浴衣美人に見守られながらVRで耳かき 超会議「なごみの耳かきVR」がこれもうわかんねぇな……
4月29、30日に幕張メッセにて開催しているniconicoの祭典「ニコニコ超会議2016」。先に公開したJALブースのHoloLensを始め、VR・AR系の展示も目立っている。その中でぜひ体験してほしいのが、ホール2のDLsite VRブースにある「なごみの耳かきVR」だ。立体音響を活用し、本当に耳かきしてもらっているような感覚を呼び起こしてくれる。
ちょうど本日よりGoogle PlayとApp Storeにてアプリの無料配布がスタートしたので、ご家庭でもGoogle Cardboardなどの二眼タイプのVRゴーグルとヘッドホンを用意すれば体験自体は可能だが、超会議の会場ではさらに上質なエクスペリエンスを実現している。
なんとアプリと同じ空間をブースに再現しているのです! しかも浴衣のおねーさんが! が!
事前のインタビュー記事が大反響だったため、これは「いの一番」に取材せねば!と並んでみました。二次元美少女は「なごみちゃん」というそうです。
体験前には、左右のつまみを開店してVRゴーグルのピントを合わせる。筆者も見たことのない製品でしたが、どうもスマートフォンをはめて使う「3DVRゴーグル」という製品みたいです(直球だ!!)。
残念ながらおねーさんは機器の説明だけで、膝枕はしてくれませんでした……。
カナル型のBluetoothイヤホンを装着して会場の喧騒から隔絶され、さらにVRゴーグルで視覚も「あちら側」に行くと、右側に座っているなごみちゃんが話しかけてくる。
しばらくしたら右耳を上にして寝る。あとは3分程度耳かきしていただく流れだ。
終わった後の率直な気持ちは、「左耳を耳かきしたい! 今すぐ!」という感じ。耳の中で動く立体音響が非常にリアルで、続けて聞いていると耳がめちゃくちゃこそばゆくなる。耳かきしてもらってるはずなのに、さらに耳かきがしたくなるこの矛盾。
隣で綿棒が売っていたら、思わずリアル課金していたところだ。
さらにせっかくの膝枕なのにキャラを見ようとすると怒られるというのも斬新だ。ロート「デジアイ」の初音ミクも手がけた(もっというとローリンボーイなアニメとかもつくってましたね)加速サトウさんのモデルをもっと見たい!と上を向いたところ、ちゃんと耳かきができない的なことを言われて、元の体勢に戻るように促される。
しかし、人間の尊厳的にコンピューターの説得に素直に従うのは抵抗がある。そこでもう一度上を見てみるが、やっぱり怒られて……というのを繰り返して、仕方なく体勢を戻した際、ふと興味が部屋に移った。「ああ縁側があったのか」と視線を向けると、葉っぱがひらりと落ちているのが見える。
その落ちる葉っぱをながめていると、なんとも言葉にしにくいのだが雑念が消えて、気持ちがあちら側に行って安らいだ瞬間があった。手間暇かけてつくった3Dモデルをユーザーの視界にほとんど入れさせないという大胆なシナリオの末、待っていた謎の「なごみ」——。エイシスさん、恐ろしい子!
加えて、割と手間がかかっていそうなアプリを無料で配布しているというのも、なかなか理解しにくいところだ。エイシスによれば、「無料で配布することで、みんながVRの面白さに気づいて、業界が少しでも盛り上がってくれれば」という思いでやっているとのこと。VRに興味を持っている人は、ぜひVRゴーグルとヘッドホンを用意して体験してみてはいかがだろう?
「二次元の 夢が広がる ぶいあ〜る」と書かれた室内の掛け軸など小道具にも凝ってる。さらに女性にはブランケットをかけてくれるというキメ細やかな配慮だ。
VRで癒されるために行列に並んで疲れるというのも「これもうわかんねぇな……」という話だが、筆者的には超会議での体験をプッシュします。
(TEXT by Minoru Hirota)
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