2日遅れの最高のバレンタイン！「奏天まひろ 1st VR LIVE＆アフターファンミーティング」レポート

2019年02月28日 16:272019年02月28日 16:28 takahashiyuji バーチャルYouTuber, レポート

エイベックスがプロデュースする初のバーチャルアーティストである「奏天まひろ（かなめまひろ）」ちゃんは、2月16日、自身初となるVRライブ「奏天まひろ 1st VR LIVE ～VRからこんばんまひ～」を、VRライブプラットフォーム「VARK」にて開催した。

宇宙一のバーチャルアーティストを目指し、歌やダンス、生配信などの活動に励んでいる奏天まひろちゃん。昨年10月には、東京渋谷にてライブイベント「奏天まひろのベントライブ！～ベントラしてたらJKが来たので一緒にパラパラ踊ってみた～」を開催し、同イベント内ではオリジナル曲「WONDERLAND」も披露した。

バーチャルアーティスト・奏天まひろ、渋谷でeggモデルとライブ開催　avex所属も明らかに

また10月には、東京・秋葉原にて開催されたライブイベント「バーチャルエンタス」に出演し、「東雲めぐ」ちゃん、MonsterZ MATE「コーサカ」さんらと共演。

そして12月からは、自身のYouTubeチャンネルに「燈舞りん」ちゃん、「音葉なほ」ちゃん、「鈴鳴すばる」ちゃんの3人を仲間に加え、「まりなすチャンネル（仮）」として活動を開始。新たな一歩を踏み出し、活躍の幅を広げている。

今回は、そんな彼女による初めてのVRライブ、さらにライブ後に開催されるアフターイベントのVRファンミーティングの、双方に参加することができた。この記事では、両イベントについてレポートしていきたい。

VARKとは

今回ライブを開催する会場となったのは、VRライブプラットフォームの「VARK」。PC等に接続する必要がなく、スマホも利用しない一体型のVRゴーグル「Oculus Go」を使って、バーチャルタレントのライブが楽しめるアプリケーションである。

以前「VARK」でのライブに参加した時は、VRであることを存分に活かした多彩なライブ演出が印象的だったこともあり、今回のライブ演出にも期待が掛かる。

また「VARK」ではライブ中の機能として、拍手をしたりペンライトを振ったりして盛り上げることができ、定型文のコメントでメッセージを送ったり、有料のギフトアイテムでライブを演出したりすることも可能だ。詳細な機能の紹介は、こちらの記事を参照してほしい。

なお今回のライブでは、バレンタインらしいチョコレートのギフトアイテムがあったり、まひろちゃんの配信等でおなじみのコメントが定型文に揃っていたりと、ギフトやコメントが本ライブ専用のものにカスタマイズされていた。

▲ギフトアイテムに「チョコレート」

▲コメントもまひろちゃんのライブ専用のものになっている

キレッキレのダンスが目の前で！「奏天まひろ 1st VR LIVE」

VRライブの開演時間は、19:30。VRライブ会場への入場は19:00から始まっており、筆者も19:00を少し回ったころに会場に入った。

すると目に飛び込んできたのは、ステージに投げられる大量のチョコレート。観客からのギフトアイテムが、ライブ開始前から次々にステージへと投げ込まれていた。

▲ライブ開始前から飛び交うチョコレート

恐らく本日、世界一チョコレートをたくさん貰った女の子はまひろちゃんなのではないだろうか。

そんな様子を眺めているうち、開演時間の19:30を回る。ステージスクリーンでカウントダウンが開始され、カウントがゼロになると、いよいよまひろちゃんの登場である。

●WONDERLAND

第1曲目は、なんといってもこの曲。奏天まひろちゃんのオリジナルソング「WONDERLAND」だ。まひろちゃんといえば、キレキレぬるぬるのダンスが持ち味。今回のVRライブで、そんな彼女のダンスパフォーマンスにも注目が集まっていた。

ステージに背中向きで現れたまひろちゃん。曲が流れ、彼女が踊り出すと、イントロ部分から早くもそのダンスに引き込まれてしまった。思った以上にキレキレでダイナミックな動きが、VR視点で、目の前で繰り広げられたのである。

▲開幕からキレキレのダンスを披露！

▲VRライブらしい演出も

「WONDERLAND」の激しく、スタイリッシュな曲調に合わせ、歌いながら踊るまひろちゃんの姿は、可愛いだけでなくかっこよさも兼ね備えた見事なライブパフォーマンス。

