PS VR「DOOM VFR」 ― 恐怖感と爽快感の両方が味わえるVRアクションFPSのお手本【だいぶVR #05】

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PANORAをご覧の皆さま、こんにちは。本サイトでお手伝いをしていますフリーのゲームライター、自称「ゲームソムリエ」の津久井箇人です。不定期連載VRコンテンツレポート企画「だいぶVR」第5回をお届けします。

 

またどうせ「サマーレッスン」とかゆるゆるプレイするんでしょ?と思っているそこのあなた!今回の「だいぶVR」はひと味ちがいますよ!今回は、ベセスダ・ソフトワークスより12月21日に発売予定のPlayStation VR用ソフト「DOOM VFR」をプレイします。まさかのFPSですよー!!

毎度恐縮ですが、この「だいぶVR」の目的は「体験」しなければなかなか伝わらないVRゲームやコンテンツの魅力を、できる限り文章でお伝えすることです。プレイレポートを読んで、少しでも「気になる!」と思っていただければ幸い。逆に「そんなの知ってるよ!」という基本的な部分にも触れていく内容なので、そういう場合はジャンジャン読み飛ばしちゃってOKです。ヨロシクお願いします。

尚、今回の「DOOM VFR」のプレイにはPS4 Proを使用します。PS4でのプレイと挙動などが異なる場合があるので、予めご了承ください。それでは、今回もはりきって参りますよー!レッッッツ……だぁーいぶ!!!

 
 

「DOOM」シリーズらしさ


「DOOM」第1作はPC用ゲームとして1990年代初頭に登場。まだ世間はスーパーファミコン全盛期です。後年、スーファミにも無茶移植されていますが、その話はまた別の機会に(笑)。FPSの始祖的な存在、基礎を作った作品のひとつとして人気を博し、PC、コンシューマ問わずさまざまなハードに移植版やシリーズ作が発売されました。

そんな「DOOM」シリーズの世界観や、スピード感溢れる戦いなどの魅力をVRで体験できるのが今回プレイする「DOOM VFR」。シリーズではおなじみの火星の軍事企業「Union Aerospace Corporation(UAC)」の研究施設から物語は始まります。自分自身は、どうやら開始早々サイボーグ化されてしまっているわけですが、一体なぜこんなことに……?

 
●止まるんじゃねぇぞ……

シリーズ初期作品に見られた、沢山の敵を相手にした高いアクション性が楽しめる作品になっています。スピーディに敵の動きをかわし、流れるようにエイムする「オレかっけぇ感」は、VRでもしっかりと、いや、VRだからこそより臨場感あふれる形で描かれます。本作ならではの要素として、短距離のワープ移動があるのですが、VRゲーム的な移動の利便性の意味だけでなく、よろめいた敵へのトドメの一撃にも使うことができ、これがさらなる爽快感を引き出しているように感じました。

実は、存在を知りつつも実際にシリーズをプレイするのは初めてな筆者なので、今回は5段階選べる難易度(上位は条件開放)の中、一番簡単なものでプレイしてレポートを書いています。ヒヨって申し訳ない!それでも、敵は十分攻撃してくるし、初心者的には十分に歯応えがあり、「DOOM」の持ち味であろう「恐怖感」と「爽快感」の両方をしっかりと感じることができました。

 
●クラシックマップで懐かしの「DOOM」?

メインとなる「キャンペーン」モードである条件を満たすと、オマケ要素として「クラシックマップ」がプレイ可能になります。ストーリーとは関係なく、懐かしい「DOOM」の世界をVRで遊べる特別なステージとなっており、シリーズファンの方には感慨深いものになっているのではないでしょうか。味のある「クラシックマップ」もぜひプレイしてみてほしいです。

 
 

そろそろ重めのVRゲームはいかが?


