ワコムのペンでVR空間に描画!WHITEと共同で「Ink Visualizer for VR」コンセプトモデル開発
WHITEは、ワコムと共同で、ペンでVR空間に描画できるソフトウェアのコンセプトモデル「Ink Visualizer for VR」を開発したと発表した。3月10日~19日に米国テキサス州オースティンにて開催される「SXSW 2017」に出展予定。
ワコムは、世界中のあらゆる分野でアマチュアから最高峰のプロフェッショナルまでが利用する「ペンタブレット」「液晶ペンタブレット」のグローバル・リーディングカンパニーだ。クリエイティブ向けペンタブレット市場では世界シェア約9割を誇る。これまで、さまざまなフォーマットに適したペン入力を提供してきた同社が、WHITEによる技術協力のもと「VR空間への描画」に挑戦した。
「SXSW 2017(サウス・バイ・サウスウエスト2017)」で行われる「Ink Visualizer for VR」のデモンストレーションでは、ペンで紙に記入した筆跡および筆圧のデータを取得。筆跡だけでなく、筆圧の違いもデザインに反映させられる仕様となっている。参加者は、用意された用紙にペンで自分だけの「オリジナル惑星」を描き、VR空間上に浮かばせて遊べるという内容を体験。ワコムのペンタブレット「Intuos Pro Paper Edition」を使い、紙でできた球体(惑星)の展開図に「雲」や「オーロラ」など好きな絵を描くと、3DCGとしてVR空間上に浮かび上がる。
操作機能のあるWHITEのスマートフォン装着型VRゴーグル「MilboxTouch」を利用することで、VR空間上の惑星を動かすことも可能だ。「MilboxTouch」を操作すれば、上空から惑星全体を俯瞰したり、惑星に降り立って自身がデザインした雲やオーロラを見上げたり、視点を変えながら描かれたストロークを眺めて楽しめる。
WHITEは、ペンで紙に描いた筆跡データをVR空間上で再現するウェブアプリケーションの開発や、QRコードを発行してスマートフォンに作品を取り込んで持ち帰ることができるウェブシステムの開発のほか、「SXSW 2017」におけるデモンストレーション全体の企画プロデュースを担当している。出展ブースでは「MilboxTouch」の500台無料配布も実施する。
このデモンストレーションでは球体用の展開図を利用しているが、もちろん展開図の種類を変えることでさまざまな形を容易に作ることが可能だ。専用のトレーニングなどが必要ない、誰にとっても馴染みのある「ペン」を使ったVR空間への描画は独自性が強い。また、巨大な物体から身の回りの小物まで、利用者が培ったドローイング技術をそのまま活かして自由に描画できることも強みと言えるだろう。
今後もWHITEとワコムは、VR空間上へのリアルタイム描画やAR・MR向けなど、3次元空間へのペン入力の可能性を探っていくとしている。
●関連リンク
・WHITE ウェブサイト
・ワコム ウェブサイト
・MilboxTouch 紹介ページ
・SXSW 公式サイト