第21回日本バーチャルリアリティ学会大会、発表申込受付開始 岩田洋夫教授が語る学会の魅力
日本バーチャルリアリティ学会は、9月14~16日につくば国際会議場にて開催される「第21回日本バーチャルリアリティ学会大会」の発表申込受付を開始した。締切は6月17日。
20年に渡ってVRを学術的に研究してきた同学会による大会が今年も開催される。これにあたり、大会における発表申込の受付を開始。発表申込には学会ウェブサイトにてアカウントを作成する必要がある。論文は別途提出が必要で、こちらの締切は7月22日となっている。詳細や最新情報は大会ウェブサイトにて掲載されている。
●第21回日本バーチャルリアリティ学会大会
・会期:9月14日~16日
・会場:つくば国際会議場
・大会長:矢野博明(筑波大学)
・発表申込締切:6月17日
・発表原稿締切 :7月22日
・企業展示申込締切:7月22日
【6月17日(発表申込締切)までに必要な提出物】
– タイトル、概要、著者(原稿提出締切まで差し替え可能)
– 希望テーマ(発表申込締切以降の変更不可)
– 抄録集用論文概要(日本語の場合は200文字程度。原稿提出締切まで差し替えが可能)
【7月22日(原稿締切)までに必要な提出物】
– 抄録集用画像(発表論文に関する画像1枚)
– 電子媒体予稿集用PDF原稿(【口頭発表・技術展示・芸術展示】A4サイズ2段組、2-4ページ)
また先日開催された「VRクリエイティブ・アワード 2016」のトークセッションでは、日本バーチャルリアリティ学会の会長である筑波大学教授・岩田洋夫氏が、学会の活動や魅力、面白さを語った。その一部内容を抜粋して紹介する。
●日本バーチャルリアリティ学会は今年で20周年
1996年に発足。年に1回「全国大会」を開催し、論文誌を発行するなど、VRを学術的な領域にすることを目的とした活動を行っている。アートの領域との融合に関しては、おそらく世界でもっとも進んでいる。今年の「全国大会」は20周年記念大会にあたる。
●昔やりたかったことがほぼ出来る時代に
HMDの応用がかなり本格的になってきている。映像表現や首の動きに対する追従性など(20年目を迎えた学会から見て)技術的な問題が概ね改善され、昔こんなことができたらいいなと思っていたことがほぼできるようになってきた。
●「ハコスコ」は歴史を変えるイノベーション
「ハコスコ」は歴史を変えるイノベーションだと思っている。研究開始当初はHMDは安いもので300万円程度して、1000~2000万円は当たり前だった。リアルタイムにCGを描画するのにも1~2億円は掛かった。今はスマホをダンボール箱に入れるだけで(当時と同等のことが)できる。これは歴史が変わると思った。(大勢が一斉にVRを見るような体験が)当たり前のようになった。「VR元年」という言葉に値すると感じさせた。
●筑波大学に「エンパワースタジオ」という“秘密基地”がある
(大会が開催されるつくば国際会議場からほど近い)筑波大学には「エンパワースタジオ」という“秘密基地”がある。スタジオに来た人は皆「これヤバいね」と言うので、ぜひ足を運んでほしい。どれぐらいヤバいかは、日経電子版の映像に「鳥や巨人になれるラボ VRの可能性広げる」というわけのわからない映像があるので、そこでいかに“ヤバい秘密基地”かというのをご覧いただきたい。
・当該動画:鳥や巨人になれるラボ VRの可能性広げる 映像 日本経済新聞 電子版
(上記の映像が会場で紹介されると場内から笑い声)15m×10m×8mが全部立体スクリーンで、体育館の床と壁が立体映像という(ような感覚)。その中で(頑張って羽ばたいて)鳥みたいに飛んでいただく(※機器を装着した人間の羽ばたきと、巨大な機材、スタジオ全体に広がる映像がリンクしている)。かなりカッとなって作った(笑)。9月(の大会期間中)に100名をツアーとしてスタジオに招待したいと思っている。
5mの巨大ロボットになった感覚を味わえる体験デモンストレーションは、今夏の「シーグラフ」(世界最大級のCGに関するカンファレンス)に展示予定なので、会場に行く方はぜひ乗ってほしい。(5mという高所でのVR体験だが)安全性は完璧。怖いけど安全はVRの本質でもある。
●関連リンク
・第21回日本バーチャルリアリティ学会大会 ウェブサイト
・日本バーチャルリアリティ学会 ウェブサイト