Rift Core 2.0 β 新機能レビュー 楽しいOculus Homeと重い仮想デスクトップ

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Oculusは米国時間6日、同社のPC向けVRゴーグル「Rift」向け基本システムの最新版となる「Rift Core 2.0」のβ版を公開した。主に追加された機能として、新UIの「Oculus Dash」やバーチャルデスクトップ、ホーム空間「Oculus Home」などが挙げられる。

 

あくまでβ版であるため正式版にこれらの新機能がそのまま実装されるとは限らないが、筆者が「Rift Core 2.0」に触れた様子や感想を紹介する。

以下、筆者のPC環境の概要となる。
CPU:Intel(R) Core(TM) i7-6700K CPU @ 4.00GHz (8 CPUs), ~4.0GHz
GPU:NVIDIA GeForce GTX 980 Ti
RAM:32GB

 

ベータテストに参加する前に

Rift Core 2.0のβテストに参加するにはWindows10のOS環境を用意し、GPUのドライバーのアップデートを行った上でOculusアプリの設定画面からベータテストに参加する必要がある。GPUのドライバーのアップデートを行っていない場合は以下の画像のように赤い警告がモニター側のOculusのアプリに表示されるので、Rift Core 2.0がなぜか起動しないと思ったらまずはGPUのドライバーを確認するとよいだろう。

 

準備が完了すれば、あとはOculus Riftをかぶるだけで自動的にアプリケーションが起動する。ちなみに、設定画面のベータ欄から「Use Classic Oculus Home」にチェックを入れると今まで通りのUIに戻すことができるので覚えておこう。

Oculus Riftが起動すると真っ白い空間に新UI「Oculus Dash」が表示される。プレイヤーを囲むように少しだけ湾曲しているメニュー板だ。それぞれアプリ履歴、探索、ライブラリ、フレンド、通知、設定、Oculus Home、Oculus Store、バーチャルデスクトップほかアプリの順で並んでいる。


 

南国の海辺で積みゲーを数えるOculus Home

Oculus Dashの丸いアイコンに触れるとOculus Homeが起動する。Oculus Homeを初めて利用する場合はチュートリアルが始まるが、簡単な英語なので難なく理解できるはずだ。

 

Oculus Touchの指した方向にある物体・ウィンドウを中指のグリップボタンでつかみ、スティックを左右に倒して縮小拡大(平面)、回転(立体)、上下に倒して奥行きの距離の調節ができる。これによって、遠く離れた物体をグリップしてからスティックを手前に倒して引き寄せ、そのまま手でつかむことができる。また、Oculus Touchのトリガー、もしくはAボタン(右手)かXボタン(左手)でクリックとなる。

 

Oculus Homeで筆者が一番注目しているのがワープ移動の仕様だ。ワープ移動はVRで最も普遍的な移動方法の一つだ。Oculus HomeではOculus Touchが物を掴んでいない状態でスティックを倒すと、スティックを倒した向きに視界を合わせてコントローラの向いている先にワープ移動するのだが、ワープ地点にプレイヤーのワープ後の視点の向きとプレイヤーのポジショントラッキング領域が両方表示される。この仕様はプレイヤーが現実世界の部屋のどの位置に立ちながらどこを向いているのかを把握することができるので非常に安心感がある。ワープ移動なしの視界の回転はできないが、この仕様のおかげで不満はほとんどない。

 

部屋の中では銃や弓で的を射たり左手のメニューボタンからオブジェクトを取り出して部屋に置くことができる。Oculusのフレンドがいればフレンドの部屋に行ったり招待できるので、フレンドがいる人はフレンドの部屋を荒らしに行ってみるのもいいかもしれない。そのほか、机の上でOculus Riftのソフトの仮想パッケージや仮想カートリッジを並べて積みゲー気分に浸ったり、仮想ゲーム機(バーチャルコンソール)にカートリッジを挿してそのままOculusのアプリを起動することができる(関連記事:【朗報】ダウンロード販売でもカセットで「積みゲー」できちゃう! そう、VRならね)。

