【レビュー】PS VR「Light Tracer」昔ながらのパズルアクションをVRゲームにしたらこうなった!?
Oasis Gamesから配信中のPlayStation VR専用タイトル「Light Tracer」は、お姫さまを杖の光で導きながら塔の最上階を目指すアクションアドベンチャーゲームだ。パズルアクションゲームとしての要素が色濃く、VRならではの自由な視点やプレイヤーのひらめき、瞬発力がチャプタークリアへのカギ。シンプルなゲーム性とVRの魅力を併せ持ったタイトルとなっている。
●Light Tracer
・ジャンル:アドベンチャー
・プラットフォーム:PS VR(PS Move×2が必要)
・配信ストア:PlayStation Store
・発売日:2017年10月19日
・価格:2000円(税込)
・販売:Oasis Games
・開発:Voice Dimensions
杖の光でお姫さまを導く!
登場するキャラクターは、基本的にはお姫さまのみで、プレイヤーは神のような視点から、光の杖でお姫さまを行く先へ導く「謎の存在」となる。さまざまなギミックや敵が待ち構える「Bellbatis」と呼ばれる塔の最上階を目指すのだが、姫を導くプレイヤーがどういった存在なのか、なぜ姫は塔の最上階を目指すか、そのバックボーンはゲーム進行することで徐々に明らかになっていく。
PS Moveを2本使用(必須)してプレイする。右手が主に杖の操作と姫のアクション、左手が主に視点操作となっている。杖を使って姫を導くことがゲームの主軸だが、塔のフロアや通路がコンパクトにまとめられているため、塔を周囲から覗き込む形になる視点操作も重要となる。
昔ながらのパズルアクションもVRになれば超新鮮
VRでアクションアドベンチャーゲームと聞くと複雑そうなイメージが湧きがち。しかし本作は、ゲーム画面をひと目見れば何をどうしたら良いかわかるレベルで、その「シンプルさ」が最大の特徴と言える。昔ながらのパズルアクションゲームを、2Dから3Dに、3DからVRに落とし込んだ印象だ。PS Moveを2本使う操作には慣れが必要だが、わずかな手の震えなど、自身の不正確でアナログな操作をひっくるめて本作の面白みとなっている。
杖の先から一直線の走る光の指し示す場所に姫を移動させる。プレイヤーがすることは基本的にはコレだけだが、正確さが求められる細い道、邪魔をしてくる敵、複雑なギミック、タイミング合わせなど、さまざまな要素でアクション性とパズル性に歯応えが生まれてくる。特に各チャプターの最後に待ち受けるボス戦は、一筋縄にはいかない。ミスをしても、復活ポイント(もしくはスタート地点)から何度でもやり直しできるが、総じてゲームとしての難易度は高めな印象を受けた。
意外にも重要になるのが、塔を掴んでぐるぐる回すように自由に動かせる視点移動だ。例えば、ジャンプで渡るところは、斜めの視点よりも、真横気味の視点の方が距離感をつかみやすいといった具合に、場面に合った見易い視点をしっかり見極めることもプレイする上で重要なポイントになってくる。前述のボス戦も、動ける範囲全体を見渡せるような視点で挑んだほうが圧倒的に優位だ。
ステージ中に配置された宝石を集めるやり込み要素も用意されている。宝石は一定数で姫の衣装と交換でき、好みの衣装の姫と冒険できる。ただプレイするだけでは物足りないという人は、ぜひ宝石集めにもチャレンジしてみよう。
ゲームの内容を抜き出せば、昔ながらの2Dゲームアクションパズルゲーム的と言えるが、そこにVRが加わることで、VRならではの視点とアナログ感(操作性)が新鮮さを生み出している。ゲームの内容がハッキリわかりやすいため、目的を見失うといった心配もない。歯応えがあり、トライ&エラーを前提とした高めの難易度がプレイヤーを選ぶかもしれないが、1980~90年代に沢山生み出された名作アクションパズルゲームたちの系譜がVRのゲームにもしっかり受け継がれている。そんな感覚を楽しみながら、安心してプレイできる作品と言えそうだ。
(TEXT by 津久井箇人 a.k.a. そそそ)
●関連リンク
・Light Tracer 紹介ページ
・Light Tracer 販売ページ(PlayStation Store)
・Oasis Games ウェブサイト(英語)
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