いま「VTuber」を始めるならこれを使え! お手軽VTuber制作・配信サービスまとめ

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近年、急速に発展したバーチャルYouTuber(VTuber)界隈。昨今はVTuberたちのイベント出演や、地上波番組への出演なども増えてきており、以前よりもさらに広い層に彼ら/彼女らの存在が認知されるようになってきているといえるだろう。

そうしてVTuberの認知度が上がってくれば、自分自身でVTuberを制作することに関心を持つ人も、また増えていくことが考えられる。「自分もバーチャルキャラクターの姿で配信してみたい。でもどうすればいいのだろう?」と考えている人も少なくはないのではないだろうか。

 
「Blender」や「Unity」、「Live2D・FaceRig」などを使って、一からバーチャルのアバターを作ることは、専門的なスキルがなければ難しい。

しかし昨今のVTuberブームを受け、現在はバーチャルキャラクターでのライブ配信や動画制作を行うための機能を持つスマートフォンアプリやPCソフトウェアも多くリリースされている。

こうしたツールを使えば、より手軽にバーチャルキャラでの配信を行うことも可能だ。そこで今回の記事では、それらを用途別にまとめ紹介していく。VTuber制作に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてほしい。

 
なお、今回は既存モデルのカスタマイズやそれを使った手軽に配信ができるツールの紹介のため、専門的な3DCGソフトやゲームエンジン、アニメーションソフトなどの紹介は省いているので、ご了承いただきたい。

 

モデルカスタマイズから配信まで

まずは、アプリケーション内に「アバターとなるモデルのカスタマイズ機能」と、「そのアバターを使って実際にライブ配信を行う機能」を同時に搭載しているものを紹介する。モデル作製から配信まで簡単に行えるので、手っ取り早くバーチャルキャラ配信デビューしたいという人におすすめだ。

 
●カスタムキャスト

 
http://customcast.jp/

ドワンゴのアバター配信用スマホアプリ。顔や身体パーツ、衣装やアクセサリーなど、高クオリティかつ豊富なアバターアイテムが用意されており、色なども調整できるので、オリジナリティの高いアバターを作製することができる。ライブ視聴・配信アプリ「nicocas」と連携して、作製したアバターでライブ配信を行うことも可能。配信中はフリック操作で設定したポーズや表情を呼び出すこともできる。

 
●Mirattiv「エモモ」

 
https://www.mirrativ.co.jp/emomo

ライブ配信・視聴スマホアプリ「Mirrativ」内の、バーチャルアバター配信機能。自分でカスタマイズしたアバターキャラを使ってMirrativ上でライブ配信ができる。エモモで配信しながらスマホゲームをプレイすると、視聴者の画面にはゲーム中のアバターの姿が映し出され、アバターでのゲーム配信がスマホ1台で可能となっている。

 
●トピア

 
https://topia.tv/

きめ細かいアバターカスタマイズが可能なアバター配信・視聴スマホアプリ。体型や顔パーツの調整、衣装のカラー調整などが可能。顔認識でアバターの表情が動くので、まばたきやウインク、細かい口の動きなども再現してくれる。

 
●REALITY Avatar

 
https://le.wrightflyer.net/reality/

スマホでアバターをカスタマイズし、ライブ配信ができるアプリ。「REALITY Avatar」は配信専用アプリで、ライブの視聴は「REALITY」という別のアプリで行う。「REALITY」では有名VTuberの配信なども行われているので、アプリの知名度は比較的高い。

 
●GooMe


 
https://goome.jp/

スマホのカメラを使った独自のモーションキャプチャーと3D変換技術を用いたバーチャルライブ配信・視聴アプリ。アバターの髪型や顔、服装などのカスタマイズに加え、背景の配信ルームもカスタマイズできる。また、視聴者が自由にカメラをスワイプやピンチインアウト操作することができるのも特徴。

 

既存のモデルを取り込んで配信

次は、あらかじめ搭載されたプリセットモデルや、VRM形式などの3Dモデルを読み込んでライブ配信を行うことができるアプリケーションを紹介する。アプリケーション内でモデルのカスタマイズを行うことは出来ないが、外部で配布されているモデルや、自作したオリジナルモデルを利用しての配信もできる。

 
●バーチャルキャスト

 
https://virtualcast.jp/

ドワンゴが提供するPC用バーチャルライブ配信プラットフォーム。HTC VIVEやOculus RiftなどのVRデバイスを使って、バーチャル空間で本格的なアバター配信ができる。他人のスタジオに飛び込んでコミュニケーションできる「凸機能」や、コメントをバーチャル空間に出現させる機能など、ユニークな機能が豊富。3Dモデル共有サービス「ニコニ立体」からモデルを読み込んで利用することもできる。

 
●SHOWROOM V

 
https://itunes.apple.com/jp/app/showroom-v/id1440259867?mt=8

ライブ配信サービス「SHOWROOM」を提供するSHOWROOM社のバーチャルキャラ配信アプリ。プリセットモデルの他、3Dキャラ共有サービス「VRoid Hub」と連携しており、ここで共有されているキャラもアバターとして利用できる。読み込んだアバターに、カメラで認識した自分の表情を反映させたり、アプリ内のボタンで感情表現をすることも可能。