VRゲームは、ミニゲームだったり、1プレイが短かったり、なんとなく全体的に軽めのゲームな印象が強いかと思います。もちろんやり込むことで長くプレイできる設計になっているものも多いのですが、本作の場合は、そもそも根本的なストーリーやゲーム性のスケールが大きいです。プレイヤーをお腹いっぱいにさせてくれる、たっぷりと重い内容のゲーム。コンシューマ機らしい満足感が得られる内容と言えます。これまでプレイしてきたVRゲームとは違うな、と。1~2時間はゴーグル外させない気だな、と(笑)。

 
●巨大な敵はVRならではの迫力

「デーモン」と呼ばれる敵たちは、基本的にプレイヤーと同じぐらいの背丈で、その種類によって異なる攻撃を仕掛けてきます。中には、ほかのデーモンよりもひとまわりもふたまわりも巨大なヤツが存在して、攻撃も強力。簡単には倒せず、硬いです。

VRならではの感覚として、その巨大感から感じる「圧」がすごいです。ホラー的な恐怖ではなく、バイオレンス的な恐怖を覚えます。ヤバいって直感的に思います(笑)。逆に、そういうヤツらを上手く倒せたときの爽快感は言わずもがな。

 
●謎解きと探索も魅力的

敵を銃などの武器で倒すFPS的な要素以外に、いきなりサイボーグ化されてしまっている自分を含めて、物語の舞台となる研究施設で何が起きたのか、その謎を追っていくアドベンチャーゲーム的な要素も強めです。アイテムや目的の場所を求めて施設を探索する中、流れで発生するFPSなバトルは非常に自然で、先へ進みたい欲求とバトルに勝ちたい欲求によって、俄然燃えてくるといった感触。

探索要素に行き詰まっても、基本的にはマップに目的地が表示されているので、そこに向かえばOK。ゲーム的に大きなウエイトを占めているわけではないですが、ただ「デーモン」を撃ちまくるだけではない、良いエッセンスになっていると感じました。

 
 

操作はDUALSHOCK 4が快適!


本作はSteam版が12月1日に配信されていますが、一部で操作性について議論になっている様子。そのあたりはPS VR版ではどうなのか、ちょっと試してみました。

 
●PS MoveでのプレイはVR体験重視

PS4の、PS VRのモーションコントローラーであるPS Moveでプレイすると、なるほど、Steam版で議論されている内容が理解できました。まず、ボタン操作で旋回できません。旋回するには、VRゴーグルを装着した自分自身が振り向いたりすれば良いのですが、これは、座って落ち着いてプレイするスタイルのPS VR的にはちょっと厳しいです。というのも、VIVEよりもトラッキング範囲が狭いPS VRなので、例えばテレビの上に設置したPS Cameraに背を向けて、PS Moveが自分の身体に隠れてしまったりすると、コントロールを失ってしまいます。また、自由移動は左手の4ボタンに割り振られた4方向で、画像の通り初期設定では直感的な配置になっていない点も慣れが必要でした。

ただし、敵に狙いを定めたり、手榴弾を投げたりと、モーションコントローラーならではの独特で面白い操作が多数あったことも事実で、今後アップデートなどで改善されていくことに期待したいです。

 
●DUALSHOCK 4だと超快適!しかし……

DUALSHOCK 4の操作では、先程問題に挙げた旋回も右スティックで問題なく行えます。30度のセグメントターンがデフォルトですが、コントローラー設定で角度の調整、あるいはセグメントターンのOFF(ヌルヌルまわるよ!)も可能なので、好みに応じて設定をイジることをオススメ。移動も方向キーで4方向にスッスッスー。旋回とあわせることで、思い通りかつ直感的に動くことができます。L2トリガーで使える短距離ワープと組み合わせれば、クールかつ自由自在にマップを駆け回れます。

プレイの快適さは抜群なのですが、その代わりに、表示されている自分の腕は目線の右下と左下にそれぞれ構えた形で固定されるため、こちらの動きに合わせてもう少しリアルに動いてくれるとうれしいかも。なお、この操作方法の場合、エイムを目線(頭の方向)でつけることになります。その点は十分VRゲームならではの感覚なのですが、PS Moveでの操作の方がより自分自身との一体感があり、没入感を味わえました。

