ゲーム開発者の年収格差が縮小、多彩な学問領域の人々が業界で活躍 CEDECが調査結果公表

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コンピュータエンターテインメント協会のCEDEC運営委員会は、8月24~26日に開催される「CEDEC 2016」に先駆けて、ゲーム開発者およびゲーム開発の仕事を希望する人向けに「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート2016」を実施した。多彩な学問領域の人々がゲーム開発に携わり、年収格差が縮小傾向であることがわかる結果となった。

 
本アンケートは、CEDEC運営委員会が専修大学ネットワーク情報学部准教授の藤原正仁氏とともに、ゲーム開発者が働く環境および開発者のキャリアに関する意識や行動の現況を把握し、ゲーム開発者およびゲーム開発の仕事を希望する人、キャリア形成について考える契機となるための情報を提供することを目的としている。また、経年的に本調査を実施することにより、他産業や海外との比較なども考慮に入れ、ゲーム開発を取り巻く環境について、産・官・学それぞれの立場での対応に役立つ情報を提供する。

 
4回目となる今回は、ゲーム開発に携わるプロデューサー、ディレクター、プログラマー、グラフィッカー、プランナー・ゲームデザイナーなどを対象に、7月1日~8月17日にCEDEC公式サイトを通じてアンケートを実施。有効回答は昨年の10倍近い1978件となり、ゲーム開発に従事する関係者の高い関心を窺わせる結果となった。

 
回答者の特性として、前回調査と比べて「大学卒業」「大学院修了」「ゲーム産業経験年数3年以下」「据置型ゲーム機」「携帯型ゲーム機」「スマートフォン・タブレット」従事者が増加傾向。「企業規模」に偏りがないデータが得られたことと、サンプル数の大幅な増加からから、ゲーム産業従事者の実態をより正確に捉えられているとしている。大学院修了者が、職種別で「エンジニア」(26.6%)や「経営企画」(30.0%)、プラットホーム別でも「VR・ウェアラブル端末」(25.5%)と、多くが活躍している実態も判明。また、ゲーム開発者以外に少数「営業」「広報」「人事」「経営企画」などのスタッフのデータも得ているとのこと。

 
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●最終学歴の傾向
昨年の調査と比べて、高等学校卒業生が5.6%で約4ポイント、専門学校生が29.6%で約5ポイント、高専・短大が4.9%で0.4ポイント、それぞれ減少。これに比べ、大学卒業が42.5%で2.7ポイント、大学院修士課程修了が16.3%で6.1ポイントそれぞれ増加し、大学および大学院修士課程修了が増加傾向であることがわかった。また、学問系統でも芸術工学系などの複合領域が24.5%と前回調査を14.3ポイントも増加し、多彩な学問領域で学んだ人々がゲーム開発に携わっていることが分かる。

 
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●ゲーム産業の経験年数の傾向
今回の回答者のゲーム産業経験年数は、3年以下が24.8%(前回12.6%)、3年超6年以下が19.21%(前回18.8%)、6年超9年以下11.8%(前回10.6%)といずれも増加。9年以下が全体の55.8%と前回調査の42.0%を上回る結果となった。有効回答数の大幅増加と考え合わせると、ゲーム開発者の生活と仕事に興味を持った経験年数9年以下のゲーム産業従事者が、積極的に本アンケートの趣旨に賛同し、回答したものと考えられる。

 
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●2015年の平均年収
平均年収は524.60万円で、前回調査の552.90万を28.3万円下回った。しかし、300万円から499万円の年収層が37.8%(前回35.6%)、500万円から699万円が31.6%(前回24.4%)と、それぞれ前回調査を上回る結果となり、700万円をこえる年収層が減少していることと考え合わせると、年収格差がやや縮小されてきたものと推測される。

 
●関連リンク
CEDEC 2016 ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査 2016(速報データ)
CEDEC 2016 公式サイト

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