「VRは必ず来る」 Oculus Conect 2 報告会で感じた参加者の熱い想い

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10月13日、NPO法人オキュフェスが開催したVR勉強会のOcuBen第3回「Oculus Connect 2 報告会」に行ってきました。

 
会場となったデジタルハリウッド大学御茶ノ水校の教室では、Oculus Connect 2(OC2)に参加した、新清士氏、野生の男氏、わっふるめーかー氏、佐藤カフジ氏、藤原貴之氏、沼倉正吾氏——の6名が登壇し、現地で体験・聴講してきたOculus Riftがらみの話を200人近くの聴講者を前に熱く語ってくれました。記者が面白いと感じたところを抜粋してまとめていきます!

 

ちなみに現地の録画はYouTubeで見られます。

 

新清士「新型RiftとOculus Touchの大ヒットが期待できる理由」

 
最初の登壇者は、司会も担当していたジャーナリストの新清士氏。口を開くといきなり「いつもは緊張しないのですが緊張しています」という言葉で、すでにOC2が楽しくて興奮し、話すことがありすぎる! といった印象でした。実際それは本当だったようで、新氏の講演はかなり時間がおしてしまったわけだが、その分濃厚な話を聞けました。

 
まずデモで体験した、モーションコントーラー「Oculus Touch」を使う「BULLET TRAIN」が非常に面白かった! と熱く答弁されていました。

 
1
Oculus Touch

 
2
BULLET TRAIN

 

 
これに関しては未体験の記者も思わずうなずいてしまった。Oculus Touchの素晴らしさもさることながら「BULLET TRAIN」は動画を観ただけでも興奮してしまう、確実なキラーコンテンツ。その実物を体感したら、そりゃ熱くもなりますよね。

 
デモ中の動画を見せてくれた際には、「今何の武器で戦っているか当ててみてください」というもクイズが出していましたが、明らかにハンドガンをトゥーハンドで撃ちまくってます。更に武器を代えて、手榴弾を投げてる! 投げてる!もうこれは早く実際プレイしたくなります。とりあえあず私はなりました。

 
「じゃぁ実際Oculusは売れるのか?」という話題では、海外と日本ではかなり温度差があり、欧米では流行る可能性は高いが、日本ではどうだろう? といった見解を述べていました。

 
一方で最後に「確信を持って言えるようになりました。VRは、もはや流行る流行らないのは論外で必ず来る!」と熱弁を振るうシーンも。私もそう思います! と心の中で熱く同意してしまいました。新氏かっこよすぎです。

 

野生の男「Oculus Connectの空気感」

 
お次の登壇者は、フリープログラマーの野生の男氏。最初に自己紹介しつつ本題に入ったと思ったら、まず最初にお話ししていたのは、かかった渡航費でした。うん、お金は大事。

 
具体的には、JALの直行便で11万7850円。宿泊費1泊100ドル×4泊。OC2参加費が、審査が必要な独立系の開発者価格で95ドル。大体総額20万円とのことでした。結構かかりますね……。しかも参加費の通常価格は早く申し込んだ場合で、早期で495ドル、通常だと695ドルとか! 渡航費の片道払えちゃうよ!

 
どんだけセレブレティなイベントなんだろう? と感じてしまいましたが、会場などの写真が出てきたら……。え。メイン会場がドルビーシアター? そこってアカデミー賞の会場じゃね? 本当にセレブパーティでやがった。Oculusすげぇ。

 
3
基調講演のドルビーシアターはこんな広さでした。

 
OC2以外にも、米国で開催していたVR Foundatin主催のイベント「The Proto Awards」にも参加したとのこと。年間で優秀なVRコンテンツを表彰するイベントらしいが、そういうイベントが大々的に開催されるあたり、欧米でのVR熱は日本以上だと認識させられます。

 
最後に野生の男氏が語ったのは「来年OC3があったらぜひ行きましょう」ということ。行けるなら行きたい! 続けて「OC TOKYOをやりましょう」とも言われていましたが、それもいい。むしろそれで。東京で開催されるなら、参加費だけ頑張れば捻出できそうです。みんなのOculusを想う力で開催してもらおうじゃありませんか!