操作関連についてはアップデートを予定していますが、DUALSHOCK 4操作の快適さ、PS Moveの没入感、両方の「いいとこ取り」のような操作方法としてはもうひとつ、PlayStation VR シューティングコントローラーに対応しているのも見逃せないポイント。位置トラッキングが可能なうえ、ゲームパッドでおなじみの方向キーやアナログスティックを搭載しています。こちらについては、だいぶVR第5.5回として改めて触れてみたいと思います。

 
 

総評

オーソドックスなFPSをVRで表現したお手本的な作品!
DUALSHOCK 4での快適プレイなら抜群の安定感

 
決して数は多くはないのですが、これまで家庭用VRゲームをいくつかプレイしてきた筆者の感想としては、ようやくしっかりとしたボリューム感のある安定したタイトルが出てきてくれたというのが第一印象。FPS系のVRゲームは多数存在していますが、本作は、ボリューム感、完成度、中毒性がしっかり揃っていて、何時間もぶっ続けでプレイしたくなります(ただし、疲れたりしたら休憩は忘れずに!)。

難易度選択のおかげもあって、「DOOM」シリーズ初心者の筆者でも、スっと世界観に入れて、デーモン相手に「オレかっけぇ感」を存分に味わわせてくれました。攻撃をかわし、エイムし、撃つ、というシンプルな流れに加えて、VRならではのワープ移動がトドメの爽快な攻撃手段にもなっているのが好印象。サイボーグ化されて良かったと思いました(笑)。

筆者がそうであるように、「DOOM」シリーズ初心者でも全然楽しめます。PvP要素がない分、むしろ気軽でありがたいです。ガッツリとしたVRゲームを家でじっくりプレイしたいという方に、十分おすすめできるタイトルですよ!

 
 
●DOOM VFR

・販売方法:パッケージ / PlayStation Store ダウンロード
・プラットフォーム:PlayStation VR(要PlayStation 4 / 4 Pro)
・価格:3980円(税抜)
・メーカーサイト:https://bethesda.net/ja/dashboard

 
【コンテンツ内に実在した印象的なもの】
・前後左右から襲い来るデーモン
・近いと本気で身の危険を感じるデカいデーモン
・かっこいい動きでそれらと戦う俺

 
のんびり不定期連載「だいぶVR」第5回、いかがでしたでしょうか?FPSというジャンルそのものに疎い筆者でも受け入れてくれる「DOOM」は、やはり歴史に名を刻むシリーズなんだなぁと改めて感じた次第。引き続き、いろいろなVRゲームの魅力をお届けしていきたいと思います!

 
 
●だいぶVR 過去記事
PS VR「サマーレッスン:アリソン・スノウ」 ― 彼女の「心」は映像以上にVRしていた【だいぶVR #04】
Nintedo Switch ― 「HD振動」がどの程度のもんなのか体感してみた!【だいぶVR #03】
PS VR「サマーレッスン」 ― 俺はゲームしたいのか、宮本ひかりに会いたいのか【だいぶVR #02】
HTC Vive「The Lab」― 圧倒的完成度なのに無料でイイんすか?【だいぶVR #01】

 
●筆者プロフィール
津久井箇人 a.k.a. そそそ
作・編曲家・ライター。自称「ゲームソムリエ」。新旧・ジャンル・ハード問わずゲーム好き。音楽制作活動と並行して、2011年にゲームニュース原稿執筆・ライター活動を開始。2016年4月からPANORAでの活動を開始。
・Twitter:@sososo291
・ブログ:sososo activity

 
 
DOOM(R) VFR (C) 2017 id Software LLC, a ZeniMax Media company. Bethesda, Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are registered trademarks or trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. DOOM, id, id Software, id Tech and related logos are registered trademarks or trademarks of id Software LLC in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved.

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