390円でVIVEトラッカーを手首や靴にスタイリッシュ装着 あきばお〜のカメラ固定バンドをレビュー

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VR ZONE SHINJUKUやSEGA VR AREA、カプコンVRなどのVRアトラクション施設で、最近はVIVEトラッカーを手足やコントローラーに装着したコンテンツが増えてきた。

VIVEトラッカーは2017年3月よりHTC NIPPONが販売したばかりのトラッキングシステム。装着した物体をVR空間で位置追跡できるようになるという製品である。しかし、VR開発者の頭を悩ませるのがこのVIVEトラッカーの固定方法だ。

 
 

カメラ用固定具を使えるが、高価かつ、足用がない

 

こちらがVIVEトラッカー。

 

裏面にはいわゆるカメラネジの穴が設けられている。

そのため、固定にはカメラ用のマウンターなどを活用できる。VIVEトラッカーを身体に固定する場合、特に相性が良いのはアクションカメラ用の固定具で、ネットで検索すれば多くの製品がヒットする。

 

「カメラ 固定 バンド」で検索してみた例。様々な商品がある。

なかには手に固定する専用バンドもあり、こうした製品を利用することで手足のモーショントラッキングに対応することができる。しかし問題はその価格。実際の価格はピンキリで何とも言えないが、アクションカメラ用の固定バンドだと、3000円前後はする製品もある。

仮に安めの製品で1個1000円だとしても、両手足用に4つそろえれば4000円。それを各開発者用に数セットとなると、意外と値段が跳ね上がる。

もうひとつの問題は、頭やヘルメット、手首などに装着するアクションカメラ固定バンドは充実しているが、足や靴に固定するための製品が少ないこと。ざっとネット検索した限りでは見当たらなかったので存在しないのかもしれない。そもそも前後や上下に激しく動く足にカメラを固定する意味が薄いのも関係しているだろう。

そこで今回は500円以下で、手首はもちろん足にもうってつけな、VIVEトラッカー固定に使える器具はないものかと探してみた。見つけたのは、デジタル物やガジェット関連でかゆいところに手が届く、若干マニアックな製品も取りそろえている秋葉原好きにはお馴染みのお店 あきばお〜のネットショップにあった「Bicylepod」なる製品だ。

 

Bicylepodの販売ページ。価格は税込み390円とのことで早速購入してみた。

 

届いた状態のBicylepodがこちら。販売ページでは「自転車用 デジタルカメラ固定具 マウントホルダー バイクポッド 三脚」となっていたが、パッケージに「Bicylepod」という製品名が記載されている。型番として「Model:Z10」の記載があった。

なお、本製品についてあきばお〜を展開するハーマンズに確認したところ、Bicylepodは自社製品であり、継続販売製品でもあるとのこと。

 

パッケージから取り出したところ。

 

大きさは手のひらサイズ。寸法は幅4×奥行き6.8×高さ1.1cmで、重量は23g。バンドを通す穴を5つ用意している。

 

基本的には自転車のフレームにカメラを固定するための製品なので、裏面には滑り止めのラバーが貼られている。なお自転車用途だけでなく、パッケージにはヘルメットへの装着画像があり、ほかにも様々なものに利用できるという記載がある。

 

バンド部分は面ファスナー(編注:マジックテープ、あるいはベルクロとも)になっている。片面がジャリジャリとしたフック部分、もう片面はフックを貼り付けるふわふわとした面になっている。2本のバンドはそれぞれ表裏が逆になっていて、他の穴を通しながら柔軟に固定できる作りになっている。

 

バンドの長さは約24cm(筆者計測)。

 
 

プレートのおかげで手をブンブン振り回しても安定

 

ではまず、手首に装着してみたい。固定方法としては各バンドを反対側にある穴に通し、面ファスナーをくっつけるだけ。

 

そのまま手首を巻くように固定してもいいが、カメラネジ部分を片方のバンドが不自然に迂回する形になるので、今回は折り返してくっつけてみた。

 

カメラネジにVIVEトラッカーを装着。

 

VIVEトラッカー装着状態で上から見た様子。

 

素肌にそのまま巻き付けても2本のバンドで負荷が分散しているためか、とくに痛みやうっ血する感覚はなかった。細長いプレートのおかげで、手を上下左右にブンブンと振り回してみても予想外にしっかりと安定している。

ただ、げんこつグリグリ、あるいはボクシングのコークスクリューのような腕を回転させるような方向への力に対しては、円柱状の物体にバンドを巻き付けるという固定方法ゆえというよりは、固定している手首の皮および肉が動くので少しブレを感じる時がある。

