暴走トラック、ウクレレ、限界オタク──.LIVEアイドル部「神楽すず」、VTuber界きっての清楚さを見よ

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「信号ぐらいは守っていきたいですよ……人の命は守れなくても」

.LIVE」(ドットライブ)といえば、人気バーチャルYouTuber(VTuber)・電脳少女シロちゃんや、世界初の男性VTuber・ばあちゃるくんが所属する、アップランド運営のVTuberプロダクションのこと。

このプロダクションでは現在、ばあちゃるくんをプロデューサーにむかえて、12人のVTuberが「アイドル部」として活動している。もともと個人として活動していた「もこ田めめめ」ちゃん、「花京院ちえり」ちゃんを除き、10人は2018年5月から本格活動を開始。2Dの見た目でスタートし、当時のばあちゃるくんのYouTube登録者数「5万人」を目安として3D化をはたすことを目指している。

AbemaTVウルトラゲームスチャンネル「実況王2」や、OPENREC.tv「PUBG PARK」への出演、部内コラボ、そして、にじさんじ所属・月ノ美兎さんの「みとらじ」への金剛いろはちゃんのゲスト出演など、着々と活躍の場を広げてきた彼女たち。9月3日にはついに北上双葉ちゃんと金剛いろはちゃんが、続いて9月6日にはもこ田めめめちゃんがチャンネル登録5万人に到達した。9月7日には、北上双葉ちゃん、もこ田めめめちゃん、そして5万人目前の夜桜たまちゃんが3Dモデルのティザー動画を公開。まさに今、勢いに乗っているVTuber集団といえるだろう。

さて、冒頭のセリフはこのアイドル部で一番最後に生放送をスタートさせた「神楽すず」ちゃんのものである。このタイミングでアイドル部といえば、本来、金剛いろはちゃんや北上双葉ちゃんなどを取り上げるべきなのかもしれないが、彼女のポテンシャルも相当なものだ。電脳少女シロちゃんが体現する「清楚(アップランド)」の、ある意味で最高の後継者といえる彼女の魅力を余すことなくお伝えしていこう。

 

「真の清楚枠」と思われた少女の暴走トラック伝説

神楽すずちゃんが初めて生放送したのは、2018年5月20日だった。これはヤマトイオリちゃんと並んで、アイドル部の中で最も遅いデビューだ。だが、実は一部のアイドル部ファンは彼女のデビューを心待ちにしていた。

というのも、彼女は見た目からするとおしとやかな印象であるが、先に配信を開始している他メンバーへのTwitterでの生放送実況では、興奮を隠しきれない様子で実況ツイートが止まらなかった。これを見た一部のファンは「神楽すずちゃんも相当やべーやつに違いない……」と期待を高まらせたのであった。

ところが、である。初めての生放送で明らかになったのは、とても落ち着いて透明感のある声でクラシックや自身がバイオリン弾きであることについて語る、「真の清楚」な少女だった。

 

 
一部、物議をかもす発言もあったものの、概ね「神楽すずちゃんは.LIVE唯一の『真の清楚』なのでは……?」という評価が語られるようになった。

さらに配信を重ねるごとに彼女はクラシックだけでなく、ボカロ曲やSCPなども嗜んでおり、さまざまなカルチャーを幅広く愛する人物だということがわかっていく。自らの好きなものを語り、「勇者の憂鬱」や「Detention 返校」などのゲームを実況し、透き通った声で朗読を披露してくれる──。そんな.LIVEにあるまじき(?)清楚さを武器に、彼女は新たなファン層を獲得していったわけだ。

だが。

7月1日、トラック運転シミュレーションゲーム「ユーロトラックシミュレーター2」(ETS2)のゲーム実況で、彼女の新たな側面が明らかになってしまう。

 

 
にじさんじ所属・モイラ様もそのすさまじい運転技術で爆笑を誘ったこのゲーム。すずちゃんも、そもそも運転免許を持っておらず、道交法などのルールもほとんど理解していない状態でこのゲームに挑んだ結果、彼女の「脳筋」っぷりが一気に発揮されて、反対車線を走ったり、減速せずにカーブを曲がったり、フルスピードで料金所に突っ込んだりと、やりたい放題の運転を披露していた。

しかも、清楚な声で連発する物騒な発言だ。冒頭のセリフ以外にも、「私、まっすぐ進むことしかできない」「(テストプレイのときは)ブレーキが必要なかったので」などの言葉を乾いた笑いと共に発し、視聴者を混乱と爆笑の渦に突き落とす。しかも運転終了後のゲーム内での評価は「合理的」。合理的とは……?