VRならではの光やエフェクトの演出と相まって、オープニングを華々しく飾った。

▲ちなみに、この曲の時の背景ライトのカラーは、「まりなす」のメンバーをイメージした4色になっている。こういった細部のこだわりというか、バーチャルタレントへの「愛」が詰まっている部分もVARKライブの面白い点の1つに感じる。

そうして1曲目が終わると、次はMCタイムへ突入。まひろちゃんが「こんばんまひ～！」とあいさつすると、コメントでもライブの参加者から挨拶が返される。

「みんながいる～！」と初VRライブの様子に感動したり、贈られるギフトアイテムやコメントに飛び跳ねながら無邪気に喜ぶ姿が実に可愛らしい彼女。

VARKの観客の姿を「コナンの犯人みたいですね……って言えって台本に書いてあった」とおどけてみせるなど、楽し気な様子が伝わってきてこちらも自然と楽しい気持ちになる。

▲確かに発覚前のコナンの犯人（全身真っ黒の人影）っぽくも見えるが、ペンライトを振って盛り上がる犯人たちというのもなかなかシュールである。

そうしてMCの時間を終えると、次は2曲目を披露することに。2曲目は、アニメ「マクロスF」の劇中歌「星間飛行」だ。「知っている方も多いと思うので、一緒に歌ってくれたら嬉しいです！」と語り、再びまひろちゃんの歌とダンスがスタートする。

●星間飛行

2曲目に披露されたのは、アニソンの名曲「星間飛行」。宇宙一のバーチャルアーティストを目指す彼女にとって、この曲は色々な意味でピッタリの一曲だ。

この曲で驚いたのは、「心が光の矢を放つ」という歌詞の場面で、まひろちゃんが実際に矢を射るようなポーズをすると、指先から光の矢が放たれるという演出。曲の歌詞に合わせて専用の演出をつけるという趣向を凝らしたパフォーマンスに、筆者は思わず「おお！」と感嘆の声が漏れた。

その他にも、歌の途中で一瞬のうちにステージが切り替わり、宇宙に浮かぶ特設ステージが現れるなど、VRライブならではのド派手なビジュアル演出が満載で、これには観客たちも大いに盛り上がったこと間違いなしだろう。まひろちゃん自身も、このライブ演出には大興奮の様子だった。

▲まひろちゃんが矢を射るようなポーズをすると……

▲指先から光の矢が発射！ほんとに放っちゃったよ……！ちなみにダンスの振り付けはまひろちゃん自身が担当しており、この演出はそれに合わせたもの。

▲曲の大サビの部分では、星が降り注ぐ銀河を背景にした特設ステージに。VARKでこのステージを見るのは2回目だがやはり綺麗だ。ここで歌い踊るまひろちゃんの姿もとてもよく映える。

ここまで2曲目を終えたまひろちゃん。ここで彼女は、ライブの定番である観客とのコール＆レスポンスに挑戦する。

VARKの機能を使って、まひろちゃんの問いかけに拍手で応えるというものだ。まひろちゃんが「盛り上がってますかー!?」と観客に向かって問いかけると、観客席からは大きな拍手が返される。しかし、彼女はそれでは物足りなかったらしく、「みんなそんなものなの？」と客席を煽る。

▲客席に呼びかけるまひろちゃん。

再び「盛り上がってますかー!?」と問いかけると、今度はさらに大きな拍手が会場に響き渡り、さらに続けて「この後も盛り上がってくれる人ー!?」問いかけにも大きな拍手が返ってきた。さすがライブを盛り上げるのが上手い。

会場のボルテージも最高潮といったところで、お次は3曲目の披露。楽曲は人気ボカロ曲「エイリアンエイリアン」だ。

●エイリアンエイリアン

まひろちゃんの「侵略したいと思いまーす！」という宣言を皮切りに流れ出す「エイリアンエイリアン」。この曲も前の「星間飛行」同様、まひろちゃん自身が振り付けを行ったとのこと。彼女が大好きな「ときのそら」ちゃんの歌ってみた＆踊ってみた動画も参考にした振り付けなのだとか。

▲3曲目は「エイリアンエイリアン」。

▲振り付けはまひろちゃんのオリジナル。ときのそらちゃんの動画なども参考にしているとのこと。

▲【侵略されて】エイリアンエイリアン歌ってみた – ときのそら【踊ってみた】

そしてVARKのVRライブでこの曲といえば、思い出すのはYuNiちゃんのクリスマスライブで見られた必殺の「ガチ恋距離」演出。曲の途中でバーチャルタレントが手が届きそうなほどすぐ目の前に現れて歌うという破壊力抜群の演出だ。

