VR版はパイロット体験の「懐石料理」──エースコンバット7開発陣が語る、飛ぶ楽しさへの飽くなき挑戦
バンダイナムコエンターテインメントは、フライトシューティングゲーム「ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN」(エースコンバット7)のPlayStation 4(PS4)/Xbox One版を2019年1月17日、PC向けSteam版を2月1日に発売する。価格は税別で、PS4の通常版が7600円、ブックレット「ACES at WAR A HISTORY 2019」などが付属する初回限定生産のコレクターズエディションが1万2400円、Xbox版が7600円。Steam版のみオープン価格となっている。
中でもPANORA的に注目なのは、PlayStation VR対応をはたしたPS4版だ。パッケージでは初回生産版を、ダウンロードなら2019年2月18日までに買うと、早期購入特典として2004年にPlayStation 2で発売した「ACE COMBAT 5: THE UNSUNG WAR」のPS4移植版がもらえるなど、VR以外も非常に豪華な内容だ。
さて、バンダイナムコエンターテインメントといえば、PlayStation VRの「サマーレッスン」、VRアミューズメント施設の「VR ZONE」など、数々のVR体験を世に送り出してきた企業だ。その最先端にあるエースコンバット7では何に挑戦したのか。
その一つがVR酔いになる。実はインタビュー時に筆者もVR版を体験できたのだが、まず驚いたのはVR酔いのしにくさだった。筆者自身が非常に酔いやすい体質で、コンテンツのつくりによっては10秒も経たずに酔ってプレーできなくなるものもあるのだが、エースコンバット7のVRでは体験時間いっぱいの30分ほど遊べた(そしてもっと遊びたかった)。
正直に言えば、ローリング(直進に対して機体がぐるぐる回ること)は「ウッ」ときたものの、機体上方に回られた敵機を見上げながら追いかけたり、ダイナミックに宙返りしてミサイルを避けたり、雲の中に突っ込んで抜けたり……と、言葉で語りきれないほど飛ぶ楽しさを実感できた。
VRなら360×180度、周囲すべてを見渡すことができる。敵機を発見してロックオンし……。
ファイア!! た、楽しすぎる!
語りきれないといっておきながらさらに語るが、ハンガーで愛機を周囲からじっくり眺めたり、空母でリフトアップされてから急加速して発進したり、雨あられに降り注ぐ敵の攻撃を避けながら滑走路から離陸したりと、戦闘機ファンが「俺、これが見たかったんだよ!」と感じるアツい展開がとにかく盛り込まれている。
甲板に戦闘機がグイーッと上がってくるのを体感したうえで……。
出撃!
空母から飛び立つ憧れの体験を実感できるわけだ。やってみるとこの発艦シーケンスだけで本当に大興奮です!
動画で見たほうがわかりやすい。
VR版では、選べる戦闘機は4機種。ステージは3種類で、それ以外にじっくりと飛行を楽しむことができる「フリーフライト」や、航空ショーなどで見るアクロバティック飛行を観客として眺められる「エアショーモード」(上記画像)も用意する。もちろん本編に比べるとボリュームは少ないものの、それぞれの体験の濃厚さは圧巻だ。
なぜエースコンバット7では、このクオリティーが実現できたのか。「エースコンバット」シリーズのブランドディレクター、河野一聡(こうのかずとき)氏、エースコンバット7のプロデューサー、下元学(しももとまなぶ)氏、PANORAでは「サマーレッスン」シリーズのプロデューサーでおなじみで、エースコンバット7ではVRプロデューサーを務めた玉置絢(たまおきじゅん)氏という3氏にインタビューした。
写真左から玉置氏、河野氏、下元氏。
20年間積み重ねた「秘伝のタレ」で実現できた酔いにくさ
──そもそもの話として、なぜエースコンバットでVR版を出そうと考えられたのでしょうか?