 

わっふるめーかー「Touch Demoを体験してみて」

 
続けての登壇者は、わっふるめーかー氏こと、フォージビジョンでVR事業部長を務める長谷川晴久氏。お話していたのは「Touch Demoを体験してみて」でした。みんなTouchに夢中すぎる。それほどまでにひきつけられるものなんですね。

 
Touchは自分の手をVR空間に持ち込めて、親指を立てたり、人差し指でトリガーをひいたり、中指で物をつかむことができるとのこと。そんなに細かく指の動きを感知するデバイスって世界初なんじゃないでしょうか? 確かにTouchすげぇ。しかもゲームによっては飲食ができるとかも言われてましたが、ゲーム内で飲食! 画期的すぎる!

 
「Dead & Buried」というアプリでは、手首のスナップでリボルバーのリロードができるとか。何ですかその超人設定。わっふる氏も興奮気味に感想として言われていたのが「すごい!」「やっときた!」「はやくほしい!」でした。体験者がみなこぞってキタキタ叫んでるのもここまで聞かされるとわかる気がします。私も早くほしいです!

 
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OC2におけるデモルーム。

 

佐藤カフジ「全機種対応で生き残れ:Job Simulatorのゲームデザイン」

 
お次に登壇した、ジャーナリストの佐藤カフジ氏もスゴかった。何かといえば、登壇早々、出てきた言葉が「Touchは確かに楽しかったけれど、まだOculusはきれいなことしか言ってない」です。潔くてかっこよすぎます。

 
何がダメかというと、Touchにはまだセンサーが追える範囲に死角が大量にあるとのこと。真後ろを向くのはもちろんダメだし、正面に置いたセンサーから少し横を向くと、片方だけ反応しなかったり遅れたり……という弱点があるようです。

 
今後、Touchのコンテンツを作る開発者さんたちは、その点に気をつけて制作してほしいとアドバイスしていました。確かに死角問題をクリアーできたら最強コンテンツになりえます。冷静に見てられたのだなぁと感心させられます。

 
さらに今後VR業界では、Oculus Rift、PlayStation VR、HTC Viveの3機種がメインで動いていくが、まだ何が流行るかわからない。この状況でひとつしか対応していないと、万が一デバイスが「爆死」した場合巻き込まれかねない。だから全機種の対応を考えて、おおむねPSVRに対応出来るものを作ればまず間違いない!

 
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マルチプラットフォーム対応がオススメ。

 
……と、OC2報告会でOculusだけでなく未来のVR業界についても言及する佐藤氏から、本当にVRを広めていきたいんだなという気持ちが伝わってきます。聴講しているみなさんがひきつけられて聞いてる姿を見ると、佐藤氏の話は実は聞きたかったところなのだと実感しました。

 
ちなみに、こんなのがポジショントラッキングに反応したらいいんじゃね? という話も興味深かったです。「猫の首にセンサーをつけたら、ゲーム中に猫を踏まずにいられる!」とか、「ビールの缶につけたらゲームしながら呑める!」と発案してましたが、それってすっごくいい。

 
VRの弱点のひとつに現実世界が見えないことがありますが、センサーを気軽に色んなものにつけられれば、本当に現実とVRの境目がなくなるわけですよ! VR世界から帰ってこれない人続出になりますね。ビールが呑めたら私は確実に帰宅しません。もうVRに住む。

 

藤原貴之「Oculus Connect 1と2における変化と、非ゲーム分野へのVRの活用について」

 
お次は、日立製作所に勤務されてる藤原貴之氏。ゲームとは違った観点でVR業界を見ていられて、それも面白いお話でした。VRはゲームだけじゃない!

