NVIDIA、新しいSDKとアップデートを多数発表 VRやレイトレーシングツールを開発者に提供
NVIDIAは、「SIGGRAPH 2016」にて、NVIDIA DesignWorksとNVIDIA VRWorks向けに新しいSDKとアップデートを多数発表した。インタラクティブなレイトレーシング、360度ビデオの作成、物理ベース・マテリアルに関する新機能などを開発者コミュニティに提供する。これらはすべてNVIDIA SDKに含まれる。
このSDKには、GPUアクセラレーテッド・アプリケーションの開発に欠かせない要素が統合。登録開発者は、およそ100種類のライブラリやAPIのほか、Android、Windows、Linux 用のデバッギング・ツールやプロファイリング・ツールが利用できる。
NVIDIA Iray SDKの2016.2リリースでは、NVIDIAの物理ベース・レイトレーシング・ソフトウェア「Iray」で直接VRシーンやVRパノラマを簡単に作成できる。カメラ選択リストから360度カメラを選択するだけで、完全にレイトレースされたVR体験としてシーンを表示可能だ。
また、Materials Definition Language（MDL）を採用し、すべての登録開発者が利用できるSDKとして初めてリリースしました。MDL SDKを使用すると、物理ベース・マテリアルをレンダリング・アプリケーションにすばやく統合できるため、アプリケーション間でオブジェクトを適切なマテリアルとシームレスに交換できるようになる。NVIDIA Irayとmental rayレンダラがMDLをサポートしているほか、Chaos Group、OTOY、Adobeなどの企業も、MDLのサポートを表明している。
独自のレイトレーシング・アプリケーション開発者向けに、OptiXレイトレーシング・エンジンを更新。NVIDIA NVLinkとPascal GPU のサポートを加えた。これには、1ノードあたりNVIDIAの高性能GPUを8基搭載した強力な最新DGX-1アプライアンスも含まれる。そのため、従来のGPUレンダリングでは不可能だった、64GBものシーンのビジュアリゼーションが可能となる。OptiXは、Adobe After Effectsなどの市販アプリケーションのほか、Pixarなどのスタジオのインハウス・ツールでも利用されている。
NVIDIAの新しいVRWorks 360 Video SDKのリリースでは、ライブ・ビデオとVRの世界の融合を図っている。VR開発者やコンテンツ・クリエータは、4Kカメラ・リグからビデオ・フィードを取り込み、リアルタイムで1つの360度ビデオにつなぎ合わせることが可能になる。また、GPU加速化によるビデオのデコード、イコライゼーション、キャリブレーション、スティッチング、エンコードを、優れた質とパフォーマンスで実行する。
NVIDIA SDKのその他のアップデートには、ビデオ・キャプチャSDKにおける8K解像度をサポートおよびKhronos GroupのVulkan APIのサポートを可能にした「Capture SDK 5.0」、8K×8K解像度エンコーディング、10ビット4:4:4 H.265 エンコーディング、VP9 デコーディングをサポートする「Video Codec SDK 7.0」、OpenVDBでモーション・ピクチャの視覚効果やモデリングに使用される受賞歴のあるソフトウェア・ライブラリから発想を得たVDBデータ構造のGPUベース・フレームワーク「GVDB」、NVIDIA PascalアーキテクチャとKhronos Vulkan グラフィックスAPIをサポートするようになったGPUの利用分析および効率分析用ツール「NSight Development Environment, Visual Studio Edition」も含まれる。
●関連リンク
・NVIDIA ブログ New VR and Ray Tracing Tools for Developers（英語）
