東京国立博物館の新しいVR技術で文化財の魅力を体感 スクリーンとゴーグルの映像体験を融合
東京国立博物館と凸版印刷は、9月7日~25日に東京国立博物館内「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」にて、VR作品「仁清が作った茶壺」を上演する。300インチ大スクリーンでの高精細4K-VRライブ上演による多人数鑑賞体験と、VRゴーグルによるパーソナル鑑賞体験を融合した、文化財の新しい鑑賞手法が用いられる。
東京国立博物館と凸版印刷は、2007年よりVRなどデジタル技術を活用した文化財鑑賞のあり方を開発する共同プロジェクトを進めてきた。今回は、これまで行ってきた300インチ大スクリーンでの迫力ある高精細4K-VRをナビゲータが案内するシアター上演と、同じの空間を鑑賞者が個々に360度自由に鑑賞できるVRゴーグルを融合することによって、文化財の魅力や価値をより深く理解できる体験の提供が可能となった。
VR作品「仁清が作った茶壺」では、京焼の名工・野々村仁清氏の代表作である重要文化財「色絵月梅図茶壺」を鑑賞する。茶壺の美しい造形や満月と紅白の花が咲き誇る梅の大木が色彩豊かに絵付けされた様子はもちろん、現在は経年変化により黒く変色している銀色もその輝きを取り戻した状態で再現。4K高精細スクリーン上での鑑賞と同時に、VRゴーグルを用いて茶室「六窓庵」の室内にいるかのように鑑賞する。実際には不可能な視点からも茶壺の鑑賞が可能だ。
鑑賞者はナビゲータの案内によって、300インチ大スクリーンとVRゴーグルを装着しての鑑賞を交互に違和感なく行き来する。スクリーンに投影された4K-VRでは、壺の表面に描かれた繊細な線の表情や微細な描写や製作された当時の姿を再現し、「色絵月梅図茶壺」の魅力や美を余すことなく鑑賞できる。
VRゴーグルでは、江戸時代の茶人・金森宗和ゆかりの茶室であり通常は公開していない「六窓庵」に配置した色絵月梅図茶壺の姿を、360度全天周映像で自由に鑑賞できるほか、「色絵月梅図茶壺」に描かれた世界感を茶壺の中から見上げるという、実際には観ることができない視点からの鑑賞も可能だ。
●VR作品「仁清が作った茶壺」
・上演期間:9月7日~25日
・上演時間:
- 水木金 12:00 / 13:00 / 14:00 / 15:00 / 16:00
- 土日祝 11:00 / 12:00 / 13:00 / 14:00 / 15:00 / 16:00
※所要時間約30分、各回定員20名。
・料金:高校生以上 500円 / 中学生300円 / 障がい者とその介護者1名 無料
※総合文化展当日券(一般620円/大学生410円)とセット購入で一般1000円/大学生800円。
※眼の負担を考慮し13歳未満は鑑賞不可。
●関連リンク
・TNM & TOPPAN ミュージアムシアター ウェブサイト
・東京国立博物館 ウェブサイト