「アダルトVRフェスタ」レポート 親和性の高さからすれば当然の融合
12日、日本初となるアダルトVRフェスタが開催された。既報の通り、想像以上の注目を集めた結果、会場のキャパシティを超えてしまい、8月により大きな会場で開催する予定との発表が出ている。一般入場前にプレス・関係者向けとして展示内容をチェックすることができたので、そのレポートをお送りしよう。
会場前の歩道だけでなく、道路にまで列ができていた。ほどよく歩行者天国の時間帯だったが、妙に人口密度が高くなっていた。
VRへの追加要素して徐々に環境が揃いつつあるものとしてフィードバックの拡張がある。おさらいしておくと、視覚と聴覚に刺激を与えることで、仮想空間におけるクロスモーダル知覚で、実行されていないフィードバックを得ることができる。これは体験した読者も多いだろう。
アダルト方面は、ことフィードバックについては先端であり、貪欲だ。ゲームと連動する男性用グッズ、遠距離恋愛中の恋人同士の動きを同期させる小道具などがいい例だろう。このフィードバックの部分的自動化から完全自動化という流れの途中にVRが登場したわけで、不思議な進化自体はVRがどうとか言われる以前に始まっていた。
そういった背景からすると、VRとの融合は必然ともいえるし、筆者だけでなく、HMDでマーベラスな動画を見ながら、ソロライブ用ハードウェアを使用したこと人はいるハズ。そうでなくても想像しやすいのも注目の理由ではないだろうか。
アダルトVRフェスタは「いまこれくらいの状況」といった内容で、イベント自体は手作り感満載だった。それに対しての来場者数、女性客の多さも含めると、なにかロマンを感じている人が多いようだ。このあたりは体感ゲームの進化だけでなく、Technologyが身近になっているのも大きい。しかし、VR自体はまだ手探りの部分が多いし、導入コストの問題もある。
少し前置きは長くなってしまったが、「まず体験してもらう」ことが重要である。周知の通り、いざVRを楽しみたいと考えると導入コストが高く、またコンテンツの導入にもある程度の知識が必要である状態だ。その部分をよりお手軽に体験できるようにと展開しているのが「ポケットVR」だ。GearVRやOculus VRに対応しており、PICOなどへの対応も予定されている。また会場では、組み立て式のグラスも配布しており、手軽に楽しめる部分をアピールしていた。
さて、ポケットVRは「VR+1D」という冠をもっている。これはVR向け動画にフィードバックを追加するというもので、VR+1Dのロゴマークがある動画には対応する機器への信号も同梱されている。シーンに合わせて男性用グッズが動作するといったものだ。当然ながら没入感はより高くなる。コンテンツ数も多い。詳細については、AdultfestaTVを見てほしい。
A10サイクロン SA。
U.F.O. SA。乳首用の製品。AdultfestaTVには対応した動画も存在している。
MAIKO-DOS。
PICO Oneは、スマホ使用するタイプで、専用アダプターを用意することで、5インチ前後のスマホのほとんどに対応する模様。
PICO Neoはコントローラー付きのもので、コントローラー内部にSnapdragon 820を搭載する。国内での販売は2016年内で、価格はまだ不明だが、6〜7万円台には収めたいとのことだ。
メーカーだけでなく、有志の集まりである「アダルトVRの会」の個人レベルで参加しているブースもあったので、気になったものを見ていこう。小物として目立ったのは「Leap Motion」だ。2012年に登場し、一瞬だけ話題になったがその後沈黙、VR対応で再び脚光を浴びている。メリットとしては、HTC Viveのようなコントローラーがなくても、手の位置を取得させたり、仮想空間上のオブジェクトにタッチしたりできる。
DK1にLeap Motionをマウントして手の位置を取得する仕様。
手を伸ばすと画面内の手も連動する。キャラクターはImagineVRのImagineGirlsアイリス(関連記事)。改造やアプリ開発用としてPMXやmqoデータを用意している。
VRシス暗黒教氏のハコスコを改造したグラス。マーカーを取得して楽しむもの。アウトカメラを利用して手の位置も取得している。
マーカーはイラストデータを採用していた。
ゲスの極みエンジニアでは、風速60kmで胸の触感が再現されるVRシステムを展示していた。Leap Motionで手の位置、状態を取得し、ボックス内部に連動した送風機が動作して、胸の触感を得られるという力技具合が気持ちいいシステムだ。
デモ画面。
一部撮影禁止のブースもあったが、少し先の未来がよくわかる展示が多く見受けられた。ポケットVRについてはすでに実現済みのことばかりで、普及を考える段階に入っていると、ほどよく現在のVR事情がわかるものになっており、参加していたディーラーたちの今後の動向が気になるところだ。
冒頭で記しているように、次回はより大きな会場で開催するとのことなので、バッテリー切れ問題や順番待ち対策などをして、より楽しめるイベントにしてほしい。
(TEXT by Yuki Hayashi)
●関連リンク
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