もしかしたら、今日もあの演出が見られるか……？そんな期待も抱えつつ見守っていると……やっぱりきた！

▲必殺のガチ恋距離！今回のライブでも見られた！

ダンスと歌で盛り上げ、さらにガチ恋距離で観客を魅了した「エイリアンエイリアン」。実はダンスのなかで、バランスを崩して転びかけた場面があったのだとか。しかし筆者にはそれらしいところは確認できず」、完璧なパフォーマンスに見えた。

こうして3曲目も終了し、再びMCの時間。ここでまひろちゃんがバレンタインの話題に触れていく。すると観客席から怒涛の勢いでチョコのギフトアイテムが投げ入れられ、「どうしよう、人生で一番モテてんなコレ」とまひろちゃんも嬉しそうな様子。

そんなモテモテのまひろちゃんから、逆に「皆さんはチョコを貰えました？」と質問が。「チョコもらった人は拍手ー！」と彼女が呼びかけると……会場が……静かに……。

▲静まり返る会場にまひろちゃんも察した様子。今年のバレンタインデーはチョコを貰う日じゃなくて推しにチョコを渡す日だから……（震え声）。

しかしもしかしたらまひろちゃんからチョコのプレゼントが……！そんな淡い期待を抱いていたのは筆者だけではないと思うが、ここで「私が皆さんのためにチョコをご用意しようと思ったんですが、ちょっとダメですって言われちゃって……」と悲しいお知らせが告げられる。

しかしチョコは渡せないが、その代わりにまひろちゃんが歌とダンスでバレンタイン気分をプレゼントしてくれるとのこと。健気だなぁ……。

そんなやり取りの後、4曲目の前に、まひろちゃんから再びコール＆レスポンスがやりたいという提案が。なんでもライブでよくある「アリーナのみんなー！ 2階席のみんなー！」といった感じのやり取りがやりたいのだとか。（VARKには2階席は無いと思うが、そこは気分の問題ということで）

▲客席に呼びかけるまひろちゃんその2。

「VARKでご覧のみなさーん！ YouTube Liveでご覧のみなさーん！」と順々にまひろちゃんが呼びかけていくと、ペンライトを振ったり拍手をしたり、コメントをしたりと各々の方法で応えていく。

また、まひろちゃんが「スタッフー！」と呼びかけた際には、彼女の後ろからスタッフさんの生声？で歓声が。現場の方も楽しげな様子。

「皆さん、最後までついてこれるかー！」と全力で盛り上げるまひろちゃんに、会場の盛り上がりも最高潮。最後となる4曲目は、Perfumeの定番バレンタインソング「チョコレイト・ディスコ」だ。

●チョコレイト・ディスコ

バレンタインといえばこの曲といっても過言ではないほどの定番曲。この曲は、まひろちゃんと同じバーチャルアーティストグループ「まりなす」のメンバーである燈舞りんちゃん、鈴鳴すばるちゃんと共に、YouTube動画で歌とダンスを披露している。

VRライブの今回はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか注目であったが……ここでなんと会場のセットが大きく変化。例えるならば「お菓子の家」とでも言えるような、バレンタインを意識した可愛らしい空間へと一瞬にしてチェンジした。

▲今回のライブのために制作されたという特別なセット。空中にはグミが舞っている。

▲天井はこんな感じ。このリボンはまひろちゃんもお気に入りなのだとか。

もちろん、まひろちゃんの最後まで全力なダンスパフォーマンスも必見だ。約30分のライブのなか、イキイキと動き続けた彼女の姿は本当に見事というほかない。

▲最後の曲も、キレキレなダンスで踊り切った。

▲まりなすの2人との歌ってみた＆踊ってみた動画はこちら

そしてついに、4曲目の「チョコレイト・ディスコ」も歌い終わり、今回の本公演のプログラムは終了。この後はチケットを購入した人は「アフターファンミーティング」に参加できるが、「奏天まひろ 1st VR LIVE」はここでお開きとなる。

最後は、まひろちゃんと一緒にUFOを呼び寄せる呪文「ベントラー、ベントラー、スペースピープル……」を一緒にやって終わることに。今回、定型文コメント内にこの呪文があるので、みんなで「ベントラー」してお別れという形になった。

