったほか、エディタでは「Zバイナリモード」を追加。また「E-mote webGL SDK」および「E-mote VR SDK」の期間限定無償提供も実施する。
「E-mote」は、キャラクターの2Dイラストからわずかなステップでゲームに使える滑らかで立体的なアニメーションを作成できるエムツーの独自エンジンだ。立ち絵のキャラクターの表情、向き、手足の動作を簡単かつダイナミックに動かすことができ、3Dモデルでは難しいイラストの質感をそのまま再現できる。
●ver3.80テンプレート
E-mote ver3.80専用テンプレートでは、以下の機能が利用可能となった。これまで同様のシンプルな操作で、より複雑な表現が可能となる。
・瞳・マブタ・眉・クチの特殊変形設定
各表情パーツに、特殊なメッシュ変形を追加できる。通常の表情変化と組み合わせることで「微妙に怒っている目」や「笑っているけどクチの端が怒っている」「点のようになった瞳」などの微妙な表現が可能となる。
・特殊変形B・特殊変形Cの追加
全てのパーツで「特殊変形B」と「特殊変形C」のメッシュ編集が可能となった。この2つの特殊変形は複数の編集点を持つため、楽器の演奏、食事アクション、身振り手振りといった複雑な動作の組み合わせや表現が可能となる。
・新基本パーツ・新追加パーツ・機能追加パーツ
新たに10種類の基本パーツ、7種類の追加パーツ、各2種類の特殊表情、そして2種類の新機能追加パーツが使用可能になり、更に複雑な構造が作成可能となった。また、新規使用可能パーツには「E-mote VR」用の足パーツも含まれる。
【新たに使用可能となった基本パーツ】
- 汎用差分A
- 汎用差分B
- 汎用差分C
- 汎用差分D
- 汎用差分E
- スカート下
- VR足L
- VR足R
- VR足先L
- VR足先R
【新たに使用可能となった追加パーツ】
- 揺れ&胸揺れ
- 揺れ(予備)&胸揺れ(予備)
- fade_q揺れ&胸揺れ
- fade_r揺れ&胸揺れ
- fade_s揺れ&胸揺れ
- fade_t揺れ&胸揺れ
- fade_u揺れ&胸揺れ
【機能追加された追加パーツ】
- 目開閉同期
- 眉変形同期(編集項目が追加)
E-mote Forumでは、イベントシーン用テンプレートやイベントシーン作成サンプルを公開している。「E-mote」3.7正式版以上であれば商用・非営利問わず自由に編集・加工が可能なので、サンプルを参考にしてみるのも良さそうだ。
●ver3.80 E-moteエディタ
E-mote ver3.80では、エディタの機能も複数追加。より機能的に使いやすくなっている。
・Zバイナリエディタの追加
通常のE-moteエディタよりも大量のメモリを使用できるZバイナリモードを追加。大きな画像やイベントシーン作成に活用できる。
(※E-mote ver3.80テンプレートおよびE-moteVRテンプレートは、 Zバイナリエディタの利用が推奨されている。ノーマル版エディタの場合、インポート時にメモリが不足する可能性があるので注意)
・タイムライン編集機能の強化
タイムラインが専用形式で出力・保存できるようになった。また、フォルダ編集機能が追加され、大量のタイムラインを見やすく整理できるように改善されている。
・動画出力設定の保存機能
動画出力設定をローカルに保存できるようになった。コンフィグより、保存した設定の呼び出しや、現在の設定の上書きができる。
・VR用立体視データ編集機能
新しいエディタでは、VR表示(β版)対応データおよびカラーアナグリフ立体表示データの編集機能が追加されている。VRデバイスはもちろん、赤青メガネでの立体確認も可能となっている。
●新SDKの無償提供
「E-mote webGL SDK」および「E-mote VR SDK」の期間限定無償提供を実施。利用希望者は「E-mote」サポートまで問い合わせてほしいとのこと。
※SDKはβ版・Unity専用。
※無償提供はβ版期間中のみ。正式リリース発表後、正式リリース版を利用する場合は新たにSDK追加契約が必要となる。
※無償提供の対象は現在E-mote正式版をご契約頂いているユーザーのみ。
●関連リンク
・E-mote 公式サイト
・エムツー ウェブサイト