DISH//の北村匠海に告白されるドキドキな映像も! WILLERとKDDIが「ライブバスVR」を発表
WILLERとKDDIは31日、高速バスの移動中にVRコンテンツを楽しめる「ライブバスVR」の提供をスタートすると発表した。第一弾として、2018年1月1日に5人組ダンスロックバンド「DISH//」(ディッシュ)が武道館で開催する「DISH// 日本武道館 ’18 元旦 単独公演」に向かうツアーバスにて提供する。その後、1年間でVRを含むライブバスを20ほど企画していく予定だ。
記者発表会でVRを体験するDISH//。
DISH//の武道館公演の直行バスは、大阪、名古屋、仙台の3ヶ所から出発する。そのバス中にスマホ向けのVRゴーグル(ハコスコDX2)が置かれており、手持ちのスマホに「ハコスコ」アプリをインストールして、コードを入力することでツアー限定のコンテンツが入手できる。
VRコンテンツは、雑談編/デート編/告白編/おまけ編の4種類。手持ちのスマホにコンテンツをダウンロードするため、ツアー終了後もスマホ単体や別途VRゴーグルを用意して映像を楽しめる。
DISH//は2011年12月結成。北村匠海さん(Vo/G)、矢部昌暉さん(cho/G)、小林龍二さん(RAP/B)、橘柊生さん(Fling Dish/RAP/DJ/Key)、泉大智さん(Dr)という5人のメンバーになる。
31日に開催した記者発表会では、DISH//の5人が出演。矢部さんがVRゴーグルをかぶって、バスの中で北村さんから「好き」と言われる告白編を体験して、「すごい!」と興奮した様子を見せていた。
WILLERの高速バス「WILLER EXPRESS」は全国21路線にて、毎日27便が運行しており、年間約70万人がコンサート・イベントなどに利用しているとのこと。
さらに2010年より、ライブ会場に直行しつつオリジナル特典まで付いてくる「ライブバス」を実施して、約1万人が利用してきた。この企画にKDDIが提供するVRコンテンツを組み合わせたのが、今回の「ライブバスVR」になる。ライブバス企画自体もDISH//とともに育ててきたということもあって、ライブバスVR第一弾もDISH//とのコラボとなったそうだ。
同社としても、「コンテンツツーリズム」と銘打って、例えば映画の舞台をめぐる「君の名は。」のカフェバスを運行したり……。
世界初となるINGRESSコラボバスを展開してきた。
そうした新たな移動文化を創る一環として、移動とVRというテクノロジーを組み合わせたライブバスVRに取り組んでいる。
KDDIとしては、ファンが集まって座って移動しているライブバスはVRの体験場所として最適なシーンのひとつだと捉えている。
KDDIといえば、ハコスコに出資したり、カラオケ店舗にてカラオケVRを実験しているほか、「ミク☆さんぽ」、「SYNC TRAVEL」、「スペースチャンネル5 VR」など、さまざまなVRデモを積極的に展開している企業だ。
DISH//の360度映像に関しては、360度カメラを女性の目線に合わせた高さにしたり、バイノーラル録音で左右の耳からの音を再現したり、バスのエンジン音をあえて入れた状態で撮ったりと、より没入感を上げるための工夫を凝らしている。
KDDIとしては今後もWILLERグループのその他の事業とも連携して、観光誘致や地方活性化などへの寄与を目指すとのこと。
ハコスコDX2では、まずスマホを外した状態で画面のボタンを押して左右に映像がならぶ「2眼表示」に変更。さらに再生を指示してから、VRゴーグルにセットして見ることになる。
注意したいのはピントの調節で、そのままだと「なんかぼやけるな?」ということになりがちだ。ハコスコDX2では、上部に3つのダイヤルを用意し、レンズと右目/左目まで、左右の目の間の距離をそれぞれ変更できるので、見る前に合わせておこう。
出演するメンバーと一緒に同じバスに乗ってライブに向かえるというのは、ファンにとってとてもたまらないものだろう。実際に筆者も体験してみたが、メンバーとの近さが素敵な感じだった。スマホの画面にいくら顔を近づけても人が近くにいる感覚は出ないが、視界いっぱいに映像が広がるVRゴーグルだからこそ起こる錯覚だ。
懸念されるのはVR酔いだが、その辺は12月31日の運行までにテストして、場合によっては再撮影も行うとのこと。乗り物+VRは非常に多くの可能性を秘めており、例えば、日本に旅行に来た方に移動中に名所を紹介するなどの応用が考えられるだろう。DISH//のファンにどう受け入れられて、他のアーティストにどう広がって行くのか。実際の運用に期待だ。
(TEXT by Minoru Hirota)
●関連リンク
・プレスリリース
・DISH//
・WILLER
・KDDI