▲皆で一緒に「ベントラーベントラー！」

▲ライブ　YouTubeアーカイブ

なお、ここまでレポートしてきた「奏天まひろ 1st VR LIVE ～VRからこんばんまひ～」の様子は、2曲目～3曲目の部分を除いてYouTubeのアーカイブ動画で見ることもできるので、気になった人はぜひチェックしてみてほしい。

最後にまさかのプレゼント……！「奏天まひろのVRライブアフターミーティング！」

さて、VRライブがいったん終了し、アフターファンミーティングは20:30からのスタートとなる。上記の「1st VR LIVE」は無料のイベントで、こちらはチケット（2000円・200VARKコイン）を購入した人のみ参加可能である。Oculus Goを充電し、準備を万端にしてから、VR会場へ入場する。

本日2回目のカウントダウンを見て、ステージに再びまひろちゃんが登場。会場は、先ほど「チョコレイト・ディスコ」でみせた特別仕様のセットだ。

▲再度まひろちゃんがステージに登場！

アフターファンミーティングでは、まひろちゃんのトークをメインにイベントが進行されていき、本日のVRライブの感想などを語った。

その中で感慨深く感じたのは、今回のVRライブでは、「“まひろちゃんの世界”にファンの側から会いに行った」という形のライブを初めて経験した、という話だ。

今までまひろちゃんは、渋谷の「奏天まひろのベントライブ！」秋葉原の「バーチャルエンタス」などのリアルライブイベントに参加してきたが、これは“リアルの世界“にまひろちゃんの側から赴いた形。

対して今回のVRライブはそれとは逆の形となる。まひろちゃんに会うためVRの世界にファンがやってきてくれたことが嬉しいと、彼女は語ってくれた。そりゃあ機会さえあればいつでもこちらから行きますとも。

それにしても、こうしてリアルの世界に来てくれたりバーチャルの世界に赴いたり、次元の壁って結構簡単に超えられる時代になったんだなぁ……。そんなことを改めて感じた言葉だった。こうした場を作ってくれたVRライブプラットフォームに感謝しつつ、さらなる発展を願いたい。

その後ライブの感想を話しているうちに、まひろちゃんはまた踊りたくなってきた様子。曲なしでダンスを披露し、観客になんの曲か予想してもらうという交流を行う。といってもVARKでは曲名をコメントしたりは出来ないので、分かった人はコメントで「ノ」と挙手することに。

▲この独特の振り付けは……人によっては最初の仕草だけでわかったのではないだろうか。

▲コメントもかなり分かった人が多そうだ。

正解は、「太陽系デスコ」。この曲は、まひろちゃん自身ｍｏYouTubeの動画で歌と踊りを披露している。

▲【MV】【全力で歌ってみた】太陽系デスコ- ナユタン星人(Cover) / 奏天まひろ[Vtuber]【ガチで踊ってみた】

アフターファンミーティングでも、まひろちゃんはファンとの交流を楽しんでいる様子だ。

その後は、ファンからのお便りコーナー。ファンから届いたメッセージをここで紹介するものだったのだが……このお便りの内容があまりに温かい応援メッセージばかりで、普段は元気いっぱいなまひろちゃんもこれには少し涙声に。

お便りは、デビュー当初～VARKのライブ開催まで、「ファンになった時期別」に分けられて紹介していたのだが、好きになった時期なんて関係ないとばかりにどれも良いメッセージばかりで、思わずこちらまでホロリときてしまった。

「かなめんばー（まひろちゃんのファン）」の思いはきっとまひろちゃんにも伝わったことだろう。

そんな感動的な一幕もあって、アフターファンミーティングの時間もついに終了の時間に。

まひろちゃんは、今後「まりなす」でもVRライブをやりたいと語っており、燈舞りんちゃん、音葉なほちゃん、鈴鳴すばるちゃんと4人そろってのVRライブもぜひとも見てみたいところだ。

かなめんばー達と一緒に、彼女たちはこれからも宇宙一のバーチャルアーティストの道を駆け抜けていくことだろう。奏天まひろちゃん、そして「まりなす」のこれからの活躍を、筆者としても応援していきたい。

#奏天まひろVRライブそして、活動開始から半年。
大好きなみなさんへ、
お礼の気持ちを書いたのでちょっと長くなっちゃったけれど読んでもらえると嬉しいです🙌 pic.twitter.com/QPMmQGfZUc

— 奏天まひろ🙌@4/6開催「TUBEOUT！vol.2」チケット発売中！！ (@KanameMahiro) February 17, 2019