【超会議2019】今年はVTuber関連ブース盛りだくさん! 平成最後の「超歌舞伎」もレポート
4月27日・28日にかけ、2012年より毎年幕張メッセで開催しているniconicoの総合イベント「ニコニコ超会議」が、今年も開催された。
今年の超会議では、幕張メッセの第8ホールをまるまるVTuber関連のエリアとして、ブースやステージを設置する「VTuber Fes Japan 2019」を開催するなど、VTuberに関する出展には昨年よりさらに力が入っていた印象だ。
人気VTuberが多数出演し、トークやライブなど行うステージ「VTuber Special Stage」を筆頭に、PANORAが主催する「会える! 話せる! VTuberおしゃべりフェス in 超会議」や、バーチャルライブアプリ「IRIAM」のVライバーたちと1対1で話せる「IRIAM超バーチャル握手会」など、様々な催しが行われていた。
▲第8ホールをまるごと使用してVTuberの祭典「VTuber Fes Japan 2019」を開催。
PANORAでは、一部ブースについてはそれぞれ個別に記事を掲載しているが、この記事ではその他のVTuber関連ブースについて、まとめて紹介する。
また後半では、例年本イベントで開催してきた、AR技術と歌舞伎が融合した「超歌舞伎 in ニコニコ超会議2019」の様子についても紹介する。
盛りだくさんのVTuber関連ブースを紹介
超ⅡⅤブース supported by グリーン ダ・カ・ラ
ドワンゴ発のオリジナルIPブランド「ⅡⅤ(トゥー・ファイブ)」の作品展示などを行うブース。このブースでは、ⅡⅤ発のコンテンツに関する展示や物販を行った他、VTuber「アメノセイ」くんと、「燦鳥ノム」ちゃんのステージライブなど、様々な企画を実施していた。
●アメノセイ&燦鳥ノム出演のライブステージを開催
▲ブース内のディスプレイでは、時間帯ごとに異なる内容でライブを実施。写真は27日のトークライブ時の様子。
▲このライブでは、ブースで公式コスプレイヤーのえい梨(@kaorokuri)さんが参加。2人と掛け合いを披露し、その後は撮影タイムも。
▲また、作家の時雨沢恵一さん、蒼山サグさん、ハセガワケイスケさん、田口仙年堂さんや、イラストレーターのしぐれういさんなど、豪華クリエイター陣のトークショーやライブペイントも実施した。なお超ⅡⅤブースでのライブの様子は、ニコニコ生放送で配信も行っている。
<放送ページ>
・【超ⅡⅤブース_ステージ中継 supported by グリーン ダ・カ・ラ】@ニコニコ超会議2019[DAY1]
・【超ⅡⅤブース_ステージ中継 supported by グリーン ダ・カ・ラ】@ニコニコ超会議2019[DAY2]
●サントリー「グリーン ダ・カ・ラ」と燦鳥ノムオリジナルステッカーをプレゼント
▲ブースで燦鳥ノムちゃんのYouTubeチャンネルを登録するか「グリーン ダ・カ・ラ」のInstagramアカウントをフォローした人には、会場で「グリーン ダ・カ・ラ」とオリジナルステッカーをプレゼントするサービスも実施。
●放て! 矢文ゲーム
▲アメノセイくんの「サイン色紙」など、的の当たった位置によって様々な景品がもらえる「矢文ゲーム」も設置していた。的に向かって投げるのはどう見ても吸盤付きのボールだが、アメノセイくんにちなんでこのボールが「矢文」ということになっている。
▲景品一覧
●物販コーナーやフォトスポットも
▲その他にも、超ⅡⅤブースでは物販コーナーも設けられていた。アメノセイくんと燦鳥ノムちゃんのグッズは、初日分はかなり早い段階から売り切れていたものが多かった。
▲2人のパネルが設置されたフォトスポットも。その隣には……
▲「アメノセイののぞき穴という」謎の穴が。覗いてみると、準備中らしいアメノセイくんの姿が見えた。
バーチャルカラオケ Supported by JOYSOUND
「バーチャルカラオケ」ブースでは、VR端末を使って手軽にバーチャルキャラクターになりきり、仮想空間内で生放送を行うことができる「バーチャルキャスト」と、カラオケ「JOYSOUND」を用いたカラオケ大会を開催した。
ブース内にカラオケルームが設けられており、整理券を貰った参加者はルームに入室して、VRデバイスを装着して歌を歌う。「バーチャルキャスト」によって、歌っている時の動きがスクリーン上のキャラに投影され、歌声はそのまま本人のものが流れるという形だ。
会場には大型のスクリーンとスピーカーが設けられ、アバターを身にまとって十八番の曲を熱唱するユーザーたちの姿を大迫力の映像で見られた。
▲美少女アバターの姿でデスボイスを披露する人など、キャラの濃い参加者がたくさん。
▲参加者は一般の人たちだが、中にはとても素人とは思えない美声を響かせる人もおり、思わず足を止めて聴き入っている人も見受けられた。
なお会場スクリーンと同じ映像は、ニコニコ生放送にてライブ配信も行われた。
<放送ページ>
・バーチャルカラオケ Supported by JOYSOUND@ ニコニコ超会議2019[DAY1]
・バーチャルカラオケ Supported by JOYSOUND@ニコニコ超会議2019[DAY2]
「XRエンターテインメント」ブース
XRエンターテインメントでは、あいち観光バーチャルサポーター「キミノミヤ」ちゃんと、中京テレビのVTuberアナウンサー「大蔦エル」ちゃんのブース出展を行っていた。
