バンナム原田勝弘氏らが講演 シンポジウム「VRとAIが拓く新たな3Dの世界へ」開催
3Dコンソーシアムと映像情報メディア学会と立体映像技術研究委員会は、6月14日に東京国際フォーラム会議室にて、3D合同シンポジウム「VRとAIが拓く新たな3Dの世界へ」を開催する。バンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘氏をはじめ、VRやAI分野の最前線で活躍する開発者や有識者を講師に迎えた講演などが行われる。
仮想現実(VR)や人工知能(AI)技術の急速な発展と共に、これらを駆使した新たなコンテンツ制作も普及しつつある。今回開催される3D合同シンポジウム「VRとAIが拓く新たな3Dの世界へ」では、映像情報メディアの更なる飛躍の鍵を握っていると期待されるVRとAIの技術連携がどのように発展していく可能性があるのかを考え、立体映像技術の更なる発展と普及を考える。
PlayStation VRの技術デモ「サマーレッスン」のディレクター・プロデューサーであるバンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘氏をはじめ、VRやAIの分野で最前線で活躍する開発者や有識者を講師に迎えた講演などが実施される予定。
●3D合同シンポジウム「VRとAIが拓く新たな3Dの世界へ」講演内容
【仮想現実と人工知能が手を携えて進む、新たな3D技術の近未来図】
・講師:宮澤篤(3Dコンソーシアム 運営事務局 事務局次長)
・講演概要:
最近になってVRの考え方、学術的な位置づけが変化しつつある。中でも特徴的なのが人工知能(AI)技術との関連性であり、それは現実世界(3D)の中に人間が住み、それを取り巻く環境と言える。3Dという全体集合の中で、VRとAIは互いに補集合の関係になっている。将来的には、3Dという現実または仮想の世界で、AIとVRが車の両輪となって、新しいコンテンツ制作が加速する時代になると予測できる。3Dコンソーシアムのこれまでの取り組みがそれらの基盤になると考える。
【VRキャラクターを使ったコミュニケーション技術の未来とその実証例について】
・講師:原田勝弘(バンダイナムコエンターテインメント 部長/ゲームディレクター/チーフプロデューサー)
・講演概要:
PlayStation VRを用いた技術デモ「サマーレッスン」のディレクター/プロデューサーを務める講演者が、同プロジェクト立ち上げの経緯や技術検証中に気付いたこと、またVRコンテンツ開発における試行錯誤のエピソードを通じて、VRキャラクターの実在感やキャラクターとのコミュニケーション実現に向けた取り組みを伝える。さらに日本におけるVRコンテンツ普及やVRキャラクターを使ったコミュニケーション技術の未来についても語られる。
【身体感覚を再現するVR空間、人工知能、ゲームデザイン】
・講師:三宅陽一郎(スクウェア・エニックス テクノロジー推進部 リードAI リサーチャー)
・講演概要:
VR空間はユーザーの視覚・聴覚をはじめ、五感をVR空間と同期させ、ユーザーが構成する現実空間をVR空間と同期させる感覚をもたらす。VRゲームは、ユーザーの身体感覚である「身体保持感(sense of self-ownership)」「運動主体感(sense of self-agency)」「自己受容感覚(priprioception)」を引き出す点で、従来のスクリーンベースのゲームと異なる。これは内側から生きられる身体のイマージュが、新しくVR空間で再構成されることを意味し、同時に、同様の感覚をVR空間内の人工知能の身体に関してユーザーに想起させるため、VR空間内におけるキャラクターの身体は、スクリーンベースのゲームとは違った強い存在感をユーザーに対して持つようになり、ゲームデザインに大きな変更をもたらすと考えられる。講演ではVR空間内のユーザーの身体感覚と、人工知能の身体感、さらにゲームデザインの関係を解き明かして行く。
【IBM Watsonとその産業応用】
・講師:武田浩一(日本アイ・ビー・エム 東京基礎研究所 技術理事)
・講演概要:
IBM Watsonはもともと「Jeopardy!」というクイズゲームに挑戦するために構築されたシステムであったが、その後の実用化において音声・画像などのマルチモーダル情報の処理や、ロボットなどを想定した人とシステムとのインタラクションが強化されてきた。これまでの産業応用の概要を紹介し、仮想現実を含む今後の新たな技術によって実現できそうな応用について展望する。
【知覚心理学応用のススメ ―「見せる」から「魅せる」へ】
・講師:藤代一成(慶應義塾大学理工学部 情報工学科大学院 理工学研究科 開放環境科学専攻 教授)
・講演概要:
映像の最終消費者は人であるため、魅力的なコンテンツ生成には、人の知覚メカニズムの深掘りが欠かせない。この発表では、講演者が関与してきた研究開発事例を題材に、CG/VR/可視化において知覚心理学の知見を活用する普遍的効果について紹介する。
●3D合同シンポジウム「VRとAIが拓く新たな3Dの世界へ」 概要
・開催日時:6月21日 13:00~18:00
・参加料:無料(要事前登録)
・定員:80名(先着順、申込多数の場合は運営事務局が調整)
・会場:東京国際フォーラム会議室 G502
(東京都千代田区丸の内3丁目5-1)
・主催:3Dコンソーシアム、映像情報メディア学会、立体映像技術研究委員会
●プログラム
[13:00~13:30]受け付け
[13:30~13:35]開催の挨拶:堀越力(湘南工科大学、立体映像技術研究会委員長)
[13:35~13:50]宮澤篤 講演
[13:50~14:30]原田勝弘 講演
[14:30~14:35](休憩)
[14:35~15:15]三宅陽一郎 講演
[15:15~15:25](休憩)
[15:25~16:05]武田浩一 講演
[16:05~16:10](休憩)
[16:10~16:50]藤代一成 講演
[16:50~16:55](休憩)
[16:55~17:45]トークセッション「最新のAIとVR技術が近未来にもたらすもの」
[17:45~17:50]閉会の挨拶:今井孝一(3Dコンソーシアム事務局長)
●関連リンク
・参加申し込みフォーム
・3Dコンソーシアム 公式サイト
・東京国際フォーラム 施設詳細