IDG、世界AR/VR関連市場予測を発表 2020年には2016年の20倍以上の1443億ドル(16.6兆)に
IT専門の市場調査会社であるIDC Japanは9日、世界のAR/VR関連サービスの市場予測を発表した。2月27日に米国IDCが発表したレポートの日本語訳をベースとしたものになる。
最新調査の「Worldwide Semiannual Augmented and Virtual Reality Spending Guide」によれば、AR/VRのハード・ソフトと関連サービスを合計した支出額は、2016年の61億ドル(約7000億円)から2017年は139億ドル(1.6兆円)に、さらに2020年には1443億ドル(16.6兆)に達する見通しとのこと。この数字を元に、IDC Japanは「2020年には2016年の20倍以上に拡大する」と解説している。
また、世界全体のAR/VR関連のハード・ソフトと関連サービスについて2016年〜2020年の支出額の予測も発表している。この5年でコンシューマー市場が最大の比率を占めるとのことで、2017年は前年比2倍以上に成長した62億ドル(約7140億円)とのこと。
ビジネス領域での支出は、AR/VRが生活に浸透したあとに伸びると予測。中でも、組立製造業と小売業は2017年の合計支出が10億ドル(1150億円)を超えると期待されている。その次に高い成長性が期待される産業は、交通・運輸とヘルスケア分野だという。
2017年、最も多くの投資が集中することになると予測される用途は、小売業での見本展示(4億6100万ドル)、製品開発(2億6700万ドル)、設備のメンテナンス(2億4900万ドル)とのこと。
地域別では、米国が2017年にAR/VR関連で43億ドル(約4950億ドル)、日本を除くアジア太平洋地域が26億ドル(約3000億円)、西欧がほぼそれに並ぶ25億ドル(2900億円)と予測する。
IDC JapanのPC 携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの菅原啓氏は、「国内ではエンタテインメントなどコンシューマー分野での利用に目が行きがちなAR/VRだが、世界に目を転じると製造業など数多くのビジネス領域での活用が進められていることが分かる」とコメントしている。
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・プレスリリース
・Worldwide Semiannual Augmented and Virtual Reality Spending Guide
・IDC Japan