 
●cluster

 
https://cluster.mu/

バーチャル空間での様々なイベントや公演等を行うためのPC用プラットフォーム。個人でもイベントルームを作成することができ、ルームのURLをシェアすることで他の人が参加できる。ルーム内では、一般の参加者もアバターの姿となり、会場を移動することが可能。主催者だけでなく視聴者の様子が視覚的に見え、仮想空間内での臨場感のあるイベントが開催できる。

 
●vmeets LIVE!

 
https://broadcast.vmeets.io

2Dアバターでのコラボライブ配信に重点を置いたPC用ソフトウェア。Live2D形式のアバターを利用して、複数人でYouTubeや17 Liveでのコラボ配信を行うための機能がそろっている。配信前に参加者で集まって会議をしたり、手軽にコラボ用の配信画面レイアウトを整えたりすることが可能。現在、2月18日までαテストを実施中である。

 

●VRChat

 
https://www.vrchat.com/

バーチャル空間で他者との交流を楽しむことを目的としたソーシャルVRコンテンツ。このソフト自体は本来配信ツールではないが、アバターを用いて会話などができるため、画面をキャプチャーしてライブ配信や動画制作に利用することは可能。またVRChatはユーザーによる機能拡張が盛んに行われているため、ライブ配信のための機能などが利用できるようになる場合もある。

 

モデル作製やアニメーション制作

次は、アバターとなるモデルの作製や、モデルをモーショントラッキングなどでアニメーションさせ、動画を制作する際に便利な機能を持ったアプリケーションの紹介。単体でのライブ配信機能などは持たないため、これだけで配信デビューは出来ないが、後述のOBS Studio等を使ったり、作製したモデルを書き出して他のアプリケーションに読み込んだりなどをすることで、ライブ配信や動画制作も可能だ。

 
●Vカツ(モデル作製・モデルを動かす)

 
http://vkatsu.jp/

IVR社の「VTuber支援サービス」。現在Steamにて、PC向けに早期アクセスで配信している。豊富なモデルカスタマイズ項目、衣装やアクセサリーで、オリジナリティを追求したモデルを手軽に作製することができる。カスタマイズしたモデルはVRM形式で出力でき、またVRデバイスを使って、Vカツ内でモーションや表情をつけたアニメーションを制作することもできる。

 
●カスタムオーダーメイド3D2「バーチャルアバタースタジオ」(モデル作製・モデルを動かす)

 
http://com3d2.jp/main.html

PC向けアダルトゲーム「カスタムオーダーメイド3D2」内の、VTuber制作サポート機能。HTC VIVE等のVRデバイスを使ってモーショントラッキングができる。VR空間内で自分のアバターをカスタマイズし、撮影が可能。手元のVRコントローラーで表情や手のポーズも変えることができる。スタジオモードでは、背景のルームをカスタマイズすることもでき、トラッカーを使った全身トラッキングにも対応している。

 
●Hitogata(モデル作製・モデルを動かす)


 
https://sites.google.com/site/vhitogata/

Webカメラを使って顔を認識し、3Dモデルに動きを反映できるPC用ソフトウェア。上半身から頭までの動きと、口、眉、まばたきのトラッキングや、笑いを認識して3Dモデルに反映することができる。トラッキングしたモーションデータは、MikuMikuDance(MMD)のモーションデータ形式であるVMDファイルで書き出せる。FBX、VRM形式のモデルを読み込みにも対応。

 
●VRoid Studio(モデル作製)

 
https://studio.vroid.com/

ピクシブの提供する3Dキャラクターメイキングソフト。PC用。ペンタブレットを使って、イラストを描くように直感的にキャラの髪型をモデリングすることができる。また髪だけでなく、まつ毛や瞳など、3Dモデルに直接絵を描くようにテクスチャを塗ることも可能。作製したモデルは、VRM形式などで出力できる。

 
●セシル変身アプリ(モデル作製)

 
https://fantia.jp/posts/106140

VTuber「スズキセシル」ちゃんによる、PC用オリジナル3Dアバター作製ツール。Fantiaにてプロジェクトを支援することで利用できる。編集を行ったモデルは、VRM形式での出力に対応しており、商用利用することも可能。現在α版で、随時開発が進められている。

 
●FaceVTuber(モデルを動かす)


 
https://facevtuber.com/

ソフトのインストール不要で、Webブラウザ上で手軽に顔のトラッキングができるサービス。Webカメラを使って、顔の動きを3Dモデルに反映させ、それを録画して動画に書き出すことができる。任意の3Dモデルを読み込むことができ、モデル形式はMMD形式(pmd/pmx)、FBX、VRMに対応している。

 
●3tene(モデルを動かす)

 
https://3tene.com/

VRM形式のモデルに対応したPC用アニメーション制作ソフト。Webカメラによるトラッキングでまばたき、顔の向きなどをモデルに反映できるほか、カメラがなくても表情やアニメーションが付けられる。また、マンガのようなエフェクトをつけてアニメーションを演出することも可能。録画機能も搭載している。VRデバイスで全身トラッキングに対応した有償版「3tenePro」「3tenePro+Live2D」もリリースされている。

