【詳報】一体型「Oculus Go」が来年早期に199ドルで! Riftも5万円に値下げ! OC4基調講演まとめ(ハード編)
Facebook傘下のOculusは米国時間の11、12日、VR開発者向けイベント「Oculus Connect 4」(OC4)を開催している。初日である11日の10時より基調講演が行われて、一体型VRゴーグル「Oculus Go」を始めとする新要素が発表されたのでまとめていこう。本記事ではハードウェアについて取り上げる。
OC4は44のセッション、100人以上の登壇者、2900人以上の参加者という規模だ。
ケーブルよさらば! 199ドルの一体型「Oculus Go」
一番の注目は、冒頭でも取り上げた一体型VRゴーグルの「Oculus Go」(ニュースリリース)。来年早期の出荷を予定しており、価格は199ドル。
スマートフォンやPCに接続することなく、単体で動作するのがいちばんの特徴になる。片手用のコントローラーを用意しており、メニューを選んだり、ゲームの操作に使うことが可能だ。一方で位置トラッキングは備えていないため頭の位置は固定になり、例えばバーチャル空間を歩いたり、キャラに近づいたりといったことはできない。
冒頭ではFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOが登壇。
自分たちのゴールはVRユーザーを10億人にすることだと宣言。
Oculusは今までPC向けに「Oculus Rift」、モバイル向けにサムスン電子との協業で生まれた「Gear VR」をリリースしていた。
その間に位置するのが、一体型(STANDALONE)。
Oculus Goを明らかにすると会場から大きな歓声が上がった。
その詳細を解説したのは、OculusのVRのヴァイスプレジデントを務めるヒューゴ・バッラ(Hugo Barra)氏。
ハードの構造的にはRiftを踏襲。ただ、いかにも「男性向け」だったRiftに比べると、グレーの色合いでソフトな素材というニュートラルな外観デザインになっている。
次世代のVR向けレンズを採用。
ディスプレーは2560×1440ドットの液晶。
ヘッドバンドの付け根のあたりに空間オーディオ対応のスピーカーを用意。それ以外に3.5mmのヘッドホンジャックも使える。ちなみにディスプレー側上部には、電源やボリュームボタンが見えます。
Gear VR向けアプリとバイナリレベルで互換性あり。
11月に開発キットを出荷予定だが、日本の開発者の入手方法については不明(Oculusに問い合わせ中)。なおプレスリリースのページに「Oculus Go has not been authorized as required by the rules of the Federal Communications Commission」とあるように、現在、FCC(米国連邦通信委員会)に申請中の模様だ。
Riftがサマーセールと同じ5万円でずっと買える!
VRファンや開発者にとって嬉しいのが、モーションコントローラーのTouchが含まれるRiftの値段が399ドル(5万円)に値下げされた点だ。これは9月5日まで実施していたサマーセールの価格と同等だ。
さらに商用利用が可能な「Oculus for Business」も明らかに(ニュースリリース)。3つのセンサー、3つのフェイスパッドなどが付属して、価格はオンラインストアで900ドル。Oculusによれば、日本での実施時期と価格は未定。
エンタープライズ水準の保証、より手厚いサポート、大量注文などのニーズに応えるとしている。
より高性能な一体型「Santa Cruz」も来年に
昨年のOculus Connect 3で開発を明らかにしていた一体型VRゴーグル「Santa Cruz」(サンタクルズ)の進捗も報告。外部のセンサーを使わない「インサイドアウト」方式の位置トラッキングを採用しているのが特徴で、6DoF(6自由度)対応モーションコントローラーの開発も公表した。来年出荷の予定とのこと。
製品の位置づけ的には、一体型のOculus GoとPCにつなぐRiftの間になる。処理能力はPCに劣るものの、位置トラッキングや両手のモーションコントローラーなどがこれ1台だけで使えるのがメリットだ。
Santa Cruz用のモーションコントローラー。
横から見たところ。
親指でタッチパッドとHome、Back、人差し指でトリガー、中指でグリップボタンをそれぞれ指示することになる。
RiftのモーションコントローラーであるTouchとは形状が異なる。
コントローラーの位置は、埋め込まれた人の目には見えない光で認識している。
Santa Cruzは位置トラッキングのためにゴーグルの上端に2つと下端に2つ、合計4つのカメラを備えている。Windows Mixed Realityでも同じインサイドアウト方式の位置トラッキングを実現するゴーグルが出ているが、こちらのカメラは2つとなっている。
このセンサーが4つあるおかげで、モーションコントローラーもかなり広い範囲で位置を認識できるとのこと。
ボールを拾って……。
構えて……。
投げるといったモーションを実施できる。PCにつながっているケーブルなしでこの動作ができるのはかなりスゴい!
基調講演では、ドラゴンのようなバーチャルペットと棒を投げて拾ってきてもらう遊びをする様子を披露していた。
(TEXT by Minoru Hirota)
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