 

ちなみに、Steamなど他アプリケーションで購入したVRアプリケーションはOculus Rift対応のものでもオブジェクト一覧に表示されなかった。積みゲー体験ができるのはあくまでOculusのStoreで購入したVRアプリケーションのみのようだ。

 

今までとほぼ変わらないStore

Oculus Dashから黒い買い物袋のようなアイコンを選択するとOculus Rift専用のVRアプリケーションを配信するStoreが表示され、落ち着いた雰囲気の部屋に移行する。特筆すべき点はとくにない。

 

便利だけどとにかく重いバーチャルデスクトップ

バーチャルデスクトップ系のVRソフトウェアは既に様々な物がリリースされているが、Oculus Riftについに基本システムの標準でバーチャルデスクトップ機能が搭載される。Oculus Dashの右端にあるOculus Desktopボタンに触れることでバーチャルデスクトップが起動する。

 

HTC ViveとOculus Riftの両方に対応している基本システムであるSteamVRにもバーチャルデスクトップ機能はあるが、あくまで空間に映る平面なデスクトップをモーションコントローラをマウス替わりにして操作するだけだった。

Oculus Riftのバーチャルデスクトップではデスクトップに映るウィンドウをグリップボタンでVR空間にドラッグすることでVR空間に特定のウィンドウのみを独立して表示させることができる。もちろん、コントローラのスティックでサイズや奥行を調整可能だ。

 

ただし、Oculusのバーチャルデスクトップはかなり重い。筆者のPCのGPUはGTX 980Tiだが、バーチャルデスクトップの起動中にだいたい1回は落ちてOculus Homeに戻る。この様子ではGTX 1080以上はないと快適に動作しないのではないかと筆者は思った。

また、ウィンドウによっては画面のサイズが一致せずマウスの位置がずれている場合がある。筆者が試した時はSteamの画面サイズとマウスの位置がずれていた。

 

ちなみに、Steamのゲームを起動させてみたところ、テキストアドベンチャーゲームなど処理の軽いゲームはプレイ可能だ。しかし、右クリックを使うことはできない上にバーチャルデスクトップの動作も落ちるときは落ちる。そのほか、AAA級タイトルのハイエンドなゲームを起動してみたところ、画面がブラックアウトしてOculusごと落ちた。

 

また、ウィンドウの右下の小さいアイコンからモーションコントロールでも使えるバーチャルキーボードを利用できるはずなのだが、筆者が何度アイコンをクリックしてみてもバーチャルキーボードは現れず、ついに一度キーボードが空間上に表示されたと思ってもそれ以降試してみても再び現れることはなかった。キーボードもよく見て見るとBackspaceキーが存在しないので入力した文字を消すことができない。

そのほか、バーチャルデスクトップを起動してからある程度時間が経過するとOculus Touchによるバーチャルデスクトップへのクリックができなくなる現象にも何度か出くわした。

 

Rift Core 2.0はまだまだ開発途中の段階

筆者がRift Core 2.0を体験して思ったのは、Oculus HomeやOculus Dashなどの新機能の使い心地は特に問題はないもののバーチャルデスクトップ機能が重すぎるということだ。正式版でも同じようなものになると、おそらくOculus RiftのVR Ready基準を満たしていてもOculus Riftのβ版のバーチャルデスクトップがまともに動かない環境のPCの数がかなり多いはずだ。これを実用化するにはバーチャルデスクトップ機能のためにOculusのVR Readyの基準を引き上げるか、バーチャルデスクトップ機能をもう少し軽量化しないとOculus Riftの基本ソフトウェアとして搭載されるのは厳しいのではないだろうか。

Oculusは12月10日時点でOculus Core 2.0のβ版のフィードバックを専用ページで募集中なので、Rift Core 2.0を体験した人はぜひフィードバックを送ってみてほしい。

 
 
(TEXT by ぱソんこ

 
 
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Rift Core 2.0 beta feedback – powered by UserVoice
Oculus Rift
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