河野 それはPS VRが登場した時点で、ユーザーがやってみたい体験だろうと考えていたからです。
──絶対そうだと思います(笑)
河野 僕らも自然発生的に「これはお客さんが望む事だからやらなきゃいけないね」と話していたのですが、一方で戦闘機のVRはゲロゲロに酔うぜという声も聞こえてきました。メディアにも「ジェット戦闘機のVRは絶対無理」って書かれましたし。
実は僕そのときにアーケードで「マッハストーム」というドーム型筐体に乗り込む戦闘機シューティングをつくっていて、いかに3D酔いさせないかを研究して、実際に実現できていました。そんなこともあって、僕はエースコンバットのVRも「できるよ、多分」と考えていた。お客さんの夢も叶えられるし、「絶対に無理」っていってた人たちにも「実はできるんですよ」と見せたかった。
VR版もプロトタイプがあったのですが、それは酔いを気にしすぎて、首を固定した状態で左、真ん中、右という3方向だけ視点を切り替えるようになっていて、正直、VR版でつくるよさが出ていなかった。
玉置 ヘットトラッキングせずに、カメラ切り替えが切り替えられるだけだったんですよね、確か。
河野 そこで「サマーレッスン」をやっていた玉置を迎えられたので、「じゃあ酔わない本物のVRをつくって」ってお願いしました。
玉置 実は私はサマーレッスンの前にはエースコンバットのチームにいたんですよ。
河野 もともとエースコンバットの大ファンだったし。
玉置 そうなんです。入社した動機もエースコンバット好きが高じてというところで、シリーズにすごく愛着があるんです。だからもともと貢献したかったエースコンバットと、サマーレッスンで挑戦したVRという新しい要素が一緒になれるときがきてすごく嬉しかった。
──とはいえ、エースコンバットはサマーレッスンとは大きく異なるジャンルなので、VR酔いのハードルも高そうです。
玉置 やってみて分かったことだったのですが、実はエースコンバットはまだVR酔いの観点では有利なゲームだったんです。確かに、サマーレッスンがなぜ酔わないかというと、カメラが動かないからであって、PC向けのVRゲームでも、カメラを動かすやつは酔いやすいものが多い。
だから「空中でビュンビュン飛び回ったり宙返りするゲームが題材で酔わないわけないでしょ」という危機感からスタートしたんですが、実は戦闘機の飛んでいる高さが結構高く、酔いの原因につながる「近くにある物体早いスピードで動く」とか「操作に機敏に反応して違う方向へカクッと曲がる」といった要素がなかったので、車や人、ロボットなどに比べてだいぶマシだった。
──上下左右に曲がることで起こるVR酔いはどうでしょう?
玉置 そこは、1995年から20年以上やってるシリーズなので、曲がるスピードの増減やスムーズさのクオリティーが高くて酔いにくいんです。これがカクカク曲がったりとか、ちょっと残念な旋回の仕方だとダメで、人間にとって心地のよい、予測できる曲がり方をするというのが重要なことでした。
あとはエースコンバットって、元々画面の中心部分に重要な情報が全部集まってるんです。それはあれだけ速いスピードで三次元空間を衝突せずに飛ばせないといけないため、基本的に真正面の中央、進行方向を見るようにできている。乗り物酔いでも、横よりも進行方向を見た方が酔いにくいといわれますが、その点でもエースコンバットというゲーム自体がVRとの相性がよかった。
そういった幸運な状況の上で、VR版の製作陣も社内でVRをやっていたメンバーがどんどん集まってきているんです。サマーレッスンでもメインプログラマーを務めた山本や、CEDECの講演でも話題に出たUIデザイナー、サマーレッスンを作る際にむしろ私が教えを乞いに行ったドーム型筐体ゲームのディレクターなどです。つまり、「こうしたら酔うよね」「こうすると酔わないよね」ということがわかっている人間が集まってきたので、酔いにくいものに仕上げられたのです。
──自分が酔いで驚いたのは、甲板からの発進シーンです。止まった状態からの急加速はかなり酔いやすいので、普通はやらないはずなのですが。
玉置 VRメーカーやクリエイター向けガイドラインの「やってはいけないリスト」に入ってますよね。
──そうそう。でも意外と「ウッ」とこなかったのが不思議でした。普通は周囲を黒くして視野を狭めたりするのですが、そうでもなかった。
河野 常識を覆していきます。
玉置 不思議ですよね。それはそもそも、製作陣がきちんとVRタイトルをつくった経験があるからです。そもそも考えて頂きたいのですが、普通のゲーム会社においては、VRクリエイター間では常識的に流通しているような「やってはいけないことリスト」自体を知ってる人がまだまだ少ないんですよ。その点、私たちは「急加速したら酔う」という「VR業界の常識」もわかっていましたから、「その上で、どうやって回避しよう?」というステップにまですぐ行き着くことができ、試行錯誤する時間を稼げたということです。
では具体的に何をしているかというと、酔い回避の一つのセオリーですが「予告して、前もって身構えられるようにする」という手法を取っています。発進するときに先に「パシュッ」って音を出して、プレイヤーが身構えられるようにしました。だから加速が始まっても酔わない。酔いにおいて、身構えられるってすごく重要だといいますよね。
──なんと!