設置された大型の液晶パネルに、キミノミヤちゃん、大蔦エルちゃんが現れ、彼女たちとおしゃべりしたり、記念撮影をしたりすることが可能だ。また、グッズ販売コーナーでは、2人のポスターや、ミヤちゃんの相棒であるココンの缶バッチなども販売していた。
▲大型液晶には、キミノミヤちゃんもしくは大蔦エルちゃんが登場。
▲彼女たちとおしゃべりや記念撮影ができる。
▲ブースでは、グッズも販売も行っていた。こちらは販売していたポスターと缶バッチの写真。
【NTT研究所×ヒメヒナ電子分体研究所】VTuberなりきりAI計画 出張所
VTuber田中ヒメちゃん、鈴木ヒナちゃんの「なりきりAI」との会話を体験できるブース。プロジェクト参加者が入力した「ヒメヒナならこう答えるはず!」という会話データを集め作成された2人のAIが、訪れた人の質問などに答えてくれる。
▲設置されたキーボードを使ってメッセージを入力すると、2人のAIがそれぞれ反応。
▲パネルに映ったヒメヒナちゃんがアクションしながら、人工音声で答えを返してくれる。
その他のブースでもVTuberが活躍
また第8ホールの「VTuber Fes Japan 2019」外のブースでも、今年の超会議では様々なブースでVTuberたちが登場した。第3ホール「ニコニコカーブース supported by SUZUKI」では、人気バーチャルライバーグループ「にじさんじ」のメンバーが登場し、「VTuberお悩み相談」を実施していた。
▲「ニコニコカーブース」では、にじさんじメンバーの「VTuberお悩み相談」を実施。筆者が訪れた時は「ジョー・力一」さんが出演中だった。
▲相談者は、バーチャルキャストカー(スペーシアカスタム)に乗り込んでバーチャルライバーとお話しする。
また第5ホール「超bilibili」ブースでは、「ホロライブ」メンバーを中心としたVTuberたちの生放送を特設の大型スクリーンで見ることができる「Vupステージ」を設置するなど、様々なブースでVTuber達が活躍している様子が見られた。
▲「超bilibili」ブースの様子。
▲このブースではホロライブやにじさんじメンバーの登場する「Vupステージ」を開催。筆者が足を運んだ時には「白上フブキ」ちゃんと「夏色まつり」ちゃんが出演しており、かなりの人数が会場で観覧していた。
平成最後の「超歌舞伎」 中村獅童&初音ミクが再び「あの作品」を熱演
もちろん、ニコニコ超会議における催しはVTuberだけではない。noconicoで高い人気を保ち続けるコンテンツ「ボーカロイド」などを含め、様々なステージや展示が会場を賑わせていた。そんな中、2016年の初回公演以来、超会議の目玉イベントの1つとなっている「超歌舞伎」が、今年も開催された。
古典歌舞伎とNTTのデジタル技術が融合した「超歌舞伎」は、歌舞伎役者中村獅童さんと、ARで表現された初音ミクがステージ上で共演するエンターテインメント作品。
今年の演目は、「超歌舞伎」の初回公演で演じられた記念碑的作品である「今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」。古典歌舞伎を代表する名作のひとつである「義経千本桜」と、初音ミクの大人気楽曲「千本桜」の、それぞれの世界観をもとにして生まれた作品である。
今回の公演では、2016年の公演より脚本・演出の見直しを行っているとのこと。「超歌舞伎」で使われているNTTの超高臨場感通信技術「Kirari!」もさらに進化し、演出面を強化しているという。
▲中村獅童さん演じる「佐藤四郎兵衛忠信」と、初音ミク演じる「美玖姫」。
▲美玖姫の母、「初音の前」を演じるのは中村蝶紫さん。
▲忠信と美玖姫の宿敵、「青龍の精」は澤村國矢さんが演じる。
「今昔饗宴千本桜」は、千本桜を守護する白狐が転生した姿である佐藤四郎兵衛忠信と、千年前に白狐とともに千本桜を守護していた初音の前の娘である美玖姫が、桜から花を奪った邪悪な青龍と戦う物語。
千年の時を超え再開した2人が、枯れ果てた千本桜に再び花を咲かせるため青龍に挑む姿が、歌舞伎とデジタル技術の融合によって描かれる。
▲「実在の役者とARのキャラクター」、そんな違いなどまるで感じさせない息の合った芝居は、まさにリアルとデジタルの垣根を超えた“超”歌舞伎。
▲ARならではの映像表現で場面を演出するシーンや、大迫力の3DCGアニメーションを展開するシーンなども盛り込まれていた。
▲クライマックス、「あまたの人の言の葉を」集め、その力で再び千本桜に花を咲かせようとする忠信に、ニコニコ生放送ではコメントが溢れ、会場では桜色のペンライトが振られる。実にniconicoらしい演出。
▲コメントが桜の花となり、千本桜は満開に。会場は桜吹雪に包まれ、黒うさPさんの「千本桜」がこだまする。
平成最後の「超歌舞伎」は、初回公演と同じ演目ながら、脚本の見直しや技術面の進歩なども行ったとのことで、実際ニコニコ生放送などにおいてもその進化を感じているユーザーの声も見受けられた。
歌舞伎という伝統を守りながら、一つの形にとらわれずに挑戦を続ける「超歌舞伎」。公演を経て積み重なる経験値とデジタル技術の進歩によって、令和の新時代におけるさらなる進化にも期待が高まる。
なお「超歌舞伎」はニコニコ生放送でライブ配信も行われた。タイムシフト視聴が可能な人は、放送終了後にも視聴することも可能だ。
(文 高橋佑司/編集 花茂未来)
●関連リンク
・ニコニコ超会議2019 公式サイト