Oculus Touchでピカイチの出来!? FPS「ROBO RECALL」は爽快アクションにやみつきだ
5〜7日に米国サンノゼにて開催されていたOculusの開発者向け年次イベント「Oculus Connect 3」では、大きなホールを1つ丸ごと使うほどコンテンツのデモに力を入れていた。特に多かったのは12月6日に発売予定というモーションコントローラー「Oculus Touch」の関連製品だ。
Oculus Touch。
中でもジャンルで目立っていたのが、「ARKTIKA.1」や「Dead & Buried」、「Superhot」といったFPS/ガンシューティングのジャンルだ。広義で言えば、ジェスチャーで魔法を生成して対戦する「The Unspoken」も魔法を使ったFPSといえるかも……? E3などのイベントを取材するたびに「アメリカ人ってホント、FPSが大好きだよなぁ〜」とお国柄を肌で感じていたが、そのユーザーニーズをVRでもがっつり狙っているのだろう。
さて、そうしたFPSにおいて、周囲の開発者に聞いた限りで、「あれは面白い」と一番評判が高かったのがEpic Gamesの「ROBO RECALL」だった。幸運にも筆者もデモを体験できたので、ポイントをまとめていこう。
プレスリリースによればリリースは2017年の早期で、Oculus Riftの所有者が無料(!)で利用できるとのこと。
VRFPSの「お手本」だったBullet Train
Epic Gamesといえば、VRコンテンツ開発にも使える「Unreal Engine 4」(UE4)をリリースしている企業だ。その自社のゲームエンジンを活用したOculus RiftのVRデモにおいても、以前から大きな存在感を示してきた。
昨年のOculus Connect 2にて発表した、Ocuilus Touch用のFPSデモ「Bullet Train」はその代表作だ。地下鉄で駅に乗り付けて、銃を全方位に撃ちまくり、遅いかかってくる敵を殲滅するという内容だが、手を使って銃を拾えたり、相手が打った弾をスローモーにして指でつまみ、投げ返して倒せるといった、Touchの特性を生かしたアクションがシビれるところだった。
また、移動におけるVR酔いの問題を、ワープで解決したというのも新しかった。VRコンテンツにおいては、移動を表現するために通常のゲームのようにプレイヤーの指示で映像だけ動かすと、自分の体が動いてないのに視界だけ変わる違和感から、酔いが引き起こされてしまう。この酔いのレベルは個人差が大きく、筆者のように歩く程度の速さでも気持ち悪くなってしまう人も少なくない。
そこでBullet Trainでは、コントローラーのジョイスティックを押しながら移動したい場所を指示して、離すとワープできるという方式を取った。今ではHTC Viveも含めて、この手法が多くのVRソフトが採用するメジャーな方式となっている。しかも多くのビックタイトル制作にも使われるUE4なので、グラフィックの美麗さも折り紙つきと、VR制作の際にお手本にしたい作品だった。
手の再現性の高さがキモチイイ!
その完成度の高かったBullet Trainをベースに、さらにゲーム性をブラッシュアップしたのが、ROBO RECALLになる。プレイヤーは街中をワープしながら進み、暴走して襲いかかってくるロボットたちを破壊して止めるというのが目的だ。
まずTouchを使った操作が洗練されていた。デモでは、ピストルとショットガンという2種類の銃が利用できた。左右の腰回りにピストル、両肩越しにショットガンが出現し、そこにTouchを近づけて、中指部分にあるトリガーを引くとピックアップが可能だ。さらに人差し指のトリガーを引くことで、撃つことができる。
撃っている最中は、残弾が銃の周りに表示される。弾がなくなりかけたら、また腰や肩から新しい銃を取ることでリロード(というか取り替え)できるという操作だ。さらに近づいてきた人型のロボットを手にとって引きちぎったり、盾にしたり、投げつけたりといったアクションも用意している。
移動のテレポートは、親指のジョイスティックを利用する。今回、スティックを押すだけでなく方向を指定することで、ワープしたあとに向く方向も指示できるようになった。平面の道路だけでなく、建物のひさしの部分にもワープできるので、ひらけた視界を確保して各個撃破……という戦術もとれる。
アクションの爽快さも特筆すべきだろう。先の操作でも説明したように、Touchの操作がまさに自分の手をうまく再現してくれていて、あれこれできるのが非常に気持ちいいのだ。筆者のオススメは、Bullet Trainから引き継がれたスローモーション中に敵弾を指でつまんでからの投げ返しで、プレー中も楽しくて機会があれば何度も試していた。
デモではライフがないのか、ダメージが蓄積しても特にゲームオーバーになることがなかったので、囲まれても攻撃を避けることを気にせず、ひたすらアタックに専念できる。敵のバリエーションも、人型だけでなく、4本足の虫のようだったり、空を飛んでいたり、巨大ボスだったりといくつかあった。
Bullet Trainではなかったスコアも追加された。プレスリリースによればホームともいえる「RoboReady HQ」にて、武器をカスタマイズしたり、新スキルを試したりといった要素も用意しているようだ。現在、VRゲームをつくっている人なら、感銘を受ける部分も大きいだろうので、ぜひ国内で体験会の機械などがあったら、ぜひ試してみてほしい。
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