だったらVRで勝負だ! リアルと同じ感覚で遊べるバーチャル麻雀にハマろう【週間VRChat】
日本でも大流行のソーシャルVR「VRChat」。本連載「週間VRChat」では、日々何かしらの新しい技術や文化が生まれているその最先端を、同サービスにどっぷり浸かっている水菜氏(@mizunana_T)にレポートしてもらいます。
デジタルなのにアナログ感覚が新しい
ネット上の麻雀といえば、ウェブブラウザー上で行うものや、専用ソフトでプレイするのが基本だ。今回紹介するVRChatのバーチャル麻雀はそんな常識を覆す存在で、VRゴーグルをかぶってアバターになって麻雀卓を目の前にし、両手のコントローラーで麻雀牌を操作する。しかも、現実にはない視覚効果が現れてゲームを盛り上げてくれるし、VRChatなので身振り手振りを交えて声で会話できたりと、デジタルなのにアナログ感満載なのが新しい。
バーチャル麻雀を遊べるのは、誰でも入れるPublic化した「TANKI」というワールド。作成者は、Lieselotte氏で、アメリカ在住のアメリカ人だ。
内装はシンプルで、雀卓がひとつ置かれているだけ。しかし、通常の雀卓とはちがって様々なギミックが施されている。
壁にある「配牌」ボタンを押し、5秒間待ったあとに対局開始に触る。
牌が配置されていることを確認したら、伏せてある配を立ち上げるボタンをさらにプッシュ。
山の中にあるドラ牌をひっくり返すのを忘れずに。ここは現状、手動だ。
牌の大きさはこの程度。少し手が大きいアバターだと取りにくいかもしれない。デフォルトアバターにある「ユニティちゃん」アバターなら問題なくプレイできた。対局を始めたのち、山にある牌を取りながら役を作っていくルールはもちろん通常の麻雀と同じだが、ネット麻雀と違うのは、いちいち山から手で牌を取ってくる点。
「ポン」「チー」「カン」を宣言するボタンも用意。
例えば「ポン」を押すと、配牌の前に「ポン」が表示される。音声も同時に流れるので所謂「無言勢」にも優しい設計だ。
ポンなどを宣言した場合は、対戦相手から牌を受け取ろう。そんなアナログなところがバーチャル麻雀のよさでもある。テンパイをした場合、リーチを宣言できるが、リーチボタンは存在せずに、手元にある「点棒」をリーチ棒として置く。このリーチ棒を置くと電流が走る演出が入って、緊張感がグッと増す。
当たり牌をツモったり、相手が振った牌でロンするときは、「アガリ」ボタンを押す。
するとアガリ牌を置く場所が出てくるので、そこに牌を置けばいい。
エフェクトが出て効果音が鳴り、牌が反転し手持ち牌を対戦相手に見せる。
このアガリ方がとても気持ちよくてクセになる。
点数計算は自動ではなく、プレイヤー自身が雀卓下にある点数欄に手動で得点を記録する。他のプレイヤーの点数が見たい場合は、「他人点数」のボタンを押下すると表示可能だ。
その隣にある「捨て牌カメラ」を押下すると、捨て牌を上から見たカメラが表示される。ここだけで見ると、一般的なネット麻雀のようだ。
現在が何局で、何本場なのかも管理可能だ。プレートを手に持った状態で、「東一局」の部分を押下すると数が増えていく。南三局まで対応しており、その次はオーラス局表記になる。「0本場」の方は最大8本場まで対応。八連荘を狙ってみたいものである。
点数表もワールド内に存在しており、随時確認しながら点数計算を行える。点数計算を行えるサイトが埋め込まれているので、初心者でも問題なく麻雀を楽しめる。これを機に点数計算を出来るようになるのも手かもしれない。他にも様々なギミックがあるが、ひとまず基本的な操作は以上の通りだ。
早速、大会も開催されてます
先日、そんなTANKIワールドを使って、VTuberによる麻雀大会が開かれた(動画はこちら)。主催である海老名セイレンちゃんに、当日の様子をインタビューしてみた。
──バーチャル麻雀の面白さとは?
セイレンちゃん 周りの人の様子が見えることですね。待ち時間のときに隣の人が踊って煽りだしたりとか(笑)。実際に麻雀をしている感覚が本当に利点だと思います。VR麻雀楽しい!
──逆にバーチャル麻雀ならではのデメリットは?
セイレンちゃん 配信として見せる場合、どうしても実況がしにくくて難しかったです。移動が大変でした。あとは麻雀牌を画面に見せるのが難しくて、まだまだ課題が盛りだくさんだと思いました。
もう一人、麻雀大会を開いた元女流雀士系VTuberの神楽彩ちゃんにもお話を伺った。プレー中の動画はこちら。
──大変失礼ですが、元女流雀士というのは本当ですか?
神楽彩ちゃん 本当です(笑)
──雀士から見たバーチャル麻雀の魅力は?
神楽彩ちゃん 家の中でも気軽に卓を囲み麻雀できる時代が来たと思い、麻雀打ちとしては感銘を受けました。さらにはリアルでは体験できない、リーチや上がった時の演出がテンションを上げてくれますね。
──実際の麻雀との違いはなんですか?
神楽彩ちゃん 一般的なの麻雀店と、正直あまり変わりないと感じましたね。強いて言うなら、麻雀牌の感覚がないというところでしょうか……。本当にそれくらいですね。
ワールドもどんどんアップデートしていて、便利な機能が追加されています。例えば、先日のアップデートで追加されたペンを利用して、麻雀教室を開いたりすることも可能なのではと思っています。実際に、役一覧や符計算方法などもしっかり記載されていて、麻雀が分からない人でも気軽に麻雀ができるようなワールドに作られていると感じました。
──今後、大会や教室を開く感じですか?
神楽彩ちゃん そうですね、近々また麻雀大会は開きたいと考えていますし、麻雀教室も絶対に行いたいです。私はVR麻雀部も設立していて、麻雀が好きなVTuberさんや視聴者さんを集めて活動しています。そこで、主な活動範囲を単騎ワールドで行おうと思っていますので、まさに部活動みたいな感じです(笑)
──VR麻雀部の部員は募集中ですか?
神楽彩ちゃん 部員は絶賛募集中です!是非、TANKIで一緒に麻雀を楽しみましょう!
バーチャルで腕を磨けば、リアルでも麻雀の腕が格段に上がること間違いなし。初心者の方もルールを学びつつ、ぜひバーチャル麻雀を楽しんでほしい。
(TEXT by 水菜、EDITED by Minoru Hirota)
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