サングラス姿の神楽すずちゃんのサムネイルと共に、彼女のトラック運転は多くのVTuberファンに感銘を与え、ニコニコ動画で数多くのMAD動画を生み出すことになる。特に、もこ田めめめさんの悲鳴を加えて「助手席に乗せている」ように見せたMAD動画は秀逸だ。

 
これ以降、ETS2実況は第3回まで配信し、毎回すさまじい運転と名言を披露していたが、現在はハンドルコントローラーを買うまでは「封印」となってしまった(別のゲームがうまく配信できなかった際、特別に実況したことはある)。

 

 

 
このETS2以降、ほかのゲーム実況でも、彼女のやけに合理的で脳筋な名言が連発されるようになる。

「Project Nimbus」では、「空の藻屑になってください」「私を狙った『罰』だ、これは」「やっぱ頼れるのは実弾だけですよ」「そんなチマチマ撃っててもね、当たらないんですよ私には」など、まるでガンダムのような「富野節」を連発(彼女自身はガンダムを見たことがないそうだが)。

なぜか「おいでよ どうぶつの森」でも初期部屋を見て「うわぁ……処刑されそう」「死にゆく準備をしてそうなんだけど。ハハハ」などと殺伐とした発言をしてしまうようになった。

 

 

 
とても一生懸命にゲームと向き合い、清楚(アップランド)な名言を連発し、乾いた笑いをあげながら、クリアすると感情を爆発させて喜ぶその姿は、数あるVTuberゲーム実況の中でも独特の魅力を持っているので、ぜひ見てほしい。

個人的には、アクションシューティングゲーム「Assault Android Cactus」実況で、その弾幕を花火に例えて『【Assault Android Cactus】8月最後の花火【アイドル部】』というタイトルにしたのに、開始6分で「花火やめろ! 即刻中止しろ!」と言い出すすずちゃんがお気に入りである。

 

 

バイオリン演奏に「ウクレレウキウキお姉さん」

さて、こうしたネタっぽい方向性が取り上げられやすいすずちゃんだが、「弾き語り」シリーズの魅力も見逃せない。

前述の通りバイオリン弾きである彼女は、バイオリンでドラゴンクエストの楽曲や「Libertango」「タイスの瞑想曲」などを披露。さらに新たに買ったウクレレでスピッツ「空も飛べるはず」、つじあやの「風になる」、ディズニーのリトル・マーメイドでおなじみ「パート・オブ・ユア・ワールド」などの弾き語りを行なった。とても清楚(真)である。

 

 
特にウクレレ弾き語りの際は、ETS2でも見せたサングラスをかけ、レイを首にかけ、ウクレレを持った姿になる。このモードは「ウクレレウキウキお姉さん」と呼ばれている。

これ以降もウクレレ弾き語りでは相対性理論や椎名林檎などの楽曲を披露。とても透明感のある歌声とウクレレの響きが夏によくあう内容となっている(第2回ではアロハシャツが追加された)。筆者は相対性理論を歌うすずちゃんが大好きである。

 

 

 

 
変わり種としては、ばあちゃる+夜桜たま+花京院ちえり+神楽すずの4人による「麻雀コラボ」の際、麻雀の経験がない彼女は「BGM(バイオリン)」として参加した。「情熱大陸」のバイオリン演奏をBGMに行われる麻雀はシュールのひとことだ。

 

 

プロの限界オタク・神楽すず

ときにゲームで物騒な発言を連発し、ときにウクレレウキウキお姉さんになり、ときに清楚にバイオリンを弾く彼女だが、Twitterではまた違った面を見せている。

ひとことでいえば、Twitterにおける彼女は「限界オタク」である。

前述のように配信デビュー前からTwitterでの言動がおかしいと話題になっていた彼女だが、シロちゃんやアイドル部の仲間のことが異常に好き過ぎるのだ。特に八重沢なとりちゃんと猫乃木もちちゃんのコラボの際は、2人のあまりの仲の良さや尊さに、すずちゃんの限界オタクっぷりが爆発していた。

 
これ以降、一部のアイドル部ファンの間では、アイドル部の尊い様子が見られると、神楽すずちゃんがすべて代弁してくれる、という信頼感が醸成されている。「やば…」しか言えなくなってしまう神楽すずちゃん、あまりにもわれわれと同じ気持ちなのでは?

最近では、北上双葉ちゃん、もこ田めめめちゃん、夜桜たまちゃんの3Dモデルのティザー動画が公開された際にも、完璧な限界オタクっぷりを発揮してくれている。

 
「優勝ってこういうことなんですね」「完全にノーガードのところに入れられましたね・・・」のあたりに非凡なセンスを感じずにはいられない。

このように、一見控えめに見えながらも、実に多種多様なギャップのある姿を見せてわれわれを楽しませてくれる「清楚(真)」兼「清楚(アップランド)」の神楽すずちゃん。彼女のYouTube登録者数が5万人に到達し、3Dの姿でウクレレウキウキお姉さんを披露してくれる日を心待ちにしている。

 
 
(TEXT by みね)

 
 
●関連リンク
神楽すず(Twitter)
神楽すず(YouTube)

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