 
●Bot3D Editor(モデルを動かす)

 
https://www.bot3d.com/jp/

スマートフォンで手軽に3Dキャラクターのアニメーションを制作できるアプリ。モデルの関節を操作してポーズを自由に編集し、動きをつけることができる。またプリセットモーションも用意されているので、簡単にアニメーションを作ることも可能。音声を取り込めば、モデルが自動で口パクしてくれる。背景やカメラも設定して、動画に書き出しが可能。

 
●Wakaru(モデルを動かす)

 
https://store.steampowered.com/app/870820/Wakaru_ver_beta/
 

PC用のアニメーション制作ソフト。MMD(pmd/pmx)やVRM形式のモデルを取り込んで、Webカメラを使ったトラッキングで目や眉、口、頭の向きをモデルに反映させられる。また、マウスとキーボードを使ってリアルタイムで表情を操作したり、腕の動きなどのポーズを操作することも可能となっている。

 
●EVKI(モデルを動かす)

 
https://peraichi.com/landing_pages/view/evki

2Dで描かれたキャラクターを取り込み、アバターとして動画制作などを行えるスマホ用アプリ。アバターをカスタマイズする形式ではなく、既存のキャラクターイラストを動かす形で動画を作れる。テンプレートに従ってイラストを作製すれば、オリジナルのキャラクターをアップロードして動かすことも可能。

 
●ホロライブ(モデルを動かす)


 
https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%83%9B%E3%83%AD%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96-hololive/id1288450594?mt=8

カバーが提供するスマホ用のアニメーション制作アプリ。スマホカメラを利用して、顔の表情を認識し、キャラクターに反映することができる。背景を変更してグリーンバックなどにも出来るので、画面を録画して合成すること等が可能。

 
(以下は法人向け)

●AniCast(モデルを動かす)


 
http://www.xvi.co.jp/works/anicast/

エクシヴィの提供する、VRデバイスを用いたアニメーション制作ツール。大掛かりな機材やスタジオを必要とせずに、「自宅で1人でも配信やアニメ制作ができる」をコンセプトにしており、演者がVR空間でバーチャルキャラとして振る舞いつつ、カメラや背景などの操作までを行えるシステムを提供する。「東雲めぐ」ちゃんや、「輝夜月」ちゃんなどの生配信時にも使用されている。

 
●Virtualoid(モデル作製・モデルを動かす)


 
http://virtualoid.tokyo/

スマホで手軽にバーチャルキャラクターを用いた動画制作が可能なアプリ。カスタマイズしたアバターを、録音した音声でリップシンクさせることができる。アプリで動画の編集を行うこともでき、アバターでの現場レポートなどをその場で動画にして発信することができる。

 

定番の配信ソフト

最後に、VTuber用の配信ソフトというわけでは無いが、YouTubeやTwitchなどでのライブ配信においてよく使われる定番の配信ソフトにも触れておく。日本はもちろん、海外でも特に人気の配信ソフトが以下の2つだ。

 
●OBS Studiohttps://obsproject.com/ja

●XSplit Broadcasterhttps://www.xsplit.com/ja

 
これらのソフトは、単体ではバーチャルキャラクターのアバターを使うことは出来ないが、上記の「Vカツ」や「カスタムオーダーメイド3D2」、あるいは「Live2D+FaceRig」などのアバターを動かすツールと一緒に使うことで、バーチャルキャラ配信も可能となる。

また、これらはデスクトップの画面を録画して、動画として書き出す機能も備えており、アバターが動いている姿を録画して動画編集ソフトで編集することで、生配信ではない動画の制作も可能だ。

 
アプリ1つでアバターカスタマイズからライブ配信までできるものと比べれば少々ハードルは高いが、ライブ配信ソフトならではの豊富な機能を利用できたり、組み合わせるツールを選べたりと自由度が高いので、多少手間がかかってもこだわった配信がしたいならこちらもチェックしておきたい。

 

まとめ

個人制作としてVTuberを始めるのであれば、オリジナルのキャラクターを制作して、さらにそれをアバターとして動かせるように設定し、ライブ配信して動画も作って……などをすべて一人でこなすのは、相当な労力がかかる。人に依頼するにしても費用が掛かるし、そもそも必要な機材等を揃えるためのコストも必要だ。個人でのVTuber制作は、なかなかにハードルが高い。

 
しかし今回紹介したようなソフトを使えば、スキルが無くてもより手軽に、コストもあまりかけずにバーチャルキャラ配信を行うことも可能だ。また、他のVTuberの配信やアニメ/ゲームなどコンテンツに触れたり、面白い企画を考えたりと、別のクリエイティブなことに割ける時間も増えるだろう。

 
「VTuberデビューしたいけど、ハードルが高すぎて無理……」といったように考えていた人も、ぜひこうしたツールも活用してバーチャルの世界に飛び込んでみてはいかがだろうか。

 
(文 高橋佑司/編集 花茂未来

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