玉置 そうした細かいところまで全部酔わないように調整しつつ、浮遊感や空を飛ぶというエースコンバット本来の楽しみは失わないようにしてます。
河野 あとは機体が今どんな状態で、どっちを向いてるかをプレイヤーが把握すればするほど酔わなくなるんですよ。なので、テレビやディスプレーで遊ぶ本編の方で操作の訓練をして、今これだけアナログスティックを回したらこれだけ機体が傾くという感覚を身につけていただくと、VRでもほぼ酔わなくなる。
玉置 実際、社外の第三者的なところで調査もしましたが、ほとんどの人が酔わない結果でした。ですから、PANORAさんの読者的にはVRから興味を持ったという人もいるかもしれませんが、エースコンバット自体もすごく面白いゲームなので、本編を遊んでからVRモードに戻ると、さらにその面白さが深まると思います。
河野 細かい話だと、本編では「ノービス操作」というアナログスティックを倒すだけで傾いて曲がれるゲーム的な動きの補正操作が入っているのですが、それを入れると酔うんです。自分の入力に対して違う動きになってしまうので、VR版では割り切ってオフにしています。
──そもそもの話、乗り物酔いしやすい人が、アクロバティックな動きをするリアルの戦闘機に乗ったら普通は酔うと思うんです。なのでリアルかどうかでいえば、酔う方がリアルなんじゃないかとか……。
玉置 でもエースコンバットのVR版では酔わなかった?
──はい(笑)。実際に戦闘機に乗ったことはないですが、飛行機とかの乱気流では酔うので……。
玉置 やはり「エースコンバット」の長い歴史の中で、歴代関わってきた多くのスタッフが心地よくなるような挙動を突き詰めてきていて、そんな「秘伝のタレ」が20年間積み重なってきた結果なので、やっぱり心地いいのかなって思いますね。
厳選した「本物のパイロット体験」
──VR版ならではの、「この演出がやりたかった!」という話を教えてください。
河野 そうですね。エースコンバット7自体はキャンペーンの本編があって、PS VR版はあくまでサービスになりますが、ユーザーは当然やりたい体験だろうと。じゃあどうつくるかという課題に向き合ったときに、ミッションを増やしてたくさんゲームできればいいのではという考え方もありましたが、最終的に選んだのは「本物のパイロット体験」でした。
──本物のパイロット体験!
