
2026年4月14日、Robloxは16歳未満向けの年齢別アカウント制度を発表しました。6月上旬より「Roblox Kids」(5〜8歳)と「Roblox Select」(9〜15歳)を導入。このアカウント制度により、遊べるゲーム・体験できるエクスペリエンス・コミュニケーション設定・保護者管理が年齢ごとに変わります。
なお16歳以上のユーザーは、基本的にこれまでと同じようにRobloxを利用できます。
安全設計を進めたRobloxのここ1年
Robloxはここ1年ほどかなりのスピードで安全対策を積み上げてきました。
2025年4月には、保護者が特定のエクスペリエンスやフレンドをブロックしやすくするべく、ペアレンタルコントロール機能を強化。2026年1月には、テキスト/ボイスチャット利用時に、スマートフォンのカメラを用いた顔ベースの年齢確認を必須化しました。
背景にあるのは、子どもの保護が不十分ではないかという海外からの批判です。未成年者のグルーミング被害や有害コンテンツへの懸念を受けて、複数の国や地方行政はRobloxの対応を問題視してきました。今回の新制度は、そうした流れの延長線上にあるものと考えられます。
チャット制限の次はエクスペリエンス制限を
新たに導入されるアカウントの特徴はこちらです。

Roblox Kids(5〜8歳):MinimalまたはMildのエクスペリエンスに限定。コミュニケーションは初期状態でオフ。ホーム画面が青く染まっている。
Roblox Select(9〜15歳):Moderateまでのエクスペリエンスにアクセスできる。
https://about.roblox.com/ja/ja-newsroom/2026/04/introducing-roblox-kids-and-select-accounts
Robloxのエクスペリエンスには、コンテンツ成熟ラベルというパラメーターがあります。Minimal→Mild→Moderate→Restrictedの順に表現できることが増えていきますが、今回の取り組みではつまるところ、アクション表現/体験がマイルドだったり下ネタが少ないワールドのみ、Roblox Kids/Roblox Selectのホーム画面で表示されるようになります。
このMinimal、Mildのコンテンツ成熟ラベルは、クリエイターの本人確認や、16歳以上のプレイヤーの遊び方、ユーザーからの報告監視など、複合的な要素で評価するとのこと。Robloxのユーザーは子供が多いため、クリエイターが多くのアクセスを期待するなら、子供向けのエクスペリエンスを作ることと、グルーミングなどの問題が起きないような設計にすることを意識する必要が出てきますね。

興味深いのがホーム画面の色です。Roblox Kidsの場合は、ホーム画面全体が青く表示されます。子供がRobloxをプレイしているとき、保護者がスマートフォンなどの画面を見れば、年齢にマッチしたアカウント設定なのかどうかが一目瞭然。共働きの家庭など、常に子供の遊び方をチェックできない環境だと上手な利用は難しいかもしれませんが、スマートフォンアプリに詳しくない保護者でも理解しやすい施策ではあると感じます。
無制限アカウントを欲しがる子供を守るため
今回の発表にあわせて、Roblox CSR担当副社長のタミ・バウミック氏と、Global Head of Parental Advocacyのエリザベス・ミロヴィドフ博士に話を聞きました。
バウミック氏は、「顔認証は、コミュニケーションの安全性を高めるものでした。同じ哲学をコンテンツにも適用します」と説明。ここで疑問に感じたのが、Robloxが導入した顔認証システムには抜け道があるということ。顔認証導入後も、子どもが大人のアカウントを使っていると感じたケースがあったことを伝えると、バウミック氏は「ママ!ちょっとスマホの画面を見て!」と、子どもが言うがままに保護者が大人用アカウントを認証してしまうケースがあると言いました。
Robloxに限りませんが、制限が多い低年齢用アカウントを嫌う子どもは多く存在します。そして自分の顔を使うことでどんなアカウントが取得され、そこからどんな被害が生まれていくかを想定できない保護者も多く存在します。
だからこそバウミック氏は「なぜ保護者自身の顔で認証してはいけないのかを理解してもらう必要がある」と語り、日本ではYouTube動画などを通じた保護者向けの説明を進めたい、という考えも明らかにしました。
さらに、保護者が子供と一緒に遊びながらRobloxを学べる案も出ているとのこと。積極的に、保護者のRobloxリテラシーを高める活動を行うそうです。これは家族共用のスマートフォンやタブレットで遊ばせる際に、必ず子供用アカウントでログインさせるといった項目なども入るのでしょう。
またミロヴィドフ博士は、自分の役割を「保護者の声を社内の製品チームやエンジニアにつなぐ存在」とし、ペアレンタルコントロールの使い方を伝えるだけでなく、子どもをどう見守るかまで含めて支えていきたいと発言。さらに日本の保護者の声を聞きながら、日本の家庭に合ったガイドを整えていきたいとも語りました。
アジア初のRoblox Teen Councilメンバーも募集
また、アジア初のRoblox Teen Councilメンバーも募集するとのこと。これは、14〜17歳のユーザーがオンラインでの安全対策方法などやデジタルウェルビーイングを学びつつ、Roblox社のチームと意見交換し、ユーザー向けガイドや情報発信に関わる取り組みです。
英語力に堪能であること、保護者の同意があること、Robloxを積極的にプレイしていることが必要ですが、Robloxの舵取りに、アジア圏の10代ユーザーの声が活きるというのは興味深いもの。活動期間は2026年8月〜2027年5月、応募締切は6月5日(金)です。
(TEXT by 武者良太)
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