製造業にもVRを! HTC、VIVEを使用したビジネス向け活用事例を紹介【JVRS Nagoya】
5月30日〜31日に愛知県・名古屋国際会議場において、グリー株式会社と一般社団法人VRコンソーシアムが主催、日経BP社が共催する「Japan VR Summit Nagoya 2017」が開催され、スポンサーセッションとして「国内外の製造業におけるHTC VIVEの活用事例」が開催された。
講師はVIVEの日本事業責任者である西川美優氏。
VIVEでのVRソフトウェアのシェア。ゲームとビデオ、ライブ配信で75%を占めるがビジネス用途での利用も1/4を占めるようになり、ビジネス用途での領域も増えている
名古屋産のVIVE向けVRゲームとして「VR Sports」を紹介。
VIVEトラッカーやそれを使ったアバターソフトも紹介。ビジネス向けには消火器につけて消火訓練のVRを作るという話も。
自動車業界での利用例として、世界各地で車のデザインをディスカッションする事例を紹介。アバターのキャラデザは見なかったことにしよう。
DVERSEの「SYMMETRY ALPHA」も紹介された。SketchUpファイルを実寸大のVRで確認できる無料ソフトとなっている。
自動車業界・建築業界でのVRトレーニング事例も紹介。フォルクスワーゲンの車体組み立てや建築現場の作業手順をVRで学習する。
積木製作が開発したビル建築の作業手順を学習する安全活用トレーニングを紹介。足が滑って足場から落ちたりします……。
NASAのトレーニングもVIVEを使って行うものが出てきている。
工場レイアウトや導線分析をVRで行う。
ブース内でもデモが行われたImmersionの「TrueScale」。見取り図上で家を作って家具を配置するとミニチュアに即時反映、ミニチュアの中に入ってその中でも配置の作業ができ、それを行うと見取り図にも反映される。もちろん実寸大表示となっている。
西川氏はVIVEブランドの将来の話も語った。現時点ではコードレス、トラッキング装置の簡素化に加え、サウンドの立体対応、手を使ったコントローラ対応、ハプティクス対応、アイトラッキング対応などがVIVEに足りない部分となっている。コードレスについてはCOMPUTEX TAIPEIで話題になった、HTC VIVEの無線化について紹介した。60GHzWiFi技術の応用ということで日本での正式投入も考えている様子だ。
もう一つのトピックとしては没入感の高い従来の「HTC VIVE」に加え、VIVEブランドのオールインワン型ヘッドセット(DayDreamベース)の話題も登場した。こちらはトラッキング装置などが不要ということもあり、ハード自体は手軽に導入できるというのも売りになりそうだ。
ピラミッドの上になるほど没入感が高く、下に行くほどお手軽。VIVEブランドのヘッドセットは上位のものがメインとなりそうだ
VIVEのロゴマークは“この穴に入るといろいろな世界に入れる”というVRの理念を表したもので、今後はPC向けVRヘッドセット以外にもオールインワン型など様々なラインナップが登場する予定であり、今後の展開に期待していただきたい、とともに、VRで今までできなかったことをできるようにするお手伝いをしていきたい、と講演を締めくくった。
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