「お前ら全員、開国だ」「開国してー!」 対話が楽しい「ドリフェス!」ステージに注目
ナムコは25〜31日、東京・秋葉原にある「アニON STATION AKIHABARA 本店」にて、「ドリフェス!」のアイドルユニット「KUROFUNE」が出演するバーチャルキャラステージ「コール&レスポンス Stage ドリフェス! 〜KUROFUNE ROCK な晩餐会〜」を開催中だ。チケット料金は5800円で、イープラスにて購入できる。残席がある場合の当日券は+500円。チケットには、1ドリンク、付属ノベルティー、メッセージカード、アクリルスタンド1個が含まれる。
ドリフェス!はバンダイナムコグループとアミューズがプロデュースする女性向けの2.5次元アイドル応援プロジェクト。アニメ、アーケードゲーム、スマホアプリ、VRコンテンツなど、マルチメディアで展開しているコンテンツだ。KUROFUNEは、風間圭吾(CV:戸谷公人氏)と黒石勇人(株元英彰氏)からなるユニットになる。
大きな特徴は、来場者の盛り上がりや声援に合わせて、スクリーン上のキャラクターが反応してくれるという点。お客さんも含めてのじゃんけん大会や、チケットに付属するメッセージカードに記入して送るとアイドルから返信が届くといった、観客とのインタラクティブな仕掛けを用意しているのも目新しい。
実際、ファンが20人ほど集まったメディア向け内覧会に参加してみたが、非常に驚いたのはステージのほとんどがトークパートで占められていたという点だ。バーチャルキャラによるライブというと、初音ミクや先日のアイカツ!など、音楽ライブを中心で組むことが多い。
しかしドリフェス!では、ライブは3曲程度にとどまっており、2人のキャラが会話しているのを見て楽しむのが中心だ。ちょうど現実のアイドルのライブで、出演者が何気ない近況を話して、それに観客が笑ったり拍手をしたりして場として盛り上がる感覚に近い。ときには来場者に語りかけて対話を楽しむのだが、このタイミングや話す内容が非常に自然で、キャラクターがまさにその場にいる「バーチャルリアリティー」だと実感した。例えば、こんな感じだ。
圭吾「一緒にコールアンドレスポンスをやってみていいかな」
観客「いいよー!」
勇人「お前らなら、練習なしでもいけるよな。腹から声をだせよ」
圭吾「それじゃあまず最初は、僕が決め台詞をいったら『即位してー!』と応えてくれないかな」
観客「(笑)」
圭吾「貴方のためなら即位する」
観客「即位してー!」
(筆者「!?」)
圭吾「マーベラス」
観客「(笑)」
勇人「次は俺の番だ。全力で声出せ。お前らの声が俺一人の声に負けるわけないよな。お前ら全員、開国だ!」
観客「開国してー!」
勇人「もっと声出せんだろ」
観客「(笑)」
勇人「そんなもんじゃたりねぇ」
圭吾「最後は一番大きい声でコールが欲しいな。僕たちが『黒船』といったら『襲来』と返して欲しいんだ」
圭吾「それじゃあいくよ。黒船」
観客「しゅうらーい!」
勇人「お前らやるじゃねぇか」
……といった具合に、ライブ慣れしたアーティストのように、観客の心を察して絶妙なタイミングで声をかけてくるシナリオが素晴らしい。女性ファンにとって好きなアイドルとやりとりできるのはやはりたまらない体験のようで、ライブ中は笑顔が絶えなかった。
投影装置はプロジェクターにスクリーンと普通だが、ビジュアルよりも対話でキャラクターの実在感を出すというアプローチが新しい。
ファンはもちろん、キャラものを扱うVR開発者にとっても学びが多い意欲的なステージなので、ぜひ現地で参加してほしい(男性にとってはかなりアウェーですけどね……)。
©BNP/BANDAI, DF PROJECT
(TEXT by Minoru Hirota)
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