河野 僕は個人的に「懐石料理」と呼んでいます(笑)。スタートすると、まずはハンガーにプレイヤーがいて、愛機の大きさをそのままお楽しみくださいと。それをご賞味いただいたら、空母からの発艦があります……といった感じで、パイロット体験のエッセンスを少しずつでも全てを詰め込みました。なので「超凝縮エースコンバット」とも言えます。
玉置 「本物のパイロット体験」は、全編を通じて軸をぶらさないようにするために決めたポイントです。例えば、最初のミッションの離陸シーンにおいて、目を開けたらもう空中に飛んでるというのが何でダメなのかという話で言ったら、それは本物のパイロットではなく、ゲームをいきなりやらされてる感じになってしまうから。パイロットだから、それは甲板に機体がリフトアップされるところから始まるし、ハンガーの扉が開いて進むところからでしょ……という風に制作していくんです。
機体や武器などを選択。
ハンガーで愛機のサイズをチェック。
もちろんきちんとコクピットに乗り込んで、計器類を眺めるシーンもある。
河野 最初のバージョンでは、登場する機体がくるくる回っていてを俯瞰で眺めるシーンがあったのですが、それも変だと思ってやめました。
玉置 本編をそのままVR化しちゃうと、かっこいい機体を俯瞰で眺めるカメラとか、自分が空中で戦うところを宙に浮いたカメラから見る演出とかを入れがちです。でもこれはVRをつくってる人なら常識だと思いますが、一人称視点の体験中に、三人称視点のシネマティックカメラを入れるのは没入感を落とす非常にダメなことなので、回避したんです。
河野 徹頭徹尾、一瞬たりとも「自分はパイロット」という錯覚を解くことを止めてくれっていう話をしました。だから変なカメラの演出に逃げずに、最初に機体を選んで、コックピットに入って……というシーケンスの「今乗りました」という感覚を残さないとダメだよって。最後にも「これはダメ」ってバッサリ切ったシーンもあります。
玉置 私に考えが至ってないシーンがひとつだけあって、そこがなくなりました……。まあ、それだけこだわっています。
──本当に厳選してるんですね……。まさに「懐石料理」だ。
玉置 ダメなやつをつくったら、陶芸家のように「ガシャン!」って叩きつけて割るみたいな。
河野 「あぁ、もうちょっと食べたい」っていうところまでそっくりなんですよね。懐石料理と(笑)。
玉置 色々なアイディアが詰め込まれています。
河野 よく「やり残したことはありますか?」って聞かれますが、未来のやってみたい話は置いておいて、プレゼンテーションとして今の時点で必要なことはやりきりました。本編があったうえで、VR版が丸々付いてるっていうのがすごいことだと思うんですよ。
下元 オマケとして始めたはずが、かけたコストとできあがったクオリティーは、オマケとは言いづらいものになっています。
──オマケなのに、本気でつくった「懐石料理」。
玉置 フルコースのおまけに懐石料理が付いてくるってどんな店だよみたいな。ちゃんとクオリティーも同じぐらい磨かれているし。
河野 早期購入すれば、そこに「エースコンバット5」までついてきますという。
──意味がわからないほどのやりすぎですね(笑)。
河野 どれだけユーザーが喜んでくれるかっていうのに挑戦しているんです。
初代エースの「飛んでるだけで楽しい」を昇華させたVR
──VR版で個人的なお気に入りのシーンを教えてください。
下元 僕は攻撃を受ける中での離陸のシーンが好きで、あれを初めて体験したときに、ただ飛び立っただけなのに「俺、エースパイロットだ……」って感じたんです。
その感覚って本当に久しくて、長いことエースコンバットに携わっていると、演出や音楽に目がいきがちで飛ぶことの楽しさを忘れてたなっていうのを改めて気づかされました。離陸しただけなのに、何でこんなにうれしいんだろうという。
走行しながらハンガーから出ると……。
敵機の攻撃を受けている真っ最中!
目の前で爆発する機体。はたしてこのピンチの中、プレイヤーは大空に飛び立てるのか!? ……という激アツなシチュエーションだ。
──わかります! あとは自分が感じたのは、上にいる敵を見上げて追跡できるところがいいなと。当たり前ですが、今まではプレイヤーの顔の動きに画面が連動できなかったじゃないですか。
河野 僕もその操作性は好きです。本編では、コントローラーの右スティックに首振りを割り当ていて、右を見たいときはスティックを親指で倒すと行動しますが、VRなら右を見たければ見ればいいんです。その直感的で楽じゃんってところが、一番好きです。見たいと思ったら、見りゃいいんだっていう気づき。玉置は好きなシーンあるの?
