フォーサイドメディア ブループリントとVRコンテンツ共同開発へ
フォーサイドメディアは、スマートフォンアプリ開発やゲームコンテンツのパブリッシング事業を展開するブループリントとの間で、VRコンテンツを共同開発していくと発表した。両社独自のサービスとしての提供や、さまざまな外部クライアント企業の受託開発を行う事業展開を目指す。
フォーサイドメディアは、新たな事業ポートフォリオを構築することでの業容拡大を推進しており、従来からの基軸事業であるコンテンツ事業分野に加えて、金融市場および不動産分野における新規事業に取り組むなど、継続して新たな市場分野への事業参入を積極的に行っている。
事業の中心であるITを駆使したデジタルコンテンツの分野でも、日々新たな技術が創出されており、VR/AR/MRコンテンツ配信の仕組みが登場している。特に、VR技術は、主にエンターテインメント分野を中心に活用され、リサーチ企業・MM総研の発表によると、2016年の日本国内におけるVR市場規模は、VRコンテンツ市場が27億円、VRゴーグル市場が55億円。2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに合わせた5G通信とVR向けサービスの登場で、2021年度には1756億円規模に急拡大することが期待され、今後更なる需要拡大が見込まれている。
VR技術は、フォーサイドメディアが基軸事業として展開するエンターテインメント系のコンテンツサービス分野において、ウェブサービス上でよりリッチなデジタルコンテンツサービスを提供することが可能となる。また、同社グループのブレイクが取り組むマンガ作品の原画展などのイベント関連の市場分野では、遠隔地からの疑似的な参加を可能にし、フォーサイドリアルエステートおよび日本賃貸住宅保証機構が展開する不動産の市場分野では、住宅内部の仮想内覧体験サービスを提供するなど、業種を問わずさまざまな分野で活用できる。
これらの事項から、VR技術を活用した新規展開可能性を模索し、情報収集しつつ新規事業の立ち上げを具体的に検討してきた。
一方、ブループリントは「人々が笑顔になる体験を提供する」ことをミッションに掲げており、主にスマートフォンアプリ開発やゲームパブリッシング事業において、企画・開発・デザイン・プロモーション・運用・カスタマーサポートまでを全て自社で一貫して提供し、多数の有力なスマートフォン向けゲームアプリを提供している。
ゲームコンテンツでは、VR技術の活用によって、より一層臨場感を高めた新たな感動が提供できる。また、ブループリントは、自らBtoC(Business to Consumer)向けサービスの運営を行い、豊富な事例や知識を持つ企業であるため、より一層ユーザーやさまざまな企業の現場を熟知したフレームワークの構築が可能だ。さらに、BtoB(Business to Business)向けにも、システム開発やマーケティングなどの多様な総合提案型ソリューションを提供するなど、積極的に事業を拡大している。
このような背景のもと、フォーサイドメディアとブループリントの間において、VR事業の新規展開に関する、相互協力体制構築への具体的な検討・協議を慎重に進めてきた。VR技術を活用した新規事業や新規サービスの展開を模索していたことや、双方の持つコンテンツサービスやノウハウ経験を相互に活用し、既存のコンテンツ事業を中心に競争力強化を図ることなど、相互協力体制を構築することによって、両社の将来成長戦略上に大きなシナジーと波及効果を創出できると判断したとのこと。
今回の相互協力体制のもとでは、VR技術を活用したコンテンツを共同開発し、両社独自のサービスとしてユーザーへ提供することや、さまざまな外部クライアント企業のニーズにあったVRコンテンツを受託開発する事業などの展開を目指す。
VRサービスは市場ニーズは高いものの、VRの表現力を充分に創出できる立体的なコンテンツ制作を行う必要があり、これまでのウェブ配信用コンテンツサービスと比較して、その実現には多くの時間と労力が必要となる。そのため、新たな感動体験が楽めるサービスの提供を行うには、企業にとってのコンテンツ配信手法として、まだハードルの高い技術と言える。
フォーサイドメディアとブループリントでは、これまでのゲーム開発にてノウハウを培って強みを持つ、Unityを用いてVRコンテンツを開発していく。また、IDCの発表によると、VR/ARの世界市場は年間100%以上の成長率を遂げ、2021年には2150億ドル(約24兆円)にのぼると予測されているため、日本のみならず東南アジアを中心としたグローバルエリアでもBtoB販売を行い、さまざまな業種のクライアント企業の要望に合わせてVRコンテンツの開発ソリューションサービスを提供することも視野に進める。
フォーサイドメディアは今回の取り組みによって、これまでに基軸事業として展開してきたコンテンツ事業の競争力強化を図ることが可能となり、新たな事業ポートフォリオを構築することで、更なる業容拡大を実現することに繋がるとしている。
●関連リンク
・フォーサイドメディア ウェブサイト
・ブループリント ウェブサイト