もっと締め付ければより安定すると思われるが、基本的には素肌に直接ではなく、ハンカチやリストバンド、あるいは長袖の服の上から装着するのがいいだろう。

 
 

手首まわり19cm以内だったらOK

ところで、僕の手首まわりは16cm。学生時代から運動に縁の無い生活を送ってきたので、一般成人男性のものとくらべると細い。そこでBicylepodがどの程度の手首まわりまで対応できるのか、バンド長が24cmということからおおよその見当は付くが少し検証してみた。

 

まず僕の手首周りより1cm太い17cmの缶を用意。おおよそ僕の腕にリストバンドなどを付けたときの太さだ。

 

この太さであれば、反対側の穴にバンドを通してもまだ余裕があるのでしっかり固定できる。

 

続いて手首まわり19cmを想定した缶を用意。

 

こちらもベルトは余るものの、固定を考えるとギリギリで、このあたりまでが許容範囲だろう。

 

なお、手首を巻くようにバンドを取り回す場合は、前述の通りカメラネジを不自然に迂回する形になるので、面ファスナーの接触面積に不安が残る。

 

その場合は、片方のバンドを中央部分で割くようにカットするとスムーズだ。こちらの方が安定感はより高い。

 

最後は手首まわり21cmを想定した缶を用意。先ほどのKURE 5-56より太いタイプの缶である。なぜ自宅にKURE 5-56が2本あるかは察してほしい。

 

さて、19cmで限界は見えていたので、案の定21cmではバンドの長さが足りない。一応の固定はできるが不安が残る。かなり体格の良い成人男性だと少し厳しいかもしれないが、手首周りはそう筋肉の付く部位ではないので、大部分の人は大丈夫だろう。

 
 

Bicylepodは靴へのVIVEトラッカー固定にうってつけ!

続いてはVIVEトラッカーの足への固定。さすがにBicylepodを使って足首への固定は、バンドの長さが足りないので標準では不可能。別途より長いバンドを用意する必要があるだろう。

そこで今回は靴への固定を試してみる。

 

まずはBicylepodのバンドを、靴のタン(べろ)の部分に巻き付けてみた。スポーツシューズではタンが柔らかく、締めるということが出来ないので、固定は不安定になりがち。

 

それに見た目が悪い。また、面ファスナーの片方はフック面が表になるので、それに靴下が引っかかるため靴を履くときに難儀し、脱ぐときも大変で、この装着方法で実用性があるとは言えない。

しかし、Bicylepodの良いところは、バンドを通す穴が5つもあること。これを利用しない手はない。

 

そこでBicylepodに付いている面ファスナーバンドをハサミでカット。この穴に、靴紐を通していくという方向に変えてみた。

 

どう紐を通すかでかれこれ2時間ほどあーでもないと試行錯誤を繰り返したが、最終的に靴紐を左の靴の穴に通す場合は、同様にBicylepodの左の穴にだけ紐を通す。両方は通さないし、プレートを覆うような紐の通し方もしないという形に行き着いた。このほうがシンプルで見た目もいいのではというのと、紐の長さが足りないという物理的制限もあったからだ。

靴紐については別途長いものも売っている。靴紐の通し方や結び方、柄を通常とは変えるというオシャレもあるので種類は豊富であり、ユーザー向けのVIVEトラッカーシューズを作る際は企業イメージやコンテンツカラーと合わせることもできる。

こうした事を考えながらせっせと紐を通していき……。

 

完成! 最初からこうだったかのようなクオリティ

 

 

 

完成写真アップ。

 

 

 

靴全体を写した完成写真。

 

VIVEトラッカーを装着したところ。

 

VIVEトラッカーを装着した状態で歩いてみたり、つま先立ちをしても大丈夫。なお、ジャンプ動作をすると、靴のサイズ25cmの僕の場合、着地時にVIVEトラッカーがつま先の爪の部分にコツンと当たる。ジャンプ時は当然、着地するときはつま先からなので、そのときにコツンと当たる感じだ。

痛いということはないが、痛くないといえば嘘になる程度の衝撃なので、そんな機会は無いと思うが長時間ジャンプし続ければあざになるかもしれない。

気になる場合はBicylepodの装着位置をタンのもう少し上の部分に変更すれば解決する。

税込み390円という価格ながら、手首のほか靴にもスタイリッシュにVIVEトラッカーを固定できてしまう本製品。いちど試してはいかがだろうか。

 
(文  花茂未来

 
●関連リンク
「Bicylepod」商品ページ

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