 
まずは去年のOC1とOC2との違いについて。藤原氏は去年も個人的に参加していたようで、まず今回から会場が広くなったことが驚きだったとのこと。前回は広くても普通のホールだったのが、今回はドルビーシアター。確かに驚きますよね。一年間でOculusに何があったんでしょうか。

 
講演回数も倍に跳ね上がっていたようで、特に技術セッションが目に見えて増えていたようです。例えば、ハード制作がどれだけ大変なのかと熱く語っていた講演については、「こういうのはできるだけ隠したい話のはずだから、ここを話すということは、予定通り販売できる目処が立っているんじゃないかと思います」とコメント。みんなワクワクしながら発売を待ってていいらしいですよ!

 
本題の非ゲーム分野のお話では、今、日本では自動車・不動産・メディア企業が注目していて色々活用しているとのこと。製造・医療・交通・映画・芸術などにも用いられてはいるのだが、今はまだ非ゲーム分野ではこれ! といったものは存在していないんじゃないかと発表していました。

 
しかしキラーアプリが見つかると、「どうやってこれを使っていけばいいんだ」と考え始めるのが世の中の流れなので、今後も日本発でVRの活用をやっていきたい! とも語られていた。ぜひとも社会活用して、VRがPC並みの常識になる未来がきてほしいですね。

 
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そういえば未発表のTHETA Sを持ち歩いてる人がいたという話も藤原さんはしてました。一体、何マンなんだ……。

 

沼倉正吾「シリコンバレーのVRスタートアップ最前線」

最後は、DVERSEの沼倉正吾氏。OC2ではなく、その後、訪れたサンフランシスコのシリコンバレーで起業している、VR企業やコミュニティー、投資会社について詳しく語ってくれました。

 
今シリコンバレーでは、VRに特化して投資をしているプロジェクト「River」がある。最初にお金を入れて3ヵ月開発し、最後にデモデーが開催されそこで評価されると、また投資されるといった内容です。

 
アメリカで開発というと、かなり難しそうな印象だが、沼倉氏の話によると「シリコンバレーの技術はそこまで高くない」とのこと。つまり日本人も乗り込めるわけだ。「日本人の開発者が大挙して押しよせたら『ジャパニーズショック』が起きるんじゃないか」とも語っていたので、開発者の方々はぜひチャレンジしてみませんか。

 
さらにゲーム以外で面白かったコンテンツについても言及していました。まずはディスコVR。教育用のVRなのだが、災害現場で患者を見て治療優先順位を決める「トリアージ」というものを行っていく医療教育VRコンテンツがひじょうに面白かったらしい。

 
厳密に言うとVRではないが、開発者向けのコンテンツで群集をつくってくれるものがあり、アメリカではかなり注目されている。なぜ引きがあるのかというと、VR開発は大手企業よりもインディーズの層がアメリカには多く、熱がとても高まっているから。現状では海外と日本での開発技術の差はあまり見られない。お金のかけ方には差はあるものの、技術やアイデアは違わない、と言うのが沼倉氏の見解でした。

 
 
2時間以上にわたる熱気に当てられた記者は、「これは日本も負けていられない! 今はUnityもあるんだし、私でも何か作ろうと思えばつくれるんじゃね?」と言う脳の誤作動を起こりました。気軽に言ってすみません。

 
しかし、会場でOC2会場の盛り上がりや、VR業界の高まりを感じさせてくれる素晴らしい講演を聞いていたら、そんな気持ちになってもおかしくない勢いだったのです。日本も海外の熱さに負けず、開発者もユーザーも来年のVR元年に向けてガンガンこの業界を盛り上げていきましょう!

 
7
「This is just the beginning」ですぞ!

 
(文/とりか

 
 
●関連リンク
OcuBen #3「Oculus Connect 2報告会」
Oculus Connect 2

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