ユニティ、CADデータを使ったビジネス向け利用法を紹介 クラウド完結ソリューションも【JVRS Nagoya】
グリー株式会社と一般社団法人VRコンソーシアムが主催、日経BP社が共催という形で5月30日~31日、名古屋国際会議場で「Japan VR Summit Nagoya 2017」開催された。
同イベントでは4社がビジネス向けVR・MRソリューションを紹介。その中から本記事ではユニティ・テクノロジーズ・ジャパンのスポンサーセッション「HoloLensで広がるビジネスシーン」をレポートする。
当日はユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの伊藤周氏が登壇。今回はMicrosoft HoloLensを使ったソリューションの話、ということでまずはHoloLensがどういうものなのか、というところから説明を行った。
特徴としては比較的入手性の良いMixed Realityデバイスであること、PCを必要としない単一デバイスであること、ジェスチャと音声入力に対応していること、シェアリングが可能であること、そしてUnityのHoloToolkitを使えばHoloLens対応ソフトが作りやすいことが挙げられた。
その一方でコストの高さ、総合的なコンピューティング能力が弱い、視野が狭いなどの問題も挙げられたがこれらは時間が解決する、ということになった。
実例としてSkypeやHoloPlannerというビジネス家具のMR設置ソフト、またUnite 2017における清水建設のセッション「Virtual Design and Construction + AR/VR ~建築におけるUnity活用事例~」におけるビデオが紹介された。
●参考動画
・【Unite 2017 Tokyo】Virtual Design and Construction + AR/VR ~建築におけるUnity活用事例~
新潟に本社を持つ小柳建設という会社でもHololensのソリューションを採用しており、ビデオが流された。
Unityの強みとしてマルチプラットフォーム、アセットストア、コミュニティの強固さなどをアピール、Unite 2017 Tokyoの話題も飛び出した。
今回の展示会(VRだけではなく、IoT、クラウドサービスなどの展示・セミナーも集めた総合ITイベントだった)の出展社はおおむね年間2000万円の売上はあるだろうということで、基本的にはUnity Proの使用が前提とされた。
開発者一人につき年間18万円のサブスクリプション契約となっている。また、CADデータをUnity上で正しく使うための「Unity CAD Importer」も紹介。ポリゴンを正しいメッシュに修正してさらにポリゴン数を削減する機能を持っている。こちらも開発者一人当たり年間18万円のサブスクリプション制。
なお、「CAD Importer」はユニティ・テクノロジーズ・ジャパンが開発している。
しかし、そもそも専任の開発者を付ける人的・予算的な余裕がない、という方のために、クラウドにCADデータをインポートすることで表示までやってくれる「AR CAD Cloud」というソリューションがホロラボ/ソフトバンクC&Sからリリースされている。
これはMicrosoft Azureの上にUnityとCAD Importerが常駐し、それを使ってデータ変換後、ビューアを通してHoloLensやVR HMDで見ることができる、というソリューションだ。
利点としてはUnityを意識するどころかプログラムの必要性がないことで、操作も容易。また自社ソフトへのインポートもできるとのこと。
実際に表示させたのがこの画面。左のPCの横のHoloLensのリモート映像がモニタに映っており、右のPCの脇にあるメタリックカラーの車にARでの画像が被さっている。
最後に、HoloLensはビジネスに役立つので、Unityを作って自社向けのツールを作ったり、「AR CAD Cloud」でHoloLensを介したCADデータの活用を、という締めでセッションは終了した。ブースのパンフレットには“マンガでわかるビジネス向けUnity活用法”的な小冊子も配布されていてUnityらしいと思いつつも、ビジネス市場の開拓にも積極的なことも伺えた。
Unityのブースは地元紙・中日新聞にも掲載された。
*Japan VR Summit Nagoya 2017まとめページはこちら
●関連リンク
・ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン
・Unity CAD Importer
・Microsoft HoloLens
・AR CAD Cloud
・ものづくり「仮想」拡張 名古屋でVRサミット開幕(中日新聞プラス・中日新聞定期購読者向けサイト)