世界最速で受験した漢に聞く「Unity Certification」ってどうでした?【GDC2016】
「Unity Certification」といえば、Unity TechnologiesがGDC期間中のプレスイベントにて発表した、Unity技術者のための認証プログラムだ。試験を受けて通れば、Unityでコンテンツを開発できるという自分のスキルを証明できる代物になる。
その目的は、企業と技術者のマッチングにある。「Unityに慣れている人と思って雇ってみたら意外とそうでもなかった」や、「自分がきちんと基礎をおさえていることをアピールしたい」といったニーズに応えた形だ。
このUnity CertificationはGDC期間中にスタートしたが、なんといきなり試験に殴り込みをかけた日本人が現れた。その本人ことyunayuna64さんに、現場の様子をインタビューしてみた。
——yunayuna64さんは何年ぐらいUnityを使っていますか?
yunayuna64 ここ5年ほどゲーム開発に利用しています。もともとスマートフォン向けのゲームをつくりたくてゲームエンジンを探してて、国内のコミュニティーがしっかりしてて情報も調べやすかったのがきっかけで使い始めました。
美少女にちくわ(iOS版ではホットドッグ)を食べさせるスマートフォン向けアプリ「モグモグゆなちゃん」、バーチャル空間で美少女キャラを眺められるOculus Rift用の「Yunalus」といった開発で知られるyunayuna64さん。
——Unity Certificationはなぜ受けようと思ったのでしょうか?
yunayuna64 せっかくGDCに来てて、期間中に試験を始めるということ、割引コードを入力することで試験代の250ドルが50%オフになるということが決め手になって申し込んでみました。時間帯を初日の最初にあたる3月16日の9時に指定して、当日いざ会場に乗り込んでみたらほかに誰もいなかった。
GDCでの申し込みページはこんなかんじ。
明日のUnity技術者試験を申し込んでみた! pic.twitter.com/bEdaP8SFvO
— yunayuna64 SKB03 GDC (@yunayuna64) March 15, 2016
——それは(笑)
yunayuna64 あとからもう1人だけ来たのですけど、日本人で最速だと思ってたら世界でも最速だった。
——現地には何を持って行ったんでしょうか?
yunayuna64 Wi-Fiが使えるノートパソコンと電源ケーブル、パスポートなどの公式のIDパスですね。会場に入ると黒板にURLが書いてあって、そのページにアクセスしてメールアドレスと決められたパスワードを入力します。そして、すぐにパスワードの変更を求められます。
会場の様子。
そこでメニューに現れた、今回受けられる試験は「DEVELOPER EXAM」のみでした。Unityは、将来的に「PROFESSIONAL PROGRAMMER」や「PROFESSIONAL ARTIST」、「EXPERT」といったスキルに特化した試験も用意するみたいですけどね。
——試験はどんな感じだったのでしょうか?
yunayuna64 100問を90分で解く形です。flashか何かの動画コンテンツを見て4択から選んだり、該当する項目をUnityの画面キャプチャー上で指定したり、4つの項目を該当する4つに結びつけるといった感じで、3種類の解答方法がありました。
——内容のレベルは?
yunayuna64 プログラムやグラフィックの知識の深さはそんなに求められず、おそらくUnityでプロジェクトをつくったことがある人なら解けるレベルでした。Unityが公式で公開しているPDFにも書いてあるように、16のカテゴリーがあって全部網羅している感じです。特に多かったのはプログラミングでしたが、C#の初歩でそこまで難しくはないです。
今回受けた「DEVELOPER EXAM」は、モバイルなのかコンソールなのか、オンラインなのかスタンドアローンなのかといった、技術者の専門性がわかるわけではなく、一般的なUnityエディターの操作がきちんとできるかどうかがを証明する感じですね。
——実際、難しかったですか?
yunayuna64 一番の難問は英語の壁で、半分ぐらい問題の意味がわからなかった(笑)。あとは、例えば「この操作を実現するのにメニューバーのどの項目を選べばいい?」といった感じの設問では、普段、ショートカットで実行している人はメニューの項目名を覚えてなかったりしますよね。「このオブジェクトを作成せよ」ならできるのでしょうけど。
——確かに。
yunayuna64 16のカテゴリーごとに合格点があって、そのカテゴリーの設問をすべて解いた後にクリアーしたかどうかがわかります。最終的に70%以上正解すると合格といった形でした。最初は100問を90分ということで結構焦るのかなと思っていましたが、実際、スムーズに行けば30、40分で解けてしまうと思います。
——ちなみに一緒に行った人はうかったのでしょうか?
yunayuna64 落ちたみたいですね。世界最速で受けて、2人とも最速で落ちたという。合格できなかった人は、受験料が半額で受け直せるそうです。日本で始まったら再試験はそこで受けることになると思いますが、半額になるのではと期待しています。
●関連リンク
・yunayuna64さん(Twitter)
・Unity Certification
・Unity Technologies