スタンディの新形態!? 映画「キングコング:髑髏島の巨神」 髑髏島への突入を360度動画で体験
ワーナー・ブラザースは、3月25日から日本で公開予定の映画「キングコング:髑髏島の巨神(どくろとうのきょしん)」(原題: KONG: SKULL ISLAND )のPRに3D 360度動画を活用している。今回は、その取り組みを紹介しよう。
コング、デカイ、ツヨイ
「キングコング:髑髏島の巨神」は、1933年に公開された映画「King Kong」を始めとする「King Kong」シリーズの作品だ。太平洋で発見された謎の島「スカル・アイランド(髑髏島)」を調査するため、学者や軍人、カメラマンなどで編成された調査隊が島に踏み込むも、調査の過程で行った島の破壊に対してキングコングが激怒して、人間たちは窮地に追い込まれてしまう。さらに島にはコングだけでなく、大暴れする怪獣が何体もいて……というあらすじだ。
今回の全天球立体視動画は、映画のVFXチームも関わって作り上げたもので、体験時間は約2分。ヘリコプター編隊がスカル・アイランドに突入する最中、コングの攻撃によって機体が損傷、不時着するシーンを体験できる。
飛行していると、突如、遠方より木が飛来、僚機に突き刺さり炎が上がる。
木で撃墜された僚機に巻き込まれ、体制を崩した別の僚機が、自機にむかって突っ込んでくる。
暗転し、機体が地面に当たる大きな音がした後、周囲を見てみると、コングと仲間のヘリコプターが戦っている。しかし、そのヘリコプターもパンチで撃墜されてしまう。
その後、コングはこちらに向かってきて……。続きは自分の目で確かめよう。実際にVRゴーグルで見てみないと、コングの迫力は伝わりきらない。
今回体験した日本語字幕入りのバージョンもYouTubeで配信予定だが、すでに英語圏向けに同じ内容の動画が投稿されている。Google Cardboardに対応したモバイルVRゴーグルを所有している方はぜひ立体視モードで体験してみるべし。筆者としては、VR体験中に突然字幕が出現すると現実感が損なわれやすいので、日本向けとして制作するなら日本語吹き替え版バージョンがあるといいと感じた。
スタンディの新しい形態か?
今回は映画館のロビーに設置された、ヘリコプターを模したボール紙製の構造体の内部に座っての体験だった。使用するハードウェアは、サムスン電子製スマートフォン「Galaxy」シリーズを差し込んで使うVRゴーグル「Gear VR」だった。
関係者によると、各地の映画館やイベントに同様の体験コーナーを設置してPRに活用する予定とのこと。
取材中に一般の映画館利用者も体験していたが、叫んだり、VR体験する姿を記念撮影してもらったりと、なかなか盛り上がっていた。もともと映画館には、「スタンディ」と呼ばれるボール紙などでつくられた立体ポスターが設置されており、キャラクターと記念撮影することができるようなものもあった。このスタンディと簡易なVR体験システムを組み合わせることによって、アトラクション化されたことは驚きだ。
執筆時点で開催中の、クリエイティブコンテンツの祭典「SXSW 2017」では、映画「The Mummy」のプロモーションとして体感型筐体を利用したVR体験が展示されるなど、映画のプロモーションにVRが利用される事例も増えている。
プロモーション、そして映画そのものとVR関連技術がどのような融合をしていくのか目が離せない。
(取材・文:久道響太)
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●関連リンク
・キングコング:髑髏島の巨神
・KONG VR: Destination Skull Island (YouTube) (英語版全天球動画)
・SAMSUNG Galaxy Gear VR
・TOHOシネマズ