玉置 私はそもそも好きになりそうなシーンを厳選しているのでだいたいみんな好きなんですが、VRの積み重ねという点で話したかったのが、撃破されたときに煙が充満してきて……というシーンですね。あれは、自分が思いつけてうれしかったところです。
──といわれると?
玉置 当初はやられたらパッて煙が上がって即爆発して終了、って感じだったのですが、それにモヤっとした違和感を覚えたんです。そのときに頭の中に培ってきたVRの経験や知識がぶわーっと湧いてきて、「顔に近いものほどプレゼンスがある」法則を活用した上で、煙を顔面まで充満させるぐらいにいっぱいにしたら「クロスモーダル」(海の映像を見て潮の香りを想起するような、ある感覚から別の存在しない感覚が得られる現象)が起こると思ったんです。
──視覚的に煙を充満させることで、本当に息苦しくなるというかんじでしょうか?
玉置 そうそう! このやられて死ぬまでのシーンが10秒ぐらいあるんです。通常のゲームですと、やられたらすぐにチャレンジしたいので撃墜時の演出はコンパクトにします。「死にました、はい次」となったほうがゲーマーには支持されるんです。ですから反対意見もあったのですが、VRはそういうゲーム都合よりもっと演出すべき大事なものがあるということで、じっくり作り込みました。というわけで、10秒間で煙が段々充満してきて首まで上がって、火が出てくるようにしたらやっぱり息苦しくなりました。
VR ZONEにあるエヴァンゲリオンのLCLを充填するシーンと同じで、これはサマーレッスンじゃできなかった死の恐怖っていう概念を表現できるんだと感じたんです。このクロスモーダルの知識を結実できたのが個人的には一番気に入っているところです。
河野 死の恐怖が再現できたってヤバいね。
下元 ヤバい!
玉置氏渾身、死の恐怖を感じるシーン。
玉置 もうひとつあげてもいいなら、エースコンバットの遊びを普通にやってて面白いっていうシーンが多いんです。例えば、地上の敵を倒すために地上スレスレのところを狙っていくのって、バイクに乗っている感覚に近いというか、曲がりながら、傾きながら先を見る行為自体が、ジェットコースターやバイクでバンクを攻めるようにすごく楽しいんですよ。そうした発見すべき面白さってまだまだあるなと感じたことが記憶に残っています。
地表スレスレを飛びながら目標を捉えて発射!!!!
楽しい!
──最後に目指された「本物のパイロット体験」についてお聞きしたいのですが、シミュレーターのようなリアルよりなのでしょうか? それともゲームの演出のほうに力を入れた感じでしょうか?
河野 あくまでも根っこはエースコンバットなので、ゲームです。その感覚がぶれると、VRでも遊べなくなっちゃうんですよね。20年間培ってきて手になじんでいる操作性を大事にし、その根っこは一緒なんですけど、キャンペーンはストーリーや演出を強化してドラマに没入する方向、VRは細部隅々まで戦闘機体験の素材のよさを引き出す方向に枝分かれしています。
本編のようにストーリーやキャラクター、そのドラマの中でエースパイロットになっていくという体験を大事にしている人達も当然います。そしてVR版のように、本物の感覚で戦闘機を操縦するというプリミティブな面白さというのもある。VRの場合、突然会ったこともないキャラクターが目の前でしゃべり始めたりするのは、やっぱりわけがわからないし、演出として成り立たない。
玉置 そうですね。それを大事にしています。
河野 なので、キャンペーンのベストはVRのベストじゃないし、VRのベストはキャンペーンのベストじゃないと思っています。なので、このあと「エースコンバットどうしますか?」と聞かれたら、「どっち作る? また2本作る?」っていう話になります。
──先ほども飛ぶ体験の楽しさを再認識したという話もありました。
河野 そうですね。飛んでいるだけで、空から見ているだけで十分に楽しいです。1995年に出した初代のエースコンバットでユーザーが感じてくれた「飛んでるだけで楽しい」という原体験から、VRになったことでもうひとランク上がった原体験、出発点ができたという感じです。ぜひ本編を楽しみにしている方々も、PlayStation VRを入手してVR版を遊んでください。
(TEXT